塩塚産婦人科(神奈川県厚木市)産院ごはん
食材は、コストよりおいしさ重視
「塩塚院長の方針でもありますが、食材は価格を気にせず、とにかくおいしいものを使うようにしています。また、患者さんが入院された際に必ず召し上がっていただけるようにと、4日に一度はステーキを提供していて、患者さんにご好評をいただいています。
ふだん提供しているお食事のメニューは20パターンありますが、季節感も大事にしたいと考えているので、時期にあわせて季節のものを取り入れるようにしています。少し前になりますが、クリスマスにはローストチキンやピラフを、節分には太巻きを提供しました。
メニューを聞くと豪華なお食事というイメージを持たれるかもしれませんが、だしをしっかり効かせることで、塩分は控えめになるように心がけています。盛り付けも、飾り切りなど、華やかに見えるように切り方を工夫して、見た目でも楽しめるようにしています」
食材の仕入れは地元の市場や八百屋さんで
「塩塚産婦人科は、患者さんとの距離が近いアットホームな雰囲気の産院です。ですので、お食事に関しては、“ちょっと豪華な”家庭料理で、患者さんのご出産をお祝いできればと思っておつくりしています。
塩塚産婦人科の近くに厚木魚市場があるのですが、食材は国産のものを中心に、おもに魚市場や地元の八百屋さんで仕入れています。地元の八百屋さんに食材を仕入れに行ったときに『今はこれがおいしいよ』と旬の食材を教えてもらい、メニューづくりのきっかけになることもあります。
人気のメニューは、ステーキやエビフライ、エビチリなどですね。エビチリには天ぷら用の大ぶりの海老を使用しているので、患者さんに評判です。厚木市の名物である、『とん漬け』もメニューに入っています」
患者さんの好みにも、食材変更をして精一杯応えます
「アレルギーはもちろん、好き嫌いなども患者さんから入院直後にお聞きしているので、患者さん一人ひとりに対応した食材を使ってお食事を提供しています。野菜全般がダメ、お米がダメという方など、メニューに困ることもありましたが、患者さんのご要望には全力で対応しています。
患者さんから『好みに合わせてくれてうれしかった』と言われると、がんばってよかったと思いますね。ほかにも、こまめに残食調査をして、メニューを見直し、新しいものや季節ものをどんどん取り入れるようにしています。患者さんが退院される際のアンケートの項目には、食事についてのご意見を書いていただく欄もあるので、メニューや調理法の参考にさせていただいています」
塩塚産婦人科で働き始めて11年目と、調理スタッフの中でいちばん長く働かれている金澤さん。患者さんに提供する品数も多く、最初は手際よく調理できなくて大変だったそうですが、経験を積まれ、約1年前からメニュー決めも担当されているそうです。
今年で6年目となる髙橋さんは、前職では栄養事務のお仕事をされていたとのこと。塩塚産婦人科では、栄養士として大好きな料理をつくれることに楽しさを感じていると話されていました。
金澤さん「今までは食材にこだわって豪華さというところに重点を置いていましたが、これからは母乳の出がよくなるという点も意識して、より患者さんにとってやさしいお食事を提供できるようにがんばっていきたいです。そして入院される患者さんが、お食事も楽しみにしてくださるとうれしいですね」
髙橋さん「患者さんにおいしいものを提供できるよう努力しているので、やはり『おいしかった』と言っていただけるとうれしいです。『ごはんがおいしかったから、次も塩塚産婦人科でお産したい!』と、入院中のお食事が産院を選ぶ理由のひとつになれるようがんばっていきたいです」