【助産師監修】赤ちゃんの授乳はいつまで? 授乳を終える時期と終える方法

この記事の監修者
監修者プロファイル

助産師松田玲子

医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。

授乳いつまで イメージ

 

赤ちゃんが生まれてから毎日、おこなっている授乳。しかし、いずれは終える時期を迎えます。ではどのくらいの期間、授乳をおこなうのでしょうか? 授乳を終える方法には断乳と卒乳がありますが、違いがわからないという方も多いかと思います。ここでは赤ちゃんが授乳を終える時期や方法について解説します。

 

 

断乳と卒乳について

断乳と卒乳は、授乳をやめるきっかけとして「誰がやめるのか」という点に違いがあります。断乳は、ママの意思で授乳をやめることを言います。卒乳は、赤ちゃんがおっぱいを飲むのをやめることです。最近では、ママの意思で授乳をやめることも含めて「卒乳」と言われることも多々あり、この場合、赤ちゃんが自然とおっぱいを飲まなくなることを「自然卒乳」と言って区別しています。

 

どうやって断乳する?

WHOでは、赤ちゃんが生後6カ月までは母乳のみ与える完全母乳育児をおこなうこと、そしてその後も2歳まで適切な食事を補いながらも母乳を続けることを推奨しています。

 

さまざまな事情によって断乳が必要になることもありますが、”この日”と決めていきなり断乳するのは、赤ちゃんにとっても精神的ダメージか大きくなりますし、乳房トラブルも起こしやすくなるため、よほどの理由がない限りはおすすめしません。

 

一方、赤ちゃんの様子を見ながら徐々に授乳回数を減らしていく方法は赤ちゃんにもママにも負担が少ないですが、授乳回数が減らず、なかなか計画通りに進まない場合は焦りが生じてしまうかもしれません。授乳回数を減らすときには、赤ちゃんが求めるときだけ授乳する、ママが授乳する場所にいると赤ちゃんも授乳の時間だと思ってしまうのでいつも授乳する場所にいないようにするなどの工夫をしてみましょう。

 

さらに断乳の際にはパパや周りの人の協力も必要です。赤ちゃんのおっぱいへの意識をそらすように、赤ちゃんに食事を食べさせたり、お風呂に入れた入りするのはママ以外の人に協力してもらうのもよいかもしれません。
 

 

授乳を終えるのはだいたいいつごろが多い?

2007年に社団法人全国私立保育園連盟が1~3歳児の両親を対象におこなった「乳幼児の育児と生活に関する実態調査」によると、1歳児では56.7%、2歳児では87.0%、3歳児では93.6%が卒乳していると回答しました。

 

これまでは1歳前後に断乳するという指導方針が大多数でしたが、WHOの考えを受け、1歳前後の断乳にこだわらない指導法が多くなっていることもこの調査結果からうかがえます。
 

参考:独立行政法人福祉医療機構:平成19年度子育て支援基金助成事業「乳幼児の育児と生活に関する実態調査」

 

 

長期間授乳し続けることはいけないこと?

授乳をすることは赤ちゃんに必要な栄養を与えるだけでなく、赤ちゃんに満足感や安心感を与え、ママと赤ちゃんとの心理的なつながりを深めるのにとても役立ちます。ママにとっても、赤ちゃんにとってもおっぱいを飲むことが楽しめているなら、授乳を無理に終える必要はないでしょう。

 

その一方で断乳を考えているママ達にはさまざまな理由があります。しかし、これらの理由のなかには母乳育児を続けることが可能なものもあります。たとえば、「授乳期間が長いと虫歯になりやすくなる」ということを聞いたことがある人もいるかもしれません。しかし、これは授乳が問題なのではなく、授乳に加えて離乳食を食べるようになることでショ糖を摂取する機会が増え、虫歯になりやすいからなのです。ですので、離乳食が始まったら、赤ちゃんのお口のケアをしっかりおこなうことをこころがけましょう。

 

そのほか周りの人から「まだ母乳を飲ませてるの?」と言われたり、寝かしつけの手段が授乳になってしまいやめるタイミングがわからない、授乳の時間をとられるなど、長期間授乳をすることがデメリットに感じてしまうこともあります。ママにとって授乳がストレスとなってしまう場合は、断乳も考慮する必要があるかもしれません。

 

 

まとめ

WHOによると、2歳までは母乳を与えたほうがよいとされています。ママにとっても、赤ちゃんにとってもおっぱいを飲むことが楽しめているなら、授乳を無理に終える必要はないでしょう。しかし母乳の分泌状況や離乳食の進み具合、家庭の状況などによって、授乳の期間はさまざまです。断乳の際は赤ちゃんにもママにもストレスの少ない方法を選択できるとよいですね。

