記事サムネイル画像

「トマトはすぐに食べないと栄養が逃げる」母から受けた食育理論に疑問…AIに聞いた結果、衝撃の事実

極端な考え方をする母のもとで育った私。特に食育へのこだわりは、家庭を持った今もなお、私の中に色濃く残っています。けれど最近、その教えに少し揺らぎが生まれました。

この記事の監修者
監修者プロファイル

管理栄養士久野多恵

管理栄養士の資格を取得後、小児科に勤務。子育て中の親御さんの疑問や悩みが多い事に気づき、自身の学んだ栄養学を活かしたいと感じる。エビデンスに基づいた栄養指導の知識を深め、保健指導に尽力する。自身の出産・育児経験を経て、現在は、行政における乳幼児健診時の離乳食・幼児食相談、妊娠期相談を対面で行う。その他、離乳食教室や母親教室の講義を担当し、初めての子育てに不安なママさんへの疑問に向き合い、一緒に解決する機会を設けている。また、成人期・高齢期の栄養相談、講話なども行い、幅広い層への栄養知識を深める活動をする。1男1女の母であり、現在も子育てに奮闘中。
新着記事が配信されたら、メールやプッシュ通知でお知らせ!

 

両極端な当時の母

私の母は、今でこそ年を重ねてずいぶん穏やかになりましたが、若いころはとても気性の激しいタイプでした。何事も「黒か白か」と極端に考えることが多く、大人になった今でも「あのとき、なぜ怒られたのだろう?」と首をかしげるような記憶がたくさんあります。思い出すとモヤモヤすることもありますが「母も当時は余裕がなかったのだろう」と思うようにして、深くは追及しないようにしています。

 

ただ、母から受けた食育だけは、家庭を持った今でも私の中に重く残っていました。

 

母の理論でおこなわれた食育

例えば、栄養豊富で体にいいと言われるトマトについて、母は「カットした時点からどんどん栄養が逃げていくから、切ったらすぐに食べないと意味がない」と言っていました。

 

幼いころの私は、母に言われるがまま、カットしたトマトをその場で急いで食べていました。少しでも時間を空けると「もうこのトマトには栄養がなくなった!」と叱られてしまうからです。

 

当時、私に「それはちょっと違うんじゃない?」と教えてくれる人もいました。でも、そうした話を母に伝えても「じゃあ、あんたは栄養のない残りカスを食べてなさい」と言い放たれ、まったく聞く耳を持ってもらえませんでした。子どもの私の言葉は、母に届くことはありませんでした。

 

 

母の食育の「本当のところ」

「トマトはすぐに食べないと栄養が逃げる」母から受けた食育理論に疑問…AIに聞いた結果、衝撃の事実

 

月日が流れ、私も大人になって家庭を持ち、自分が家族のために食事を用意する立場になりました。トマトを切るたびに、どこかで母の言葉がよぎり「トマトは食卓に並ぶ直前に切らなきゃ」と思っていました。母のように「今すぐ食べなさい」とまでは言いませんでしたが、心のどこかで「そうするのが正しい」と思い込んでいたのです。

 

ある日、ふと「母の言っていたことって、本当なのかな?」と気になり、生成AI(ChatGPT)に尋ねてみることにしました。

 

すると、返ってきたのはこんな内容でした。 「ビタミンCは空気や光、熱に弱いため、カットされた状態で放置すると徐々に分解されるが、空気中にすべての栄養が逃げるわけではない。すぐに大きく栄養価が下がるわけでもない」

 

その答えに、思わず笑ってしまいました。きっと母も、どこかでそういう話を聞いて「栄養が逃げる!」と極端に解釈してしまったんだろうな、と。その姿が想像できて、なんだか微笑ましく思えたのです。

そして後日、母から電話があった際に、この話をしてみました。子どものころのように少し緊張しながら伝えてみたのですが、返ってきたのは予想外な反応でした。

 

「そうなの、知らなかったわ。AIってすごいのね、何でも知ってるのね」

 

あまりにあっさりとした反応に拍子抜けしつつも、穏やかに話ができたことがうれしくて、じんわりと温かい気持ちになりました。

 

まとめ

私と母の関係性の変化、母自身の変化、そしてAIという便利な存在が生まれるほどに長い年月がたったこと……多くの変化が重なった今だからこそ、ようやく母の思い込みをほどくことができたのだと思います。

 

昔は今のように、調べたいことをすぐに検索できる時代ではありませんでした。そんな時代に、母は母なりに「正しい」と思うことを貫いていたのかもしれません。

 

かつてはどこか怖くて避けていた「母に正しい情報を伝える」という行動も、今の私にとっては、ちょっとした親孝行の1つ。これからも、無理のない範囲で少しずつ続けていけたらいいなと思っています。

 

【久野さんからのアドバイス】

トマトの栄養については、ビタミンCが光や熱、酸素に弱く、酸化が進むと効力が失われることがあります。そのため、子どもにもわかりやすく「栄養が逃げる」と伝えられることがあります。ただし、栄養価が秒単位で失われるわけではなく、加熱したからといって栄養がなくなるわけでもありません。

 

生のトマトの良さもありますし、加熱することで食べやすくなったり、多く摂取できたり、苦手な子でも食べやすくなることもあります。野菜の栄養は大切ですが、調理によるメリットも多くあります。SNSなどの情報を鵜呑みにせず、栄養バランスを意識して、バラエティ豊かな食卓を心がけましょう。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

※AI生成画像を使用しています

 

著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
  • \ この記事にいいね!しよう /
    シェアする

    • コメントがありません

  • 気になる記事をまとめ読み

    人気連載

    新着連載

    連載完結

    もっと見る

    注目記事を探す

    人気記事ランキング

    アクセスランキング
    コメントランキング

    お得な無料キャンペーン

    暮らしの新着記事

  • PICKUP