【助産師監修】妊娠検査薬の買い方・選び方
妊娠しているかどうか確認したいとき、病院へ行く前に妊娠検査薬を使いたいと考えている人も多いでしょう。一般的に知られるようになってきた妊娠検査薬ですが、使い方がよくわからないという人も少なくありません。ここでは、妊娠検査薬をいつ使ったらいいのか、どのように使えばいいのか、妊娠しているかどうかの判断はどのようにするのかなどについて解説します。
- 【目次】
- ・妊娠検査薬の買い方・選び方
- ・妊娠検査薬の使い方
- ・妊娠検査薬の結果の見方
- ・日本製の妊娠検査薬の紹介
- ・まとめ
妊娠検査薬の買い方・選び方
医薬品は、
・薬局医薬品
・薬局製造販売医薬品
・要指導医薬品
・一般用医薬品
に分類されます。さらに一般用医薬品は、
・第一類医薬品
・第二類医薬品
・第三類医薬品
に分類されています。
現在市販されている一般用医薬品のうち、大半が第二類医薬品です。一般的な妊娠検査薬も一般用医薬品のうちの第二類医薬品に分類されており、ドラッグストアなどで市販されています。ですので一般的な妊娠検査薬を購入する際は、病院やクリニックで処方せんを書いてもらったり、申請や届出のような手続きは一切必要ありません。いつでも個人が自分の判断で購入できる薬です。
一般的な妊娠検査薬は、ある程度の規模があるドラッグストアであれば置いてあるところが多いので、手に入りやすくなっています。ドラッグストアにもよりますが、主に生理用品売場や基礎体温計を扱っている売場などに置かれていることが多いようです。
また、インターネット通販などでも購入可能です。価格は1本1,000円前後となっていますが、取り扱っている店舗によって価格に差が生じている商品もあるようです。
一方、早期妊娠検査薬は、薬局医薬品(処方せん医薬品以外の医療用医薬品)に分類されます。薬局で販売されていますが、店頭には置かれておらず、調剤室などに保管されています。
また、購入する際には、薬剤師が購入者に対し、薬の効能・効果、使用上の注意、副作用などについて説明しなければならないという説明義務が課されています。したがって、薬剤師が不在の場合は早期妊娠検査薬を購入することはできません。購入する際は必ず薬剤師に相談しましょう。
早期妊娠検査薬(妊娠診断補助試薬)を購入できる最寄りの薬局・ドラッグストアを知りたい場合はこちらをご確認ください。
2018年10月現在、日本製の早期妊娠検査薬は1種類しか販売されておらず、価格も一般的な妊娠検査薬より高めとなっています。海外の早期妊娠検査薬のなかには、比較的安価なものもあり、通販サイトなどで購入できるものもあります。しかし、精度が低い商品や日本では認可されていない商品を取り扱っている業者もあるため、購入の際には日本語の取り扱い説明書があるか確認し、品質・使用期限などきちんと理解したうえで購入・使用することをおすすめします。
【Point】
・妊娠検査薬は一般用医薬品のうちの第二類医薬品に分類されるので、病院からの処方せんは不要。ドラッグストアやインターネット通販でも購入が可能
・早期妊娠検査薬(妊娠診断補助試薬)は薬局医薬品(処方せん医薬品以外の医療用医薬品)に分類されるので、調剤室などがなく薬剤師が不在の店舗では早期妊娠検査薬を購入することはできない(インターネット通販での購入はできない)
妊娠検査薬の使い方
妊娠検査薬の使い方は、とても簡単です。取り扱い説明書が入っているので、まずしっかり読みましょう。取り扱い説明書に書いてある検査の手順に従って検査をおこないます。
妊娠検査薬はスティックのような形をしているものが一般的です。このスティックの一方のキャップが外れるようになっているので、キャップを外して直接尿をかけます。スティックに直接尿をかけるのではなく、紙コップに尿を採り、スティックを浸してもかまいません。「終了」という窓があって、尿を正しくかけ終わるとマークが出るタイプのものもあります。尿をかけ終わったら再びキャップをし、平らなところにしばらく置いて反応が出てくるのを待ちます。
海外製の早期妊娠検査薬には紙タイプのものもありますが、日本製の早期妊娠検査薬は、一般的な妊娠検査薬と同じスティックタイプです。早期妊娠検査薬も尿をかけて一定時間置き、反応を待つという手順は一般的な妊娠検査薬と変わりません。判定が出る時間もほぼ同じです。
妊娠検査薬を使う時の注意点
妊娠検査薬を使用する際には、検査の手順・時期を守ることが大切ですがその他にも注意することがあります。
1)妊娠検査薬の使用期限を守りましょう
妊娠検査薬を使用する際は、使用期限内のものを使用するようにしましょう。また、開封して時間が経過したものを使用すると、正しい結果を得ることができません。検査直前に開封し、使用するようにしましょう。未使用の妊娠検査薬の保管は、取り扱い説明書の内容に従いましょう。
