妊娠34週で突然の早産
第2子は妊娠9カ月の早産児として生まれました。なんの前触れもなく出血とおなかの張りが起きて緊急入院し、出産。刻一刻と変化する状況に私は呆然としていました。やっと小さなわが子を腕に抱けたとき、安堵感から涙が止まりませんでした。
とはいえ、出生体重は保育器が必要とされる基準値をわずかに超える2,580g。正期産で生まれた第1子とはまったく違うか細い姿に、「もっと大きく産んであげられなくてごめんね」という思いがこみ上げ、ますます涙が止まりませんでした。
「あと少しだったのにね!」
出産翌日に義両親が産院までお見舞いに来てくれました。予想外に早かった孫の誕生に驚いてはいたものの、無事を喜んでくれていた義母が満面の笑みで「あと少しだったのにね!」と言ったのです。
私は最初「あと少しで臨月だったのにね」という意味だと思い、母親として1日でも長くおなかで育ててあげたかったという私の気持ちに寄り添ってくれた言葉だと捉えました。しかし会話を続けていくと、それは勘違いなことに気づかされたのです。
あと少しで臨月、という意味ではなく……
義母によると最近自分の友人のところにも孫が誕生し、その赤ちゃんの出生体重が2,500gを下回っていたということでした。幸い赤ちゃんの健康状態には問題がなかったものの、ママが入っていた保険から保険金が支払われたというのです。
つまり、義母が言いたかったのは「あと少し小さく産んでいればお金がもらえたのに」という意味だったのです。もちろん冗談だとわかっていても、赤ちゃんの出生体重という非常にセンシティブな話題を笑い話にするセンスには思わず耳を疑いました。
義母は陽気な性格で、このときも場の空気を和ませようと思い「小さく産んでしまった」と落ち込んでいた私を励まそうと言ったひと言なのだと理解しています。そうはいってもやはり産後すぐの母親にかける言葉として適切だとは思えないので、私自身は他人にこうした発言は慎もうと思っています。
著者:川木みさ/女性・自営業。7歳差の1男1女を子育て中。英検1級、児童英語指導者TEYL取得。海外サイトの翻訳