ある頃から夫は「出張が増えた」と言って家を空けることが増えました。スマホに向かってひとりでへらへらと笑うこともありましたが、私は気にしないようにしていました。
夫の浮気現場に遭遇!?
ある日、買い物帰りの商店街で、私は夫と見知らぬ女性が腕を組んで歩いているのを見てしまいました。その日は「出張」と言っていた日です。驚いて声をかけると、その女性は私を見て、「え、この人が奥さん(笑)?」と挑発するように笑いました。
その態度で、夫の「出張」が嘘であることを確信しました。
夫は一瞬固まりましたが「仕事で外回り中に幼馴染にたまたま会っただけだ」と苦しい言い訳を口走り、そのまま逃げるように去っていきました。
その日の夜、夫は帰宅後、私と目を合わせようとせず、「疲れてるから」と自室にこもってしまいました。浮気を否定することも謝ることもなく、まるで“何もなかったこと”にしたい様子でした。
私自身も混乱しており、問い詰める気力が湧きませんでした。けれど夫の態度は日に日に開き直りに近づき、スマホを手にしては楽しそうに笑う時間が増えていきました。
義実家で“歓迎”される浮気相手
ある週末、私が家で家事に追われていると、夫がなんと先日の女性を連れて来ました。私もその場に呼ばれ、リビングに入ると、そこには慣れた様子で座る彼女の姿がありました。そして彼女は、まるで当然のように私を見て言いました。
「私ね、学生のころからずっと彼が好きだったの~♡」
幼馴染の言葉に鼻の下を長くする夫……。義両親は「やっと来てくれたのね!」と、まるで長年待ち望んでいたかのように声を弾ませました。
「年増の嫁がいなくなってうれしいわ~!」
「再婚するんだよな、おめでとう! うちにこんなかわいい嫁ができるなんて♪」
離婚もしていないのに、あまりにもひどい義両親の言葉……私がどれだけ仕事と家事を両立させようと努力しても、この家では最初から歓迎されていなかったのだと理解しました。
「……よく分かりました。最初から私を家族として見るつもりはなかったんですね」
そう言うと、荷物をまとめ、家を出ました。
その後、弁護士に依頼しスムーズに離婚が成立。慰謝料もしっかり請求しました。私は新しく部屋を借り、生活を立て直し始めました。
数カ月後に聞いた夫たちの“その後”
数カ月後、親戚から連絡がありました。私と離婚後、夫たちはすぐに再婚したようですが、幼馴染の女性は、義両親から家事や親戚づきあい、行事準備などを次々と任され、疲れ果ててすぐに家を飛び出したそうです。義両親は、『嫁が家事全般をやるべき』と考えるタイプ。幼馴染の女性も同じ状況に追い込まれたのだと思います。
義両親は「どうしてあの子は続かなかったのか」と嘆いているとのこと。夫からは「やり直したい」と何度も連絡が来ましたが、ただ家事要員が欲しいだけなのが透けて見えていたのでスルーしました。何より夫家族が私をぞんざいに扱ったこと、一生許すつもりはありません。
離婚は大きな決断でしたが、踏み出してみればそこには予想以上の自由がありました。私は今日も、自分のペースで前へ進んでいます。今では心から離婚してよかったと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。