千葉愛友会記念病院(千葉県流山市)産院ごはん

唐澤シェフが料理人になったきっかけ

まず最初に唐澤さんが料理人になったきっかけを伺ってみました。

唐澤さん「10代の頃は車の整備士として働いていました。その後、子どもの頃から好きだった料理に興味が出てきて、20歳のときに料理人としての道を歩むことを決断しました。

そして日本橋の料理屋、一流ホテルで働き、機内食などの調理にも携わってきて、千葉愛友会記念病院で働くようになりました。病院での経験は8年程になります。いろいろな経験を積み、若い頃たくさん勉強をし、腕を磨いてきました。これまで大変なこともありましたが、今の自信に繋がっています」

唐澤さんにいちばんの得意料理を尋ねると、「自信のあるものはいろいろありますが、いちばんの得意は和食でしょうね」と語ってくださいました。

取材時の朝食
患者さんに大人気の「バケットフレンチトースト」
取材日の昼食
豪華なワンプレート和御膳

出産後のごほうびになるような料理を提供していきたい

千葉愛友会記念病院で提供される食事は、管理栄養士の加藤さんが1日の摂取カロリーを設定し、それをもとに唐澤さんが献立を考えているそうですが、産科だけ専門のシェフがほかの入院患者さんとはまったく別なものをつくっているとのこと。唐澤さんと加藤さんに産科で提供する食事のこだわりを伺いました。

唐澤さん「食材に関しては、安心・安全を保障できるもので、手作りにこだわっています。

献立は私が考えていますが、夏と冬のメニューがあり、1日の必要摂取カロリーの設定もあるので、とても難しく大変な作業です。ただ、あまりカロリーにとらわれず、出産後のごほうびになるような料理を提供していきたいと思っています。

また、患者さんには少しでも温かい料理を提供したいという想いがあります。しかし、千葉愛友会記念病院は大きな病院なので、厨房から患者さんに食事が届くまで時間がかかることもあります。そのため、冷めない料理、冷めてもおいしい料理を提供することにこだわって工夫もしています」

加藤さん「患者さんの必要摂取カロリーは、管理栄養士の私が設定していますが、あくまでも目安として考えています。カロリーにこだわりすぎず、患者さんにお疲れさまという意味を込めて考えているんですよ。もちろん、妊娠高血圧症候群など合併症のある患者さんの食事は、個別で指示を出し、塩分をひかえ目にしたり、特別メニューで対応したりしています」

取材日の夕食
「鶏ムネ肉のほう葉焼き」温かいまま提供できるよう工夫されています

総合病院だからこそスタッフとの連携も大切に

唐澤さん「調理は、シェフと調理師が3名、管理栄養士が2名、栄養士2名、パートスタッフを含め、総勢22名でおこなっています。

千葉愛友会記念病院で提供される食事は、病院全体で1日に約600人分です。ドクターの食事も作っています。産科には、1日4〜5名程、多いときで10名分提供しています。

提供している食事の数が多いので、スタッフとの連携を大切にし、普段の業務を遂行しています。スタッフとの仲は良好で、スタッフ内での意見交換も積極的におこなっています」

厨房スタッフのみなさん。仲が良く、チームワークは抜群!」
調理風景

入院生活を心から楽しんでほしいという想い

お品書きの裏に、患者さんから実際いただいたコメント

唐澤さん「患者さんに食事を提供するにあたり、患者さんの声を大事にしています。提供した食事に対して、患者さんのご意見をいただくこともあります。入院中の患者さんに対して、年2回程、メニューを変えたタイミングで1カ月間アンケートをおこなっています。お品書きの裏にメッセージを書いてくださる方もいらっしゃいます。

患者さんによりご満足いただけるように、料理の追求は欠かしません。患者さんからのご意見は、スタッフとも共有していて、モチベーションアップに繋がりますし、ときには女性の立場からの意見をスタッフで検討することもあります。そして、患者さんからいただいたご意見をもとに、味付けはもちろん、一口で食べられる、手を汚さないように食べられるメニューなど、できるだけ対応していくようにしています」

最後に、唐澤さんと加藤さんからこれから来院される患者さんに対してメッセージをいただきました。

唐澤さん「患者さんから『おいしかった』とか、『このようなメニューは家では食べられない』など、お褒めの言葉をいただいたときはとてもうれしいです。スタッフ一同、今後とも精進していきますので、入院中は千葉愛友会記念病院の産院ごはんをぜひ楽しんでください」

加藤さん「大変なお産を終えた後は、日常生活を忘れていただき、食事を通じて束の間の入院生活を楽しんでいただきたいと思っています。これからも患者さんに満足していただけるような料理の追求と、おもてなしの心を徹底していきますので、ぜひ千葉愛友会記念病院に足を運んでいただけたらと思います」

今回のインタビューでは、大変なお産が終わった患者さんに、おもてなしの心を徹底したいというお二人の想いがとても伝わってきました。

ベビーカレンダー編集部


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