複数のママに責め立てられ…
プールサイドまでは私も付き添っていたのですが、娘は「ママも一緒に入るんでしょ?」と不安げ。しかしベビースイミングと違い保護者は水には入らないため、レッスンをしているレーン横のプールサイドから見守ることしかできません。私は「今日からママはプールサイドで見てるからね! いってらっしゃい!」と娘の背中を押し、子どもたちが練習するレーンの反対側のプールサイドから見守っていました。
しかしいざレッスンが始まり、コーチが、「じゃあ最初は顔を水につけて、手を前に」と言っても、娘は固まったまま。「ママー!」と泣き始めてしまったのです。
すると私の隣にいたAくんのママが「まだひとり立ちは早かったんじゃないですか? 泣いてると周りが迷惑しますよ」と言ってきました。Aくんはベビースイミングからいっしょだった、娘と同い年の男の子。Aくんのほうが誕生日が早い関係で、娘より3カ月ほど早く、今のクラスに入っています。Aくんのママは、ベビースイミング時代からコーチなどにもなんでもはっきり言うタイプで、私は少し苦手意識がありました。そんなAくんのママは続けて、「ほら、おたくの子が泣いてるから、レッスンが進まないじゃない」「あんなに泣くぐらいなら家で練習させてきてくださいよ」と追い打ちをかけてきたのです。
そのママに便乗した周囲のママたちが、「時間がもったいないね」「もうすぐテストなのに」などと口々に言い始め、空気は一気に重くなります。悔しい気持ちになった私は「そうかもしれませんね……すみません」と黙り込むしかありません。
するとひとつ上のクラスに通う5歳のBちゃんのママが突然声をあげました。「みんな始めはそうだったじゃない。初回で泣いちゃう子なんてたくさんいるわ。まだ3歳の子が泣いたからって責め立てて、おとなげないわよ!」と語気を強めて言ってくれたのです。Bちゃんママは以前からクラスは違いましたが、レッスンの時間帯が同じで、あいさつをする程度の仲でした。そんなBちゃんママの発言に、場は静まり返り、Aくんママに同調していたママたちも気まずそうにしています。
そのとき、コーチが娘の横に来て、「大丈夫! 〇〇ちゃんのペースでいいんだよ!」と明るく言う声が聞こえました。それを聞いた娘はなんだかリラックスできたようで、少しずつ手足を動かし始めて……。さらに、リズムよくバタ足をして、水面に顔をつけながら泳げたのです! 周囲のママたちは目を丸くし、私も思わず「すごい! ひとりで泳げてる!」と声をあげたのです。
当初怒っていたママも一瞬言葉を失い、他のママたちも「えっ!?」と驚き、その場が拍手に包まれました。娘は涙を拭きながらも誇らしげに「ママ、できたよ!」と笑顔を見せてくれて、子どもの成長をしみじみと感じたのです。同時に、「まだ娘には早かったかも」と一瞬でも娘の力を信じ切れなかった自分を恥ずかしく思いました。
最初の不安はあれど、子どもは着実に環境に適応し、成長する力を持っていると私は思います。これからは、他人の批判に挫けることなく、子どもを信じて見守っていきたいと感じた出来事でした。
著者:長嶺りょう/30代・主婦。3歳の女の子を育てるママ。寝る瞬間までおしゃべりを続ける娘の横で白目を剥きながら、大好きな推しのことを考えて現実逃避中。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年7月)
【Amazonギフト券プレゼント♡】みなさまの体験談を募集しています!
妊娠中や子育て中のエピソードを大募集!「ベビーカレンダー」のニュース記事として配信、公開いたします。体験談を掲載させていただいた方の中から、抽選で毎月5名様に1000円分のAmazonギフト券をプレゼント。何度でも応募可能ですので、奮ってご応募ください♪どうぞよろしくお願いします!