孫にスマホを持たせたきっかけ
母子家庭での生活が始まったころ、私は夫と相談して「何かあったときにすぐ連絡が取れるように」と孫にスマホを持たせたいと提案しました。
「GPSで居場所もわかるし、少しは安心できるわよ」と言いましたが、娘は「まだ小学生だし、早いんじゃない?」と気乗りしない様子。
「でも、最近は通学路でのトラブルもあるし、持っておいて損はないわ」と説得し、最終的には私の負担で持たせることにしました。
その判断が、のちに“救い”になるとは、このときは思いもしませんでした。
深夜のメッセージ
そんなある日の深夜2時。スマートフォンに届いたメッセージを見て、思わず息をのみました。
「おばあちゃん、今から行っていい?」——送信者は孫でした。
孫からの「行っていい?」という連絡に驚いて電話をかけると、泣きそうな声でこう言いました。
「ママがずっと寝てて、ごはんも食べてないの」
慌てて車を走らせ娘の家へ向かうと、玄関を開けた瞬間、息をのみました。部屋の中は片付けられず、テーブルには食べかけの食事と、薬の袋がいくつも置かれていました。どうやら娘は体調を崩して寝込んでいたようでした。
「ママの具合、悪かったんだね。よく連絡してくれたね」と孫を抱き締めながら、胸がいっぱいになりました。
娘との会話
朝になって、娘と話をしました。「少し無理し過ぎたのかも。仕事の締め切りが続いて、気付いたら動けなくなってた」と娘は涙ながらに話しました。
「無理しないで、もっと頼っていいのよ」と伝えると、「ありがとう。あの子が連絡してくれて助かった」と娘もほっとした様子。娘の疲れを思うと、叱るよりも寄り添う気持ちのほうが強くなりました。
この出来事をきっかけに、私たちは家族で協力し合う体制を整えました。平日は私が夕飯を届け、休日は娘がしっかり休めるようサポート。孫も「おばあちゃんちの日が楽しみ」と笑うようになりました。
娘も体調を取り戻し、「これからは無理せず、ちゃんと頼る」と言ってくれています。私自身も、家族を“支える側”としての役割を改めて実感しました。
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シングルマザーとして働く姿も立派ですが、「頑張り過ぎること」も危険なのだと痛感します。今回の出来事で、家族が助け合う仕組みをつくることの大切さを感じたのではないでしょうか。「頼ることは甘えではない」と気付いた娘と孫が笑顔を取り戻せたことが、何よりの救いですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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