それは、義母との関係です。義母は見栄っ張りで高級志向。無駄遣いが多く、義父からお小遣いを制限されているほどです。義父からのお小遣いを使い切ってしまうと、私たち夫婦にも、「お金を貸して」と頻繁に連絡してくるのです。
留守中に勝手にわが家に上がり込む義母
ある日、私が仕事から帰るとキッチンの食器や、私の部屋にある化粧品の置き場所が変わっていました。夫が動かしたのか、それとも私がいない間に誰かを家に上げたのか……。不安になり、帰宅した夫に確認すると「母さんが来たらしい」と言います。
義母にも電話で確認すると、たしかに家に来たとのこと。義理の家族とはいえ、お金を無心してくる人が留守中に家に来るのは心配なので、不在のときは勝手に上がらないでほしいと、夫から伝えてもらうようお願いしました。
すると夫は激怒。「家族なんだからいいだろ? 心が狭すぎるだろう」そう言って、私を責め始めたのです。「自分だって、お義母さんがお金を貸してほしいと言ってくることを嫌がっていたくせに!」と私が言い返すと、夫は何も言い返さず自室にこもってしまいました。
その夜、私はイライラがおさまらず、兄に電話で愚痴を聞いてもらい、気持ちをなんとか落ち着かせました。
それから数日後、その日は朝から体調がすぐれず、午後から会社を早退して帰宅した私。すると、なぜか夫がシャワーを浴びていました。「もう仕事が終わったの? なんでこんな時間に家にいるの?」不思議に思いながら、バスルームの横を通り過ぎてリビングへ入ると、衝撃の光景が……。
またも義母が勝手に…?
食卓には飲みかけのワインボトルと、グラスが2つと、高級スイーツの空箱が置かれていました。夫は帰宅するといつもバスルームに直行し、すぐにシャワーを浴びるので、きっと帰宅したばかり。つまりこれは……また義母が来たのだと思い、すぐに義母へ電話をかけた私。
「お義母さん! 留守のときに勝手にわが家に上がるのはやめてください! 今後も繰り返すようなら合鍵を返してもらいますよ?」そう強く言いました。すると、義母は「何よ! 息子の家なんだからいつ行ったっていいでしょう?」と開き直ったのです。
そんな義母の態度に、今度こそ、きちんと迷惑だと話そうと思った私。まだ近くにいるならわが家に来てもらおうと「お義母さん、今どこですか?」と聞くと、なんと義母は「今? ハワイにいるけど?」と答えたのです!
「うそはやめてください! 今日も来ていましたよね?」そう問い詰めると、「えっ、きょ、今日? そうね、そう言えば行ったわね、悪い?」と、なぜかしどろもどろの義母。さらに私は「また私の部屋にも勝手に入ったんですか? わが家を荒らしましたよね?」と追及しました。
私の言葉に「荒らした!?」と義母は一瞬驚いたような反応をしたあと、「ま、まぁそうね! 荒らしたと言えば荒らしたわね」となんとも言えぬ反論を……。なんとなく違和感がある義母の返答に私が少し戸惑っていると、夫がバスルームからリビングへやってきました。
想像を超える衝撃の展開に…
夫に反省していない様子の義母のことを話そうとしたそのとき、突然インターホンが鳴りました。私は義母が来たのだと思い、玄関のドアを開けると……。なんとそこには義母ではない、でも見覚えのある女性の姿が。彼女は「スマホ忘れ……」と、私の姿を見て青ざめ、言いかけた言葉を引っ込めました。
「……は?」一瞬、パニックになったものの、状況を察した私。あぁ、夫は不倫していたんだ……部屋を荒らしたのは義母じゃないんだ……義母の返答に違和感があったことにも納得がいきました。しかも夫の不倫相手は、兄のキャンプ場の女性スタッフ・A子さん。私も何度も顔を合わせています。
私は義母との電話を切り、夫とA子さんに説明を求めました。すると、言い逃れできないと観念したのか、2人は秘密の関係を白状したのです。私は、その場で夫に離婚を宣言し、家を飛び出し、兄のキャンプ場へ向かいました。
キャンプ場に駆け込み私が事情を説明すると、「もしかして……」とつぶやき、防犯カメラの映像を確認し始めた兄。場内に複数設置してあるカメラの映像を確認していると、仕事中のはずの平日の日中、駐車場に停まっている夫の車の中でキスをする2人の映像が見つかりました。
兄は、キャンプ場で夫の車を何度か見かけたことがあったと言います。しかし、普通は夫は仕事をしている時間なので、同じ車種の違う人の車だろうと思っていたそう。
その後も、A子さんがシフトに入っている日の防犯カメラ映像を確認していると、夫と手をつなぎ、空室のグランピング施設に入っていく映像や、車中で情事にふけっている映像まで出てきました。思わぬ形で証拠が手に入り、その日のうちに弁護士に離婚の相談をした私。体調が悪かったことなど、すっかり忘れてしまっていました。
許しがたい真実に絶句…
その後、弁護士を交えた相談を経て、夫との離婚が成立。私は2人に慰謝料を請求しました。これを知った義父はひどく怒り、夫との親子の縁を切ると宣言。義父は会社も退職するよう命じたと聞きました。一方、A子さんは職場の施設を無断で私用に利用したことや職務を放棄したことなど、問題行為が明らかだったため、兄は二度とキャンプ場に近づかないことを約束させ、退職してもらうことにしたそう。
義母が勝手にわが家を訪れていたというのも、義母は夫の不倫を知っていて、夫に協力していただけ。夫は義母にお金を渡す代わりに、口裏合わせを頼んでいたのでした。
しかし、不倫が発覚したあの日は、私が急に早退して帰宅することを想定していなかったため、夫と義母も完璧な口裏合わせができておらず、電話口での義母の返答があのようにしどろもどろになったのです。
結局、家を荒らしていた人物は、義母ではなくA子さんでした。食器の場所が変わっていたのは、A子さんが勝手がわからず片付けたためで、私の化粧品の場所がズレていたのは、夫と愛し合ったあとに私の化粧品を使ってメイクを直していたから……。今、思い返しても本当に頭に来ます。
無事に慰謝料を受け取った私は、心機一転、新しいマンションに引っ越し、新生活をスタートさせ、今も変わらず平日は会社員として働きつつ、休日は兄のキャンプ場を手伝い、毎日穏やかに暮らしています。
◇ ◇ ◇
自分の欲望のために、大切な家族を裏切った元夫。最後には、当然の報いが待っていました。お金や欲望で大切な人を裏切ると、後々自分に返ってくるものなのでしょう。これからは心を入れ替え、誠実に生きてくれることを願うばかりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。