2)濡れた手で取り扱わないようにしましょう
濡れた手で妊娠検査薬を取り扱うと、試薬が濡れてしまうと的確に判別できない可能性があります。
3)採尿時は清潔な紙コップを使用しましょう
妊娠検査薬に直接尿をかけて検査する方もいれば、紙コップに尿を採ってから検査をする方もいらっしゃるでしょう。紙コップにを使用する際は清潔で乾いたものを使用するようにしましょう。
そして、尿のにごりがひどかったり異物や血液が混じっていたりする場合や時間が経った尿は使用しないようにしましょう。また、水分の摂りすぎによって正しい結果が得られない場合もあります。基本的に妊娠検査薬はどの時間帯の尿でも検査可能となっていますが、メーカーによっては水分摂取の影響が少ない早朝尿(朝起きて一番の尿)での検査をすすめているものもあります。
4)時間を守りましょう
妊娠検査薬に尿をかける(浸す時間)や尿をかけて(浸して)から結果が出るまでの時間はメーカーによってさまざまです。尿をかける(浸す)時間が正しくなければ、試薬にきちんと尿が吸収されず正しい結果が得られないことがあります。手元に時計やスマホなどを用意し、時間を測れるようにしてから検査をおこなうようにしましょう。
5)スティックの取り扱いに注意しましょう
妊娠検査薬に尿をかけた(浸した)後、振ったり先端を上に向けたりしないようにしましょう。尿が試薬に浸透するのを妨げてしまう可能性があります。また、検査結果が出るまで手に持って待つことは避け、必ず平らな場所に置くようにしましょう。
そして、使用後の妊娠検査薬はプラスチックごみとして住んでいる自治体の廃棄方法に従って処理しましょう。
妊娠検査薬の結果の見方
取り扱い説明書に書いてあるとおりに検査をおこなうと、何らかの反応が出ます。反応が出てくるのは、尿をかけたところの近くにある反応窓です。反応窓の仕組みはメーカーごとに違うので、事前に取り扱い説明書を読んで確認しておきましょう。しばらく待っていると、「判定」の窓のところに、「+」や「|」などのマークが出てきます。マークの出方はメーカーごとに異なり、マークの色も赤紫だったり、青だったりとさまざまです。陽性あるいは陰性の反応がはっきり出てくれば問題ありませんが、場合によっては、反応しない・線が薄い・蒸発線など、判定に困るケースも出てきます。ここでは、それぞれの結果の見方について解説します。
■陽性あるいは陰性
判定窓にマークが出てきたら「陽性」、出てこなかったら「陰性」という判定の検査薬もあります。終了線の隣に判定線が出るようになっているタイプのものでは、「|」の線が2本出てきたら「陽性」、1本しか出なかったら「陰性」という判定の検査薬もあります。判定の確認の仕方は、取り扱い説明書だけでなく、スティックの判定窓のところにも書いてあることがあります。判定を読み間違えないように、判定方法はしっかりチェックしましょう。
■終了線が出ない
終了線が出ていなければ、判定エラーです。この場合は、尿の量が少なかったなど、正しく検査ができなかった可能性が高くなります。このようなときは、新しい検査薬で再検査しましょう。
■線が出ているものの、色が薄い
どのメーカーの妊娠検査薬でも、完全に陰性の場合は線はまったく出ませんし、逆に陽性であれば濃くはっきりした線が出ます。線が薄いという場合は、hCGが尿中に出ているけれど50IU/L以下である可能性があります。つまり、まだ妊娠判定するには早いというケースかもしれません。この場合は、新たに検査薬を購入して再度検査してみるか、数日置いてから検査してみることをおすすめします。
■検査結果に直接影響がない線
まず、蒸発線と呼ばれるものが判定窓に出るケースがあります。これは、判定紙にしみ込んでいる試薬が検査過程で浮かび上がって見えるものです。非常に薄い線で、妊娠していることを示すものではありません。次に、検査途中で判定窓に横線が出ることがあります。これは尿が試薬にしみ込む際に生じるもので、判定には直接関係がないと考えましょう。取り扱い説明書に書いてある検査時間を過ぎたときに、横線が消えて判定窓が真っ白であれば陰性ですし、線が出れば陽性です。
妊娠検査薬の使い方を間違えていたり、検査をおこなう時期が早すぎたりすると、陰性と出てしまうケースもあります。妊娠しているかどうかを正確に知るためには、複数のメーカーの検査薬を使って調べたり、少し期間を置いてから再検査してみたりしたほうがよいでしょう。
日本製の妊娠検査薬の紹介
日本製の妊娠検査薬はいくつかあります。日本製のものは基本的に
1.生理開始予定日の1週間後から使用可能
2.尿をかけるだけ
3.どの時間の尿でもOK
4.判定まで1分
