「中卒PCオタクは気に入らない」理不尽すぎる転勤宣告
上司は、社長の息子という立場を笠に着て、僕のことを見下していました。特に、僕が独学で身につけたスキルで社内の業務を効率化していくのが、気に入らなかったようです。
「なんで中卒のPCオタクと一緒に働かなきゃなんねぇんだよ」
「やっぱ、オタクとは分かり合えないわ〜」
そんな言葉で、僕の学歴や趣味をからかってきました。
そしてある日、僕は上司に呼び出されます。
「有名大卒の優秀なエンジニアをスカウトしたから、お前は来月からB支社に転勤な」
ニヤニヤしながら告げられた、あまりに一方的な辞令。僕がいなくなれば会社のシステムがどうなるか、彼は想像すらしていないようでした。
さらにB支店は万年売上が未達成のお荷物部門。実質上、左遷のようなものでした。
転勤先でまさかの大活躍!
僕が飛ばされたB支社は、驚くほど業務がアナログでした。毎日、膨大な量の書類を手作業で処理し、社員は皆、残業で疲れ果てています。
しかし、その環境は僕にとって格好の舞台でした。
「この入力作業は、マクロを使えば10秒で終わります」
「こっちの集計は、AIなら5秒ですね」
次々と業務を自動化していく僕に、同僚たちは唖然。「あなた、一体何者なの?」と、いつしか頼られる存在になっていきました。
鳴り響くSOS!無能上司の末路
左遷から一ヶ月ほど経った頃、僕のスマホが鳴りました。相手は、なんと本社の社長でした。
聞けば、僕がいなくなった本社は、大混乱に陥っているとのこと。僕が構築したシステムにエラーが多発しても、新しく入った「優秀な」エンジニアは全く対応できず、業務は次々とストップ。僕を左遷した上司は、彼をフォローするどころか責任を全て押しつけ、追い詰めてしまったそうです。ついに先日、そのエンジニアは退職。誰がこの混乱を招いたかは、誰の目にも明らかでした。
僕は、本社に「DX推進室」を新設し、その室長とすることを条件に、復帰を承諾しました。
一方、僕を追い出した元上司はというと……今回の混乱の責任を問われ、すべての役職を解かれた上で、僕の部下として働くことに。彼にとってかなり屈辱的な結果となってしまいました。
理不尽に振るった力は、いつか自分に返ってくる──。
今、僕は新しい部署で会社の未来を作るという仕事に、誇りを持って取り組んでいます。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。