望遠レンズの先にいたのは、うちの娘…?
娘の目印は、ド派手な蛍光ピンクの靴下。そして髪型はポニーテールに大きなリボン。これなら絶対に見失わないはず!と、その日の朝を迎えました。
いよいよ、娘が出場する70m走のスタートです。ビデオカメラを構えながら、トラックに立つ娘の姿を探していると、ふと視界の端に、ものものしい雰囲気の男性が入ってきました。手には、まるでプロのカメラマンが使うような、大きな望遠レンズ付きのカメラ。そしてそのレンズは、明らかにうちの娘に向けられ、一心不乱にシャッターを切り続けています。
「え、誰…?何してるの……?」
全く面識のない男性です。もちろん撮影スタッフやPTAでもありません。不審に思い、声をかけるべきか逡巡しつつも、まずは娘のレースを最後まで見守りました。その間にも鳴り響くシャッターの音……。
明らかになったまさかの事態
「もしも不審者だったら……」と怖くなり、レース後にその男性に声をかけようと、近づきました。すると、その男性のもとに妻らしき女性がやってきて、「どう?写真うまくとれた?」と声をかけたのです。
二人はその場で撮影した写真を確認。すると次の瞬間、信じられないといった表情で「あれ?うちの子じゃない!」と顔を見合わせているではありませんか。
何が起きたのかと様子をうかがっていると、その4レース後に、娘と全く同じ蛍光ピンクの靴下を履き、同じようなポニーテールに大きなリボンをつけた女の子が登場!背丈もそっくりで、これでは間違えてしまうのも無理はありません。「そういうことか……!」と、私は胸をなでおろしました。
人違いから生まれた嬉しいサプライズ
運動会も無事に終わり、帰路についていると、なんと先ほどのご家族とばったり遭遇!「もしかして……」とお互いに気づき、「本当にそっくりでしたね!」と大いに盛り上がりました。これも何かのご縁ということで、2人のそっくりさんを並べて記念に一緒に写真をパシャリ。
すると後日、そのご夫婦から「間違えて撮ってしまったのですが、せっかくなので……」と、あの望遠レンズで撮影した娘の写真データを送ってくださったのです!
自分たちのカメラでは到底撮れない、躍動感あふれる本格的な写真の数々。まるでスポーツ選手のブロマイドのような仕上がりに、家族みんなで大喜びしました。
最初は少しドキッとしましたが、まさか人違いからこんなに嬉しいご縁につながるとは思いもしませんでした。思い込みや勘違いも、時には素敵な出会いを生んでくれるのかもしれませんね。
※AI生成画像を使用しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。