28歳のときに受けた会社の健康診断
それまでにも婦人科を訪れたことは何度かあったのですが、何か指摘されるということもなく、数年間婦人科に行くことはありませんでした。それが、28歳のときに新しい会社に就職し、会社の健康診断で数年ぶりに子宮頸がん検診を受けることに。
いつも通り何も異常はないだろうと高を括っていたのですが、今回はいつもと様子が違って……お医者様から「ちょっと下腹が膨れていますね。ご自身で今まで何も感じませんでしたか?」と質問をされました。
年齢を重ねれば自然と下腹が出てくるものだと思い、特に違和感を覚えることもなかったので、先生の言葉にとてもびっくりしてしまった私。さらに、「すぐに大きい病院で検査を受けてください」と言われ、頭が真っ白になってしまいました。
人生で初めての手術
地元で一番有名な大学病院に紹介状を書いてもらい、すぐに再検査をしてもらいました。そこで告げられた病名は「卵巣嚢腫(らんそうのうしゅ)」でした。
これは卵巣の中にできる腫瘍のことで、ほとんどが良性ですが稀に悪性のものがあるというお話でした。私の腫瘍は10cmとすでに大きく成長していたらしく、すぐに手術をしたほうがいいと言われました。
これまで生きてきて手術をしたことがなかったので不安でいっぱいでしたが、全身麻酔で記憶がないまま、手術はあっという間に終わっていました。
退院してからの生理の様子は?
腹腔鏡手術という傷跡も小さな手術でしたが、麻酔が切れると1、2日は痛みが続きなかなか歩くのもひと苦労でした。腫瘍は幸い良性で、卵巣を取らずに腫瘍部分だけ取り除いてもらえました。検診で見つけてもらえてよかったと安堵するとともに、定期的な婦人科検診の重要さを実感しました。
もともと生理痛はそんなに重いほうではありませんが、生理痛も緩和され、経血量もかなり少なくなりました。
まさか自分が病気にならないだろう。診察結果が怖いからあんまり病院に行きたくない。婦人科に行くのはなんだか恥ずかしい。という思いから、婦人科へはなかなか行きづらいと思っていました。
しかし、今回の経験から手遅れになる前に定期的に婦人科に行くようにしようと考えを改めました。もう二度としたくない大変な経験でしたが、このとき気付けたことを周囲の人たちにも伝え、何か異常があればすぐに病院に行くようにと話したいと思います。
著者/南 こころ
作画/ののぱ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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