「無職の彼氏?」と広まったうわさ
A男さんは5歳年上の43歳。出会った当初、「今は仕事をしていない」と聞き、驚いたのを覚えています。しかし事情を聞くと、納得できる理由がありました。彼は一時的に休暇を取っているだけで、仕事への姿勢も誠実そのもの。私はむしろ安心感を覚えたのです。
そんなある日、デート中に偶然カフェでB美と遭遇しました。「部長、彼氏いたんですか? 仕事ばかりで枯れてると思ってましたよ」と笑いながら、あからさまにマウントを取ってきます。その場はやり過ごしましたが、翌日には職場中に「部長の彼氏は無職らしい」とウワサが広がっていました。
「やっぱりB美が言いふらしたのね……」とモヤモヤしながらも、私は仕事に集中することに決めました。
彼を見下す同僚たち
ある日、更衣室でB美と同僚の会話が聞こえてきました。
「部長の彼氏、服ヨレヨレじゃない?」
「絶対お金目当てでしょ」
「恋愛経験ゼロなの?」
そんな心ない言葉に胸が締めつけられました。実際には、A男さんはシンプルな服装を好むだけで、むしろ高品質なものを長く使うタイプ。デートのたびにきちんと支払いもしてくれる人です。
悲しい気持ちのまま家に帰ると、A男さんから「いつものカフェで会おう」と連絡がありました。事情を話すと、彼は静かにうなずいて「そんなことを言われて落ち込むなんて、やさしいね」と笑いながら、ポケットから小箱を取り出しました。
「僕と結婚してくれませんか?」
突然のプロポーズに、私は涙があふれました。
「正体」を知って黙り込む同僚
数日後、私は婚約を報告。退職の意向も合わせて伝えました。するとB美が慌てた様子で近づいてきて、「正気なんですか? 無職の彼と結婚して退職なんて!」と口を挟みます。私は静かに答えました。
「彼、今は休暇中なだけなの。実は海外でバリスタとしてカフェを経営しているのよ」
そう伝えると、B美は一瞬言葉を失っていました。A男さんは海外を拠点に複数のカフェを展開する経営者。日本にはしばらく滞在していたものの、仕事の一環だったのです。
ウワサを信じていた同僚たちは一様に驚き、B美はしばらく気まずそうにしていました。やがて、周囲と比較ばかりしていた彼女は人間関係がうまくいかなくなり、職場でも孤立気味になったそうです。
一方の私は、プロポーズを受けてA男さんとともに海外へ渡り、穏やかで充実した新生活を送っています。
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上司や同僚の私生活をウワサ話のネタにしたり、他人を比べて優越感を得ようとしたりする姿勢では、結局自分が苦しくなるだけ。人を見下すより、自分自身を大切にし、努力や魅力を見つめ直すことこそが、本当の幸せにつながるのだと感じさせられますね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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