

突然の抗議に戸惑う私
遠足から帰ってくる時間に合わせてお迎えに行くと、児童クラブの入り口で、ある保護者が先生に怒った様子で何かを訴えていました。するとそのお母さんが私に気づき、「あなた、〇〇くん(息子)のお母さん? うちの子が〇〇くんに意地悪されたって、ケンカになったんですよ!」と声を荒らげてきたのです。
そのお母さんの後ろには、隠れるようにしがみつく男の子の姿が。私は状況がまったくつかめないまま、「すみません」と反射的に謝ってしまいました。
そこへ先生が長男を連れてきてくれましたが、そこには朝の元気が嘘のようにしょんぼりした長男の姿が。朝は遠足をとても楽しみにして早起きまでしていたのに……。私は「一体何があったのだろう」と胸が締めつけられる思いでした。
先生の話によると、科学館を出る直前、エントランスで友だちとケンカをしていたとのことでした。
ケンカの原因はまさかの…!?
先生は、私ともう一人のお母さんがいるその場で、長男と友だちに何があったのか話を聞いてくれました。どうやら、科学館内のお土産コーナーで「おそろいのキーホルダーを買おう」と友だちに誘われた長男が、「お小遣いは禁止だから買えない」と断ったことがきっかけだったようです。
ルールに従ってお金を持っていなかった長男は、「それはルール違反だよ」と伝えたようですが、それが友だちにとっては「意地悪をされた」と感じたようで、気まずい空気になってしまったようでした。
先生が「配布したプリントにも『現金は持たせないように』と書いてあるのですが……」と伝えると、そのお母さんは少し慌てた様子で、「何かあったとき用に千円札を持たせていたんです……。息子の言葉だけを聞いて、早とちりしてしまいました。すみませんでした」と謝ってくれたのです。
児童クラブの先生からは、今後は行事の際に注意事項をもっと詳しく記載することや、現金が必要な場合は引率者が預かるなどの対応を検討すると説明を受けました。
突然保護者に怒られたことで私自身モヤモヤはしましたが、長男と友だちがその場でしっかり仲直りできたことに、まずはホッとしました。
そして私自身も、ただ「ダメだから」と伝えるのではなく、なぜそのルールがあるのかまできちんと説明する必要があったのだと反省しました。今回の出来事は、親としての伝え方や、子ども同士の関係をどう見守るかについて、改めて考えるきっかけとなりました。
著者:秋本かなこ/30代女性。2017年生まれと2021年生まれの兄弟のママ。元気な兄弟とパワフルな毎日を過ごしている。
作画:ぐら子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)