 

 参考:
・日本WHO協会:「母乳育児に関する報告書」
・独立行政法人福祉医療機構:平成19年度子育て支援基金助成事業「乳幼児の育児と生活に関する実態調査」
・NPO法人日本ラクテーション・コンサルタント協会 母乳育児支援スタンダード

 

 

 

◆母乳育児に関するQ&A

 

 

◆授乳の体験談

最初の授乳は出産直後に助産師さんが吸わせてくれました。小さくて必死な姿が本当にかわいかったです! それからは母子同室で吸わせかたがわからず助産師さんに何度も手伝ってもらい授乳しましたが、体重を測ると2gしか増えておらず、育児用ミルクを足すよう指導され、夜中泣きました。それからは軌道に乗って完母でトラブルなく過ごせています! 助産師さんと頑張って吸ってくれたかわいい息子にに感謝です!

たいがママ さん

現在、2人目授乳中です。正直、上の子の初授乳は覚えていません。そして今回は生まれてまもなく、分娩台の上での初めて授乳しました。それまでずっと自分の指をチュパチュパ吸っていたので、助産師さんにお願いしておっぱいを吸わせてみました。誰からも教わってないはずなのに夢中でおっぱいを吸うわが子に妙に感心したのを覚えています。

きょん×2 さん

1人目の最初の授乳からだいぶ経つのですが、感激した感覚をまだ覚えています。私自身も可能であれば母乳で育てたいと思っていたので、病院選びの際に母乳育児に力を入れているということもポイントの1つとしていました。


私は産後入院中はずっとろくに母乳が出なくて、赤ちゃんも自分も授乳に慣れていないので体勢も定まらず、不自然な格好で授乳していました。産後の疲れた体でヘトヘトでしたが、乳首を吸わせる刺激で出るようになるということで、入院中にスパルタ教育をしてもらいました。


生まれる前の授乳への意気込みが強かったため、このままずっと出なかったらどうしようと不安にも思いましたが、幸い、大きさの割によく出るようになってよかったです。

ぽぽ さん

産院で最初に授乳した際、口をパクパクするだけで、うまく吸いつけないことが多かったのですが、初めてじょうずに吸い付いてくれたときの“きゅい~ん”とした鈍い痛み、“お! 吸ってる、吸ってる!”と感じられた瞬間は、とてもうれしく、幸せな瞬間でした。

あっちママ さん

母乳は少し出ていたのですが、赤ちゃんがうまく飲めず、毎晩ナースセンターで助産師さんに指導されながら飲ませていました。うまく飲めない子は、搾乳してスプーンで飲ませるといいと言われました。哺乳瓶だと楽に飲めてしまうので、哺乳瓶に慣れるとおっぱいがじょうずに吸えないらしいんです。スプーンだと、舌の動きが練習になるらしくて、授乳の後は必ずスプーンで飲ませていました。


3日目くらいからおっぱいがパンパンに張ってくるのに赤ちゃんは飲んでくれず、退院までに赤ちゃんの体重がすごく減って落ち込みました。その後も1カ月頑張って、ようやく出産時の体重に戻り、赤ちゃんもじょうずに飲んでくれるようになりました。最初の1カ月を乗り切れば、大丈夫! でも2人目のとき、「きっと2人目だから大丈夫さ」と思っていたら、まったく同じ状況になり、これまた1カ月必死に頑張り、2人とも無事に母乳だけで育てました。

すなふきん さん

産んですぐ分娩室で初乳をしました。初めてでなんだか変な感じがしました。赤ちゃんが一生懸命飲んでくれている姿を見て、すごくかわいいと思いました。しかし、授乳というものが今後痛かったり、つらかったりしていきましたが……。日々助産師さんにみてもらいながら頑張りました。2カ月くらいしてようやくペースがつかめてきました。それまでは、不安になったり心配になったりすることが多かったです。

そばかす さん

今思い出すのもつらいですが、産後、おっぱいが出なくて、本当に悩みました。乳首が裂けて、飛び上がるほどの痛さでした。おっぱいが出ない自分に悲しくなって、夜泣きました。それからマッサージに通って、2カ月ごろには別人のように出るようになりました。


あとから友だちに聞いてみると、おっぱいが出なくて悩んでいた人がけっこう多かったです。自分だけじゃないってわかっていればあんなに悩まなくてよかったのになー。

ペペロン さん

 

 

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