夫が使用していた部屋から異臭
私たち夫婦が新居を義実家近くに建てるため、義実家が現在住んでいない旧宅を取り壊すことになりました。思い出のたくさん詰まった旧宅ですが、築100年越えで耐震強度もないため、早急な取り壊しが求められました。
しかし、片付けが大嫌いな義母です。旧宅はまるで長年開けていない蔵のように、義母の荷物であふれかえっていました。結局、すべての荷物を運び出すまでに、丸1年もかかってしまったのです。
なかでも義母が熱心に集めていたのが、某男性歌手のコンサートグッズの山。すでに義母たちが住んでいる新しい家も、お世辞にも片付いているとは言えない状態で、収納が余っているようには見えません。「あの大量のグッズ、いったいどこに仕舞うつもりなんだろう……」と、私は密かに不安を感じていました。
そんな不安が的中したのか、ある日、久しぶりに義実家を訪れると、もともと夫の部屋として使っていた一室から、ツンとするような異様なニオイが漂ってきました。「え、何のニオイ……?」と、恐る恐るその部屋の納戸を開けてみると……。
なんとそこには、あの男性歌手がプロデュースしたというお醤油の瓶が! しかも、開封されたまま無造作に放置されていたのです。
納戸に置いてあった夫の衣類や大切な書類にまで、独特なニオイがすっかり染み付いてしまっていました。これには温厚な夫もさすがに堪忍袋の緒が切れたようで、義母は夫からこっぴどく叱られていました。
夫には気の毒でしたが、義母が本気で叱られている姿を見て、私は自分の将来について真剣に考えさせられました。
モノを大切にする気持ちや、「好き」を集める楽しみは、とても素敵なことです。でも、それが家族の生活スペースを圧迫したり、今回のように迷惑をかけてしまったりしては本末転倒です。自分が元気なうちに身の回りをきちんと見直し、本当に大切なものだけを選び取れるようにしておこう、と考えました。それは単なる片付けではなく、将来子どもたちが困らないようにという、家族への大切な思いやりなのかもしれないと、義母の"醤油事件"を通して、あらためて心に誓ったのでした。
著者:金森さら/30代女性/1歳、4歳のパワフルガールズを育てる母。家事に仕事にハードモード。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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