初対面のママの発言にイライラ
私は1歳の娘を育てる主婦です。夫の転勤で地元を離れて生活しており、周りに頼れる知り合いもおらず、初めての育児にあたふたしていました。そんなある日、娘とお散歩をしていると、近所の保育所内に子育て支援室が新設されたと書かれたポスターが目に入ったのです。「誰かと話したい。子育ての相談をしたい」と思っていた私は、すぐに予約を取り、支援室へ行くことにしました。
行ってみると、娘と同じくらいの男の子を連れてきているママが1人。仲良くしたいなと思ったものの、視線もなかなか合わず、声をかけられたくなさそうな雰囲気でした。支援室には保育士さんが常駐しており、子育ての相談後には「お子さんたちと遊んでおくから、ママたちは少しゆっくりしてていいですよ」となんともうれしい言葉。私は娘が楽しそうに遊んでいる姿を見ながら「なんて良い施設ができたのだろう」と喜んでいました。
しばらくして保育士さんから「せっかくだから園内を見てみませんか?」と提案があり、その親子と私たちは保育所を見学することに。見学の途中、保育士さんから「教室や園庭で遊んでもいいですよ」と言われ、私とそのママは子どもたちは同じ年齢の子どもが集まる教室で遊ばせることに。教室内では別の保育士さんが絵本を読み始め、園児たちも男の子も自然と保育士さんの近くに集まります。しかし、娘は初めて見るおもちゃに夢中で見向きもしません。
一向に絵本を見ない娘に「マイペースだな」と思っていると、一緒にいた男の子のママが「雰囲気を乱す子ね」とボソッと発言。私は一瞬耳を疑いましたが、そのママは険しい顔で娘を見ています。「う、うちの子のことですか?」と思わず声をかけると「え……ああ、聞こえちゃいました?」とさらに怪訝そうな顔。おそらく心の声が無意識に漏れたのでしょう。とはいえ、「そんな言い方しなくても」と私は内心イライラ。すると、後ろから突然、年配の女性が「そんな怖い顔してどうしたの?」とそのママに話しかけました。
どうやら女性は園児を迎えに来たおばあちゃんのよう。男の子のママは、おばあちゃんに「今日たまたま見学させてもらってるんですけど、うちの子はいい子に輪に混ざってるのに、好き勝手遊んでばっかりの子がいて、ああいう子と一緒にいると悪い影響受けそうだなって」と言うのです。散々な言われように耐えられず、帰ろうと思ったそのとき、おばあちゃんが「そりゃ、あなた言い過ぎよ!」と叱責。続けて「まだ1歳くらいでしょう? いろんなものに興味があって当然よ。あなたのお子さんは絵本に興味があった、そしてあの子は他のおもちゃに興味があった。それだけじゃない? うちの孫も最初は先生の示すことよりも他のことばっかりしてたわ。でももしあなたみたいに他の保護者の人から思われてたら悲しいわね」と言います。
男の子のママは、気まずそうにうつむき、「すみません……」とひと言。去り際に、私にも「すみませんでした」と消え入るような声で謝罪してきたのでした。おばあちゃんの言葉で、イライラしていた気持ちも落ち着いた私は、そのおばあちゃんにお礼を伝え、娘と保育園をあとにしました。
集団にすぐ馴染めるかどうかも、個人差のある部分だと思います。もし今後、子どもが周りの子と同じ行動ができなくても、子どもの好奇心や個性を大切にしたいと思うと同時に、あのママのように他人を無意識に傷つけることのないよう、責任ある言動を心がけようと思った出来事でした。
著者:佐藤きなこ/30代・ライター。1歳の食いしん坊な女の子を育てるママ。娘と同じく食べることが大好きで、暇さえあれば飲食店の情報をリサーチしている。
作画:fukafuka
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
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