「男性ファースト」な義実家
料理がテーブルに並び始め、いよいよ食事という雰囲気になったとき、義母が「男の人から先にご飯を食べてね」と、それが当たり前という口調で言いました。一瞬「え?」と耳を疑いましたが、義母にとっては昔からの習慣なのかもしれません。
義母のそのひと言で、夫や義兄、義父たち男性陣はぞろぞろと席につきます。
一方で、私や義姉、そして当の義母までも、女性陣は台所とテーブルを行き来し、大皿の料理を並べたり、飲み物やお茶を注いだりと大忙しです。
男性陣の席からは楽しそうな笑い声が聞こえてきますが、私たちはなかなか座れません。
ようやくすべてが整って自分たちも座ろうとしたときには、メインのおかずはすでにほとんど残っていませんでした。あれだけ準備を頑張ったのに、私たちのごはんはこれだけ……と、なんとも言えない虚しい気持ちになりました。
その夜、寝る前に、夫に「今日のことなんだけど……」と切り出しました。責めるつもりはなかったのですが、モヤモヤした気持ちが消えず、思わず「私たちも同じ家族なのに、なんだか不公平に感じちゃった」と正直な気持ちを伝えました。
夫は最初キョトンとしていましたが、私が「女性陣が座る頃には、メインのおかずがほとんどなかった」と具体的に話すと、ようやく状況に気づいたようで、「そっか……ごめん、全然気づかなかった。次からは手伝うよ」と真剣な顔で言ってくれました。
正直、夫があの約束を覚えているか少し不安でしたが、次に再会したお正月の集まりで、夫は変わってくれました。私たちが台所で準備をしていると、夫が率先して「何か運ぶものは?」と言って、配膳をしてくれたのです。
義母や義兄は少し驚いた顔をしていましたが、夫はそれを気にすることもなく、「みんなで一緒に食べよう」と声をかけてくれました。
そのひと言のおかげで、男性が先という雰囲気はなくなり、全員が席についてから「いただきます」ができました。雰囲気がぐっと和らいだのを感じてホッとしました。
この経験から、義実家に対してであっても、小さな違和感や不公平だと感じた気持ちを、我慢する必要はないのだと気づきました。夫のおかげで、義実家の集まりが「憂鬱なもの」から「家族みんなで楽しむもの」に変わり、本当に良かったと思っています。
著者:大野由奈/40代女性/育児で毎日大忙しの30代ママ。毎週金曜日の夜は夜更かしをしながらコーヒーを飲むことが日課。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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