夜泣きよりうるさい夫の文句
深夜2時。抱っこでスクワット、ミルク、オムツ、室内の温度調整……。 汗だくであやしても泣き止まない息子に、私は必死でした。そのとき、ベッドの上から夫の「いつまで泣かせてんの? うるさくて眠れないだろ」 という冷たい言葉が飛んできました。
私は「え? 泣かせてる? 今まさに泣き止ませ中ですが?」と言うと、夫は私の言葉を無視して「明日朝から会議なんだよ。静かにさせろよ」と言い放ったのです。いつもスマホ片手に文句を言うだけで、夜泣き対応は一度もなし。昼間は昼間で、寝不足の私に夫は「最近さ、小遣いが足りないんだよな」と言ってきたのです。私が「この前、追加で渡したばかりでしょ?」と答えると、夫は「ごちゃごちゃ言うなよ。誰の金だと思ってんだ?」と激怒する始末。
出産前に言ってくれた「家事は俺」「育児は二人で」「夜泣きも任せろ」と言う言葉も思いやりも、どこへ消えたのか。 私はただ、目の前の小さな命を抱きしめるしかできませんでした。
義実家で“祝福から総攻撃”へ
ある日、私が息子のお世話をしていると夫が「今度の週末、初孫を見せに行こう」と提案してきたのです。一瞬だけ胸がざわついたけれど、「お祝いの席なら……」と自分に言い聞かせ、私は頷きました。
週末、抱っこ紐とオムツ、哺乳瓶。必要なものをリスト通りに詰めて、私は少しだけ前向きな気持ちで玄関を出ました。ところが、義実家に到着すると義母が「あら、あなたも来たの? 息子と赤ちゃんだけかと思ったわ〜」と言い放ったのです。迷惑そうな顔をされながら居間に通されると、夫が突然「俺、最近ずっと寝不足でさ。こいつが全然お世話できてないんだよ」とひと言。その言葉をきっかけに私への総攻撃が始まったのです。義母は「あらまぁ。赤ちゃん1人もあやせないなんて! やっぱり要領が悪いのね」と言い、義父が「男が育児手伝わないのは当然だ。外で働いて“やってる”んだからな」と言うのです。
お祝いの席だと思って来たのに、結局は私を責める会になってしまいました。小さな息子を抱え、私の心はスッと冷めていくのでした。
義母の一言に、満面の笑みで反撃!
限界に達した私は静かに深呼吸し、笑顔で「お義母さん、さぞかし“完璧なお母さん”だったんですね」と義母に問いかけました。まさか私が言い返すと思っていなかった義母は「え?」とひと言。さらに私は「だって、こんなふうに夜泣きで困ってる妻を責める息子を育てたんですもの。 お義母さんの育児、ぜひ伝授してほしいです。どうしたら妻にこういう言葉が出るようになるのかって! あ、あと平気で約束を破るような人に育てるにはどうしたらいいのでしょう?」と詰め寄りました。
私の言葉を聞き顔面蒼白になる義両親。すると夫が「俺、育児も家事も全部押しつけて調子に乗ってたよ……」とひと言。義母も「ごめんなさい。そんな言い方するつもりじゃなかったの」と謝罪。反省する2人に満足した私は「もう二度と責めるような言葉を使わないって約束できますか?」と声をかけました。 すると2人は「もう言いません」と誓ってくれたのです。
空気は一転して、お祝いムードに。以後は、私と息子はのんびりさせてもらい、夫と義母にはテキパキ働いてもらいました。これからは家族で協力して、要領よく過ごしたいと思います。
◇ ◇ ◇
「母親なら当然」「嫁なんだから」という言葉に黙って耐える必要はありません。怒鳴らず、泣かず、笑顔でピシッと返せば、空気は変えられます。なかなか言い返せないかもしれません。しかし、それはあなたの心を守るための手段になります。勇気を持って伝えると明るい未来が開けるでしょう。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。