後輩の結婚相手は…元夫!?
待ちに待った後輩の結婚式。後輩とは大学時代から仲が良く、卒業後も定期的に会う関係で、晴れ姿を見るのを心から楽しみにしていました。
少し早めに式場へ到着したとき、突然私のスマホが鳴りました。発信者は――元夫。久しぶりに見る名前に一瞬手が止まりました。
画面には「今すぐ出ていけ」と一文だけが表示されていました。その直後、着信が入りました。
「俺が結婚するって聞いて来たんだろ?」
意味がわからず固まってしまった私。しかし、話の流れからすぐに気付きました。
「まさか……後輩の結婚相手って、元夫?」
後輩から相手の詳細を聞いていなかったうえに、招待状に新郎の名前は書かれていたものの、正直きちんと見ていませんでした。まさか元夫が、かわいい後輩の結婚相手だなんて。離婚時の苦い記憶がよみがえり、後輩のことが急に心配になりました。
けれど、元夫からの連絡は止まりません。「俺に未練があるんだろ」「結婚に焦ってるんだろ」など、元夫からは身勝手な言葉ばかり。新婦が大学時代の後輩であることを伝えつつ、取り合っても無駄だと思い、私は通知を切りました。
後輩に連絡を取ると…
気を落ち着けて後輩に連絡を取ろうとしたとき、ちょうどメッセージが届きました。
「今日は来てくれてありがとうございます! 早く彼を紹介したいです!」
その文面から幸せがにじみ出ていて、胸が痛みました。私は「彼とはどこで出会ったの?」とだけ尋ねると、「駅で財布を落としたときに拾ってくれたんです。話してみたらやさしくて……そこから交際が始まりました」と返ってきました。彼女が心から信頼している様子が伝わってきて、ますます複雑な気持ちに。
彼女からの「あとで紹介させてくださいね!」というメッセージを見て、どうしたらいいのか悩みました。
元夫の秘密をバラすことを決意
その後も元夫からは、「俺たちの結婚を邪魔するなよw」などなど、ひっきりなしに連絡が続きました。準備で忙しいだろうに、何をしているんだか……という気持ちもありつつ、「邪魔をするつもりはない」「そもそも、バツイチであることは伝えてあるんだよね?」と連絡をすると……。
元夫からは「言うわけないだろw」と返ってきました。――その言葉で静かに怒りが沸点に達した私。この後輩は本当に素直で、よい子なのです。きっと彼の本性を知らないまま、結婚まで話が進んだのでしょう。私は覚悟を決め、彼の連絡には返事をせず、新婦である後輩に電話。
後輩には、今日結婚する相手は実は私の元夫であること、それに今日気づいたこと、私たちが別れた理由、あなたがどうするかはあなたが決めること……などを誠意をもって伝えました。そして私はご祝儀を置いて、式場を後にしました。
数日後、後輩から届いた連絡には
数日後、後輩からメッセージが届きました。
「先日はありがとうございました。彼からは結婚歴はないと聞いていたので、当日は動揺してしまいました」。
彼女のメッセージには、式はおこなったものの籍を入れる前であったこと、話し合いの結果、彼とは結婚をしないことにしたこと、ご祝儀はゲストに返していることが記されていました。両家で話し合いがおこなわれ、元夫の借金やギャンブル癖も発覚。後輩家族は、元夫に慰謝料を請求したそうです。
一方、元夫からもメッセージが届きました。内容は……想像の通り「お前のせいで台無しだ! 責任を取れ!」と罵倒の嵐。けれど、結婚詐欺まがいのことをしていたのは彼自身です。どんな言葉を投げかけられても、私はもう動じませんでした。
後輩とは今も連絡を取り合っています。「先輩が教えてくれなかったら、どうなっていたかわからないです」と彼女は言ってくれました。彼女には幸せになってほしい思いだったので、元夫だと明かすことが彼女の幸せを奪うことにならないか、不安もありました。けれど、結果的に明かしてよかったです。
人のやさしさを踏みにじるような人から離れられた後輩が、これから本当の幸せを見つけられますように――。今は、心からそう願っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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