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「この家は長女夫婦のものだろ!」と押しかけた義兄…思わぬ落とし穴に青ざめたワケは

私は会社員として働きながら、両親と実家で暮らしていました。姉はすでに結婚しており、私はひとり娘として両親の面倒を見ていました。姉の夫、義兄とは会う機会が少なかったのですが、どこか距離を感じていたのを覚えています。

 

両親が急にいなくなって

そんなある日、両親が旅行中に不慮の事故で帰らぬ人となってしまいました。突然の別れに気持ちの整理がつかないまま、姉と協力して葬儀を執りおこないました。

 

両親の四十九日も過ぎ、ようやく日常を取り戻しつつあったころ。仕事から帰るとインターホンが鳴り、玄関を開けると見知らぬ女性が立っていました。戸惑っているうちに、その女性と数人が当然のように家に上がり込んできたのです。驚いていると、遅れて現れたのが義兄でした。どうやら一緒にいたのは義兄の家族のようでした。

 

義兄は私に向かって、「この家は長女である妻が継ぐことになっている。だから私たちが住む」と言いだしたのです。あまりに一方的な話に言葉を失いました。

 

姉との話し合い

私はすぐに姉へ連絡し、後日、義兄一家も交えて話し合いの場を設けました。義兄は実家の名義や両親の預金のことまで細かく聞いてきて、私は正直、不快でした。姉は冷静に「実家は同居していた妹が引き継ぐ予定。私は預金の一部を相続するつもり」と説明しましたが、義兄は納得しようとしませんでした。

 

そんな中、姉が突然「じゃあ、この家はあなたにゆずる」と言いだしたのです。私は驚きましたが、姉の表情を見て、何か考えがあるのだと気付き、黙って見守ることにしました。

 

 

3カ月後の結末

それからしばらくして、姉は義兄と離婚しました。そして、実家は義兄たちのものになった……かのように見えました。ところが3カ月後、元・義兄から「大変だ!」と慌てた様子で連絡があったのです。

 

話を聞くと、実家に届いた土地の賃貸料の請求書に驚いたとのこと。実は、姉がゆずったのは「建物だけ」で、土地の所有権は私に相続されていたのです。姉はその土地を管理会社を通じて貸し出し、義兄たちは正式な借主という扱いになっていました。つまり、住み続けるには賃料を払う必要があったのです。

 

義兄は契約内容をよく確認せずに署名していたようで、その事実を知らなかったのでした。支払いが難しいとのことで、最終的には退去することになり、実家は私たち姉妹のもとに戻りました。

 

両親の家を守って

その後、姉と私は改めて話し合い、両親の遺したお金で老朽化した実家をリノベーションすることにしました。

 

家の形は変わっても、両親の思い出が詰まった場所を大切に守っていきたい――そう心から思っています。

 

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家や土地といった「形のある遺産」は、人の心を映す鏡のようなものかもしれません。冷静に見極め、感情に流されずに対応できた姉の判断力には助けられたのではないでしょうか。一見、家を手放したように見えても、きちんと法的な手続きを踏んで守ることができたのは、両親が残してくれた「家族の絆」あってこそですね。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

 

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