娘が選んだランドセル、その理由とは
私はパステルカラーや花柄、リボンなどのかわいい感じがあまり得意ではなく、店頭に並んでいるランドセルを見ても、キャメル色や深緑色のような渋めのものをついつい目で追ってしまっていました。
一方、娘はあまり色やデザインにこだわりがなく、目移りしたり、ワクワク悩んだりしている様子も特にありませんでした。そのため店員さんが、「せっかくなのでね」と言いながら、赤やピンク、水色、リボンや花柄の刺しゅうのものなど、子どもらしくてかわいいランドセルをたくさんおすすめしてくれたのです。
しかし娘が選んだのは、赤い縁のついたネイビーのランドセル。私好みのシックで渋めデザインのランドセルだったので私はちょっと驚いてしまい、思わず娘に「本当に? どれでもいいんだよ?」と聞いてしまいました。すると……。
娘は「本当はこっちがいいけど、ママあんまり好きじゃないでしょ?」とワインレッドのランドセルを指差して答えたのです。
普段から何かを押し付けたり、娘の意見を無視したりしていた覚えはなく、むしろ好きにやらせてきていたと思っていたのに、5歳の娘にまさか気を使われるとは思いもせずびっくりするやら申し訳ないやら……。
もちろんランドセルは、娘が希望したワインレッドを選び、卒業のときには「この色選んで良かった」とも言ってもらえました。
幼いと侮るなかれ。子どもは親をよく見ているなぁ、と感じました。ランドセル選びを通して、娘の気持ちを尊重してあげることをそれまで以上に意識するようになった私。また、自分の言動は娘によく見られていると痛感したため、ささいな行動や言葉選びにも慎重になるようになりました。
当時は「これを選んだらママが喜ぶかな」なんて考えさせてしまったのかなとショックを受けましたが、高校生になった娘には「もう少し気を使ってくれてもいいよ?」と思う場面が増えてきた今日このごろ。家では遠慮がないように思えますが、「周りがよく見えているいい子ですよ」と歴代の先生たちからは褒めてもらってきました。気が使えて相手の気持ちを推し量れる娘は私の誇りです。
著者:paco/40代・女性・サービス業。ひとり娘の母。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年10月)
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