こんにちは! 保育士の中田馨です。子どもに冷たい態度を取ってしまったり、大きな声を出して怒ったり、頭を叩いてしまったり……などなど、日々育児をしていく中で、思わず子どもにやってはいけない対応をしてしまった!とあとで落ち込んでしまうことってありませんか?
きっと、誰でもあるのではないかと思います。保育の専門家でもある私でも、わが子への対応には「ああ、失敗した!」と反省の日々です。
そこで今回は、できるだけ避けたい子どもへの対応のお話をします。
どうして思わず、“やってはいけない対応”をしてしまうのか?
本当は何度も言いたくないけれど(叱りたくないけれど)、子どもの態度を見ていると思わず“やってはいけない対応”をしてしまいます。どうして“やってはいけない対応”をしてしまうと思いますか? それは、親が子どもに「正しい行動をしてほしい」と思うからこそです。子どものことを思っているからこそなので、「正しい行動をしてほしい」と思うこと自体は決して悪いことではありません。なので、「思わずしてしまう、やってはいけない対応」を変えていければよいですよね。
私の場合、「思わずしてしまうやってはいけない対応」をしてしまいそうになる直前に、大きく息を吸い込みゆっくりと吐きます。つまり、深呼吸ですね。1回で足りない場合は2回、3回と繰り返します。そうすると“頭で考える暇”ができるので、「さて、どう対応しようか?」と考えられます。また、前回同じようなことが起きた場合は反省したときに、「次は、こう対応してみよう」と改善策を自分なりに考えていれば、深呼吸のあとの対応がしやすいものです。
やってはいけない対応をしてしまった!とあとで落ち込んだときは、落ち込むだけでなく次につながる改善策も考えてみるとよいですね。
では次からは、具体的な例を挙げてみましょう。
子どもに冷たい態度を取ってしまったとき
「子どもに冷たい態度を取ってしまった……」。子どもが何度も同じことを「なんで? なんで?」と聞いてきたり、サークル活動や習い事で、みんなの輪の中に入らずママにベッタリ……というときに冷たい態度をしてしまうことがあるかもしれませんね。
例えば、前者の場合、「なんで? なんで?」と聞かれることに疲れたのなら、「なんでだと思う?」と聞き返してみてください。まさか聞き返されるとは思っていないので子どももビックリ! そして、子どもなりにその答えを導き出すはずです。
また、後者の場合は「みんなの輪の中に入ること」が「正しい行動」と思うことをあきらめてみましょう。今、子どもができていることを探すことのほうが、気持ちがラクになります。
例えば、みんながリズム体操をしているときに、ママの膝に座って体を揺らしていたら「この子なりに楽しんでいるんだ!」と感じられれば心の余裕が生まれ、ママもきっとうれしくなるはずです。
大きな声を出して怒ってしまったとき
「大きな声で怒ってしまった……」。大きな声を出すことは、子育てをしていたらあります! 例えば危険なことをしたときや、お友だちを傷つけるようなことをしたときは、とっさに大きな声を出して止めなければいけません。ここでママが反省してしまうのは、その大きな声を出すときに「感情的になっているかどうか?」ではないかと思います。必要以上に感情的になって大きな声を出したからきっと反省してしまうのですよね?
例えば、「いい加減にしなさい!! あなたは本当に……」と言いかけたなら、最初にお話しした深呼吸を1回入れて、低い低い声を腹の底からゆっくり出して「〇〇ちゃん……」と言ってみてください(いわゆる“ドス”の利いた声です)。これは、かなり冷静に子どもを注意できますよ。
これができると、感情的に「怒る」ではなく、冷静に「叱る」ことができるはずです。一度お試しを!
子どもを叩いてしまったとき
「子どもを叩いてしまった……」。子どもがあまりに言うことを聞かないので、思わず叩いてしまった。叩かれた子どもが痛いのはもちろんのことですが、叩いてしまった親の手や心も痛くなってしまいますよね。それこそ本当に“思わず”手が出てしまったのだと思います。
もしも、子どもを叩いてしまったときには、そのままにせず必ずフォローを入れましょう。「ごめんなさい! 叩いてしまった」と言い、叩いたところをさすったり、抱きしめたりして謝ります。あとでフォローをすれば叩いていいものではないので、叩かず言葉で子どもに伝える方法を、親としても考えていきましょうね。
また、叩きそうになったら、意識的に子どもとの距離を取ってみましょう。「大きな声を出して怒ってしまったとき」にご紹介した「深呼吸を1回入れて、低い低い声を腹の底からゆっくり出して……」の方法も使えますよ!
子どもにやってはいけない対応をしてしまうことは「誰しもあること」です。完璧な親などどこにもいませんよ! なので、やってしまったことを後悔したあとは、「では次のときに、どうすればよいのか?」と前向きに考えていきましょうね!