僕が息子だと知った先輩は…
社内では、企画プレゼン大会なるものが迫っていました。各々が新しい企画を考えプレゼンしたのちに、投票数の多かった企画が新規プロジェクトとしてスタートするというもの。参加資格は社員全員にあり、僕は「仕事で認められるチャンスだ!」と意気込んでいました。
その一方で、僕は同僚女性のA子さんのことが、異性として気になっており……。日頃からプライベートな話もよくしていたため、思い切ってデートに誘ってみたところ、見事OKをもらうことができ、デートに向けてプランを練っていました。
そんなある日のことです。残業をしていると、社長がやってきて声をかけられました。
「そういえば、お前はまだ、俺の息子だと同僚たちに言っていないのか?」
すると、なんと先輩・B男さんが僕たちの話を聞いていたのです。
「えっ、社長の息子さんだったとは初耳です」とニヤニヤするB男さん。彼は僕のことがあまり好きではないようで、日頃から嫌味を言われることもしばしば……。その日は、「明日も早いので、僕は帰ります」とそそくさと会社を出ましたが、翌日、B男さんはA子さんもいる場で、「無能でも将来安泰でいいなあ」などと言ってきて、僕は深いため息をつきました。
ただ、幸い、B男さんは僕の秘密を周囲に言いふらすことはありませんでした。
意中の女性に振られたうえ!?
そして、ついにA子さんとのデート当日。遊園地に行った帰り道、僕は彼女に「付き合ってください」と告白しました。しかし、「ごめんなさい。付き合えない」と結果は玉砕。重い空気の中、彼女を駅まで送って帰路につきました。
翌日、プレゼン大会まであと1日だったものの、僕は振られたショックから仕事に身が入りませんでした。するとB男さんが、「元気ないね〜外の空気でも吸ってこいよ」と言ってきたため、僕は少し休憩することに。
ところが、会社の近くのカフェでコーヒーを買ってオフィスに戻ると、僕は驚愕。いくら探しても、パソコンのデスクトップに保存していた企画書が見つからないのです。
焦る僕を見たA子さんは…
僕が「ない! 絶体絶命だ……」と焦っていると、心配したA子さんが「どうしましたか?」と声をかけてくれました。企画書がないことを説明すると、「私でよければ、手伝いますよ」と新しい企画書作りを手伝ってくれることに。2人で協力して、無事に企画書を仕上げることができました。
そうして臨んだプレゼン大会当日。結果は、なんと僕が優勝したのです! するとB男さんは僕のもとに来て、「こんなの、お前が社長の息子だからに決まってるだろ! 昨日、企画書を削除したっていうのに!」と発言。薄々わかってはいたものの、企画書を消したのはB男さんだったよう。
ただ、B男さん以外の社員は僕が社長の息子とは知らないうえで、僕に投票してくれたのです。「これは僕の実力です!」と言い返すと、彼は「こんな会社辞めてやる」と言って、翌日、辞表を提出して本当に辞めてしまったのでした。
A子さんが僕を振った理由は?
数日後、僕は気まずかったものの、企画書作成を手伝ってくれたお礼として、A子さんにお菓子を渡しました。すると、「話したいことがある」とのこと。
そのため、仕事終わりに一緒にカフェに行くと、「私、あなたが社長の息子さんだと気づいていて……」と明かされたのです。僕が会社に入ってすぐのころに、社長と話している場面を見てしまったそう。さらに、A子さんは複雑な家庭環境で育ったため、「私とあなたは釣り合わないと思って、付き合うことを躊躇してしまった」と言われました。
ただ、僕が「家柄なんて関係ないよ。僕はどんな家庭で育ったとしても、君のことが好きだ」と伝えると、A子さんは「私もあなたのことが好きです!」と言ってくれ、僕たちは付き合うことに。
仕事も恋愛も軌道に乗ってきた僕。慢心せず、これからも彼女を大切にしながら、仕事に精進していきたいと思います!
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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