娘の態度に諦めを感じ、拗ねる夫
何をするにも「ママがいい」と言う、わが家の2歳の娘。夫が抱っこしようとすれば首を振り拒絶し、ごはんを食べさせようとしても「ママがいいの!」と泣き出します。毎日の寝かしつけももちろん私の担当です。
「どうせママがいいんでしょ」と口ぐせのように繰り返す夫は、次第にイライラを隠さなくなり……。娘がママっ子であることを言い訳に、育児から距離を置くようになってしまいました。私がひとりで育児に追われていても、夫はソファに横たわりスマホを見ながら、「俺は嫌われてるから」と拗ねる始末です。
そんなある日、3歳の娘さんがいる友人家族と公園でピクニックをすることになりました。ベンチに腰掛けスマホを見る夫を横目に、友人の夫は自身の子どもと楽しそうに鬼ごっこやシャボン玉で遊んでいます。そんな楽しそうな雰囲気に娘も興味をもったのか、少しずつ初対面の友人の夫とその子どもに近づいていき、私もその姿を見守っていました。最初は緊張した面持ちの娘でしたが、すぐに2人と打ち解けたようで、笑い声をあげながら一緒に遊ぶように。さらには、友人の夫の膝の上に座ったり、抱きついたりするまでに仲良くなったのです。
笑顔ではしゃぐ娘と、「楽しいねー!」と話しかける友人の夫。そんな光景を、ベンチに座った夫は呆然とした様子で眺めています。そして、「俺もああいう風になりたかった……」とひと言。私は「だったら今からでも遅くないよ。娘はちゃんとパパのこと見ているから」とショックを受けている様子の夫の背中を押します。そして隣に座っていた友人も、状況を察してか「うちの娘、実はパパ大好きになったの最近なんだよ。ずーっとママっ子だったけど、夫は娘に嫌われるのだけは嫌だって言って、娘の好きなものを調べていっしょに遊んだり、娘の好き嫌いを克服するごはんを考えたりして意識的に関わりを作って、なんとか信頼を取り戻したみたい」と話しました。夫は「娘はママのほうがいいって決めつけていたのは、俺のほうだったのかも」と反省した様子。
その後、少しずつ育児をし始めた夫。今までは私に任せきりだったお風呂やごはんのお世話も、夫が率先して取り組むようになりました。夫の変化に、最初は娘も戸惑い「ママがいい!」と言うこともありましたが、諦めない夫の姿に、徐々に夫に心を開くように。ついには、夫と2人で散歩に行き、公園で遊べるようになりました。今では、娘をお風呂に誘うと、「パパがいい!」と言うことも。そんな娘の言葉に、夫はうれしそうに応えるのでした。
せっかく子どもの世話をしようとしたのに毎回のように「ママがいい」と言われれば、落ち込んでしまうのも当然です。しかし、「ママがいいって言っているから諦めよう」と拗ねていては状況が改善するはずはありません。今回友人家族を見て「どうしたらパパも信頼してもらえるのか」を考え、自身の言動を振り返ることができた夫には感心しました。これからも一緒に遊ぶ、ごはんを食べるなど、子どもと過ごす時間を大切にして、じっくりと子どもとの信頼関係を構築していこうと思った出来事です。
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「ママがいい!」と言ってパパを避けていた娘さんが、パパとも楽しく過ごせるようになって、本当によかったですね。パパが積極的に関わった結果であり、家族みんなで絆を深めるきっかけとなったことでしょう。
実は、小さなお子さんがパパに対して人見知りをする「パパ見知り」は、決して珍しいことではありません。赤ちゃんがママとパパを区別できるようになる生後5ヶ月ごろから見られるようになり、1歳を過ぎるころからその傾向が弱まると言われています。個人差もあるので、2歳でのパパ見知りもごく自然なことです。ママと過ごす時間が長く、日頃のふれあいが少ないパパに対して警戒心を抱いてしまうのが原因です。
しかし、今回のようにパパが諦めずに積極的に関わることで、少しずつ関係は変わっていきます。無理に距離を縮めたり、逆に距離を置いたりしようとせず、子どもの好きな遊びを一緒に楽しむこと、ごはんやお風呂など日常のお世話に関わることが、信頼関係を築く第一歩に。最初は拒否されても、関わり続けることで「パパでも安心」と思ってもらえるようになります。
育児に悩みながらも行動を見直し、娘さんに寄り添ったパパの姿勢はとても素敵でしたね。育児は悩みや壁もありますが、諦めずに向き合うことで親子の絆は確実に深まるのだと感じさせてくれる素敵なエピソードでした。これからも家族の時間を大切にしてくださいね。
著者:安藤沙奈/20代・ライター。2歳の娘を育てるママ。娘が生後7カ月のときに復職。夫は残業で帰宅時間が遅く、平日はほぼワンオペ。子どもを寝かしつけたあとに、自分へのご褒美で食べるスイーツが大好き。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年6月)
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