息子を亡くし抜け殻だった日々
夫とは22歳のときに結婚し、すぐに男の子を授かりました。
しかし7年前、当時6歳だった息子は交通事故に遭い、亡くなってしまったのです。
当時の私は、やり場のない怒りと悲しみで、抜け殻のような毎日を送っていました。
それでも、明るく前向きに生きようと努力していましたが、息子のことを思うと、再び子どもをもつ気にはなれずにいました。
そんなある日、警察から1本の電話が……。
いないはずの息子が万引き…!?
警察の人からの電話で「あなたの息子が万引きをした!」と言われ、「え?」と戸惑う私。「私に息子はいませんが……」と否定するも、「そんなに怒らずに迎えに来てあげてください」と言われます。
「そもそも、なんでウチの電話番号を……?」と、不思議に思って警察に向かうことに。
そこには、見知らぬ中学生がいました。
「あなたは誰?なぜ私の連絡先を知っているの?」と聞いてみると……。
「俺は、あなたの夫の息子です」
動揺を隠せない私。同時に夫の浮気が発覚してショックを受けます。
しかも、その男の子は亡くなった息子と同い年だったのです。
すると、男の子が「俺、母さんと父さんが許せなくて……」と、父への仕返しに協力することを提案してきたのでした。
男の子と夫への復讐を開始!
夫への反撃を決意した私は、普段通りの生活を装いながら証拠集めに奔走します。
そしてある日、「そろそろ子どもが欲しくない?」と夫にけしかけ、動揺する夫に「そうよねぇ、もういるものね」と言葉を続けます。
「ずっと浮気しているでしょう!?」
夫の前で証拠を広げ、問い詰める私。
そこへ呼び出された浮気相手も登場し、修羅場と化します。
10年以上も浮気しているくせに、「気の迷いだった」と言い訳する夫。
浮気相手は、負けじと夫に結婚を迫ります。
「無理!」と断固拒否する夫は、実は私の両親が経営する会社に勤めていたのです。
すべての真実が明るみになり、夫と私は離婚。
高額の慰謝料を払うことになった挙句、会社をクビになった夫は、すべてを失ってしまうのでした。
私は、男の子と今でも連絡を取り合っています。
亡き息子の面影を重ねながら、幸せに生きてほしいと願うのでした。
◇ ◇ ◇
真実を受け止める覚悟があれば、知りたくなかった……と思うような結末でも、強く前を向いて歩んでいけるものなのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。