など、使用方法に大きな違いはみられませんが、尿をかける(浸す)時間、尿をかけてから判定までの時間、価格、有効期間などに若干の違いがみられます。
一般的な妊娠検査薬
■チェック ワン(株式会社アラクス)
※出典:製品情報 | 株式会社アラクス
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:3秒(5秒)
尿をかけてから判定までの時間:1分
希望小売価格: 1回用 1,080円(税込) 2回用 1,620円(税込)
保管方法・有効期間 :室温保管 30カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 チェック ワン
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■ドゥーテスト・hCG(ロート製薬)
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:約2秒(2秒以上。ただし5秒以上はつけない)
尿をかけてから判定までの時間:約1分
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用1,296円(税込)
保管方法・有効期間:室温保管 22カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 ドゥーテスト・hCG
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■クリアブルー(オムロンヘルスケア)
※出典:妊娠検査薬 クリアブルー|妊娠検査薬|商品情報 | オムロン ヘルスケア
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒 (20秒)
尿をかけてから判定までの時間:10秒以内
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用 1,296円(税込)
保管方法・有効期間:常温保存 36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 クリアブルー
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
【関連リンク】
■P-チェック・S(ミズホメディー)
※出典:製品の特長 | 妊娠検査薬 P-チェック・S/S-チェッカー | 株式会社ミズホメディー
【商品解説】
尿をかける(浸す)時間:5秒以上(10秒間)
尿をかけてから判定までの時間:1~3分
希望小売価格:1回用 864円(税込) 2回用 1,296円(税込)
保管方法・有効期間:常温保存 36カ月
製品公式サイト:妊娠検査薬 P-チェック・S
製品詳細情報:添付文書(PDF形式)
まとめ
妊娠検査薬は簡単でありながらも高い精度で妊娠しているかどうかを調べることができるキットです。使い方もとてもシンプルになっており、初めて妊娠検査薬を使う人でも自宅で簡単に検査できるようになっています。
妊娠検査薬では、陽性・陰性という判断方法で、比較的早い時期に妊娠しているかどうかを調べることが可能です。ただし検査に適した時期に正しい使用方法で検査することが重要で、陽性反応が出た場合には、正常妊娠であることを確定してもらうためにも、早めに産婦人科を受診するようにしましょう。
参考:
・医薬品管理センター/妊娠検査薬による自己検査<http://www.toyaku.or.jp/center04/ninshin/index.html>
・一般用医薬品のリスク区分 - 厚生労働省<https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000050568.pdf>
・よくあるご質問 | 妊娠検査薬 | 株式会社ミズホメディー <https://www.mizuho-m.co.jp/pregnancy/pregnancy_faq.html>
・妊娠検査薬 | ロート製薬: 商品情報サイト<https://jp.rohto.com/dotest/products/hcg/>
・妊娠検査薬 アラクス・チェックワン<http://www.arax.co.jp/checkone/>
・妊娠検査薬 クリアブルー|妊娠検査薬|商品情報 | オムロン ヘルスケア<https://www.healthcare.omron.co.jp/product/etc/cb/clearblue.html>
・日産婦誌59巻6号研修コーナー「日産婦誌59巻6号研修コーナー」<http://www.jsog.or.jp/PDF/59/5906-152.pdf>
【関連リンク】