【医師監修】小児科医の先生に聞く「室内での遊ばせ方」
室内遊びに関するアンケートの中で特に多かった質問を、葛飾赤十字産院院長三石先生にお伺いしました。また、小児科学会で報告されたテレビとビデオの見せ過ぎによる子どもへの発語影響についての調査結果も!
三石先生教えてください!
Question:おとなしくひとりで遊んでいるとき、どのぐらいの時間、遊ばせてもいいですか?
ひとりでおとなしく遊んでいるとき、手を出さず、そばで見ていることがあります。でも1時間くらいひとりで遊んでいるときもあって、「さすがに放っておき過ぎかも」と思ってしまうのですが、ひとり遊びを見守るとき、子どもが飽きるまで長い時間でも放っておいていいのでしょうか?(その他同様の意見が多数寄せられました)
Answer:
子どもの集中力の中で「正常な集中」と、「病的な集中」の2通りあります。例えば、子どもが絵を書いている場合は自分なりの世界のを描いていたり、電車遊びをしている場合は、線路を作ったり、踏切を作ったりなど、その子なりの世界でバリエーションを楽しみながら遊んでいる場合なら、ひとりで遊んでいる時間が長くても、お母さんがそばについて見守ってあげれば心配ないでしょう。ただ、注意したいのは、同じ動作を延々繰り返すなど、ひとつの動作に固執している場合は注意が必要です。あまり、神経質になる必要はないですが、お母さんがそばで見ていて、明らかに異常だなと思わなければそんなに心配する必要はありません。いずれにしても「ひとりで遊んでいるから」と、子どもを放っておくのではなく、必ずそばでお母さんが見守ってあげて声を掛けてあげることが重要です。
Question:テレビ、ビデオは何時間くらい見せてもいいのですか?
家事をしなければいけないときなど手が離せない場合は、どうしてもテレビやビデオを見せっぱなしになります。見せ過ぎは良くないと聞くのですが、何時間ぐらいが限度でしょうか。(その他、子どもがビデオなら機嫌よく何時間でも見ているなど、同様の意見が多数寄せられました)
Answer
メディア(テレビ、ビデオ、ラジオ等)の見せ過ぎは子どもの脳と言語発達に影響を及ぼすと、小児科学会では警告しています。テレビ、ビデオ等のメディアは一方向に情報を与えるだけで、それに対する反応を子どもがしてもテレビが個別に返すことはありません。ビデオの視聴では、反復して同じところを何回も何回も見ているうちに自閉的(※1)な傾向が出てくる場合があります。しかしその子は本当の自閉症ではなく、テレビやビデオを見る習慣をやめて正しい刺激を与えれば、正常に発達するのです。(※1 自閉症の特徴で言葉の遅れが出てくる。独特の固執、ある動作の繰り返し。)