【助産師監修】赤ちゃんの抱っこのコツを動画で解説
赤ちゃんの抱っこには横抱き、縦抱き、脇抱きなどいろいろな抱き方があります。今回は、抱っこの効果、抱っこの種類やコツ、注意点などをご紹介します。
- 【目次】
- ・抱っこの効果
- ・抱っこにはどんな種類がある?(動画)
- ・抱き方の注意点
- ・抱っこのコツ
- ・まとめ
- ・抱っこに関連するQ&A
抱っこの効果
抱っこは、赤ちゃんとのスキンシップの一つです。赤ちゃんは、抱っこをされることで愛情を感じ取り、ママやパパの心臓の音を聞くことで安心すると言われています。
抱っこばかりしていると抱き癖がつくといわれることもありますが、最近は抱っこを我慢させるよりも抱っこをして安心させてあげたほうが良いとされています。
抱っこにはどんな種類がある?(動画)
■普段の抱っこ
おすすめの抱っこは「浮き輪抱っこ」と「コアラ抱っこ」の2種類があります。
〇浮き輪抱っこ(横抱き)
横向きに抱っこをする場合、股の間に手を入れて抱くことで体がねじれてしまい歪みますので、首すわり前から浮き輪抱っこをおすすめしています。
このときに足をあぐらや足の裏どうしを合わせるようにしてもらうことで脱臼予防になります。
首すわり前から横抱きをする場合も、しっかりと抱っこする人の胸に体をつけてあげることが赤ちゃんにとっては安心感につながります。
【動画で解説抱っこの方法(浮き輪抱っこ)】
1.赤ちゃんを横向きに抱えたら、頭がママの肩くらいの位置に来るように腕で支えます。
2.ママの両腕で浮き輪を作り、その中に赤ちゃんの腰からおしりにかけてがはまるようにします。
3.赤ちゃんの足をクロスさせて、背中がゆるやかにカーブする様な体勢にしてあげると落ち着きますよ! 足をクロスさせることで脱臼予防にもなります。
〇コアラ抱っこ(横抱き)
縦抱きのときにはコアラ抱っこをしていただき、赤ちゃんの首のところをしっかりと支える形でいいと思います。腰からおしりにかけて丸くなるように抱っこをしてもらうことで、縦抱きでも骨盤への負担が軽減できます。
【動画で解説抱っこの方法(コアラ抱っこ)】
1.寝ている赤ちゃんを迎えにいくように身体を近づけて抱き寄せます。
2.赤ちゃんのおしりが、ママのおへそよりも高い位置に来るようにします。
3.赤ちゃんのおしりから太ももにかけてを撫で上げるようにしながら、赤ちゃんのお膝がおしりよりも高い位置にくる形で両足をM字に開きます。足がM字になっていると、自然と腰からおしりのあたりにカーブが出来て、ママの胸のところに持たれかかるような体勢になり、反り返りにくくなります。
4. 赤ちゃんのおしりの下に腕を入れ、肘から手首の広い面積で赤ちゃんのおしりを支えます。このとき、手のひらを下に向けると手首に負担がかからなくなります。
■授乳中の抱っこ
授乳中の抱っこの種類はいくつかありますが、まずは授乳中の抱っこの基本姿勢を覚えておくことでそれぞれの抱っこをする際に上手にできると思います。
【授乳時の基本姿勢】
1.授乳クッションやタオルで高さを調節しながら、ママと赤ちゃんのお腹同士がくっつくようにしましょう。
2.おっぱいとお口の高さを合わせましょう。
3.おっぱいにあごとほっぺがくっつくほど密着します。このとき、ママの姿勢が前かがみにならないように気をつけましょう。
4.赤ちゃんの耳と肩と腰のラインにねじれがないか確認してあげましょう。
・横抱き(普通抱き、ゆりかご抱き)
赤ちゃんをママの胸の高さで抱っこし、赤ちゃんとママのおなかを向かい合わせて密着させます。赤ちゃんの頭はママの肘や前腕のあたりに置き、その手で赤ちゃんのおしりか太ももを支えます。
・交差横抱き(交差ゆりかご抱き)
飲ませる側のおっぱいと反対側の手のひらと腕で赤ちゃんの肩と背中を支え、指は赤ちゃんの耳の後ろに添えます。
次に飲ませるおっぱい側の手でおっぱいを支えます。うまく吸いついたら、おっぱいを支える手を外し、赤ちゃんを抱っこして横抱きにさせることができます。
・脇抱き(クラッチ抱き、フットボール抱き)
赤ちゃんの体をママの脇で支え、赤ちゃんの足がママの背中に来るようにします。
ママの手のひらと腕で赤ちゃんの肩と背中を支え、指は赤ちゃんの耳の後ろに添えて頭を支えます。
・縦抱き(またがり座り抱き)
赤ちゃんをママの太ももにまたがって座らせ、赤ちゃんの口が乳首の高さにくるようにします。
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抱き方の注意点
新生児期から生後3カ月ごろまでは首がすわっていないため、赤ちゃんの首をしっかりと支えてあげましょう。
首がすわってからは、ある程度安定した抱っこができるようになりますが、赤ちゃんも成長して動くようになります。予想外の動きをして、急に動くことがあるので、腕や手でしっかり支えるようにしましょう。
赤ちゃんが泣き止まないときや寝かしつけの際に抱っこをしながらゆらゆらすることもあるでしょう。新生児~生後6カ月未満の赤ちゃんに対する激しい揺さぶりは”揺さぶられ症候群(揺さぶられっ子症候群)”となることもあり、場合によっては死亡するケースもあるので注意が必要です。赤ちゃんが泣き止まなかったり、寝ないからといって激しく揺さぶることはせず、歌を歌ったりおもちゃであやすなど、いろいろな方法を試してみましょう。
抱っこのコツ
抱っこをしていると肩が凝ってしまうという方もいると思います。コツをつかめば、身体への負担を軽減できますので、そのコツを紹介します。
・腰への負担を抑えるために、赤ちゃんに体を寄せてから高い位置で抱き上げる
・赤ちゃんのおでこにキスができるくらいの高さに抱っこをする
・抱っこをする人のおへそのあたりに赤ちゃんのおしりが来るようにする
・赤ちゃんの腰からおしりにかけて丸くなり、Cカーブになると抱っこをしている人に自然と寄り添うような形になる
・足をM字に開かせることで赤ちゃんの方からしがみついてくれる
これらのコツを抑えていると手首への負担が少なくなり、腱鞘炎の予防や、赤ちゃんが楽だと感じる体勢になることで、反り返りなども防げます。
まとめ
抱っこは、赤ちゃんとのスキンシップの一つです。赤ちゃんは、抱っこをされることで愛情を感じ取り、安心することができると言われています。赤ちゃんの抱っこの方法はさまざまですが、いずれの方法も赤ちゃんをしっかりと支えてあげることが大切です。
抱っこひもでの抱っこでも1、2時間ほどで抱っこひもから下ろしてあげて、体を解放してあげられるようにしてあげてください。また、抱っこをしても赤ちゃんが泣き止まなかったり、寝ないからといって激しく揺さぶることはせず、歌を歌うなどいろいろな方法であやすようにしましょう。
長時間、抱っこするのはママやパパに体に負担を与える可能性があるので、抱っこひもなどをうまく活用することをおすすめします。