テレビ・ビデオの長時間視聴による子どもへの影響

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日本小児科学会誌より、テレビやビデオの長時間視聴による子どもへの影響

1歳6カ月児健診対象児1057名の養育者(回収率73.4%)に、アンケート調査をおこなった結果、2時間以上テレビを見ている子どもには、言葉の遅れている子の頻度が高いということがわかりました。言葉が遅れている子どもの割合は全体で4.3%(45/1036例)で、テレビ・ビデオ視聴が2時間未満で2.1%、2~4時間で4.6%、4時間以上で9.6%と、視聴時間が長くなるほどに増えていました。また言葉が遅れている子とそうでない子とを比べると、2時間を境に視聴時間に差があり、言葉が遅れている子は少なくとも2時間以上テレビ・ビデオ視聴をしていました。


この結果のみで、子どもの脳の発達にどれほどテレビ視聴が影響を与えるのかということまでは、知ることができません。しかし、子どもは、子ども自身のさまざまな体験や周囲にいる人との直接的な関わりのなかで成長発達していくもので、少なくともひとりで長時間テレビを見ることはそのような体験の機会を少なくさせてしまうということは言えると思います。情報化社会のなかでテレビとの関わりなしに生活することは難しいと思いますが、テレビを見る際には、お父さん、お母さんが必ず隣で話しかけたり、一緒に歌ったりするなど関わりのある視聴を心がけましょう。

 

参考文献:テレビ・ビデオの長時間視聴が幼児の言語発達に及ぼす影響
日本小児科学会雑誌 108巻11号

 

運動不足や肥満などの悪影響も

米国の小児科診療について書かれた書籍『Pearls from a Pediatric Practice』によると、テレビの長時間視聴による子どもへの影響は、運動不足、肥満、筋肉量が減る、人との関わりが減るとしています。アメリカ小児科学会ではテレビの視聴時間は1日1~2時間を推奨しています。

また、テレビをベビーシッター代わりに使うことの悪影響も指摘しています。ただ、テレビよりもゲームほうが悪影響を来しやすいとしています。

 

参考文献:Pearls from a Pediatric Practice

 

『新しいタイプの言葉の遅れ』をご存じですか?

『新しいタイプの言葉の遅れ』聞きなれない言葉ですが、これはどういうことかというと、運動機能の発達は年齢相応にありながら、言語や社会性の発達が遅れ、母親との密接な関係作りに失敗し、人見知りの行動もない。と、いうものです。川崎医科大学小児科 片岡先生は、一方通行のメディアが関与した『新しいタイプの言葉の遅れ』の子どもが増えていると指摘されています。

 

参考文献:新しいタイプの言葉遅れの子どもたち
-長時間のテレビ・ビデオ視聴の影響-
日本小児科学会雑誌 106巻10号

 

 

監修者

医師 松井 潔 先生

小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長


愛媛大学医学部卒業。神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント、国立精神・神経センター小児神経科レジデント、神奈川県立こども医療センター周産期医療部・新生児科等を経て現在、同総合診療科部長。小児科専門医、小児神経専門医、新生児専門医。


経歴

1986年 愛媛大学医学部卒業

1986-1988年 神奈川県立こども医療センタージュニアレジデント

1988-1990年 同神経内科非常勤

1990-1992年 国立精神・神経センター小児神経科レジデント

1992-2005年 神奈川県立こども医療センター新生児科 医長

2005年− 同総合診療科 部長

 

■専門領域

小児科

小児神経

新生児

 

■所属学会・委員等

日本小児科学会

日本小児神経学会

日本周産期新生児医学会

日本てんかん学


2015/06/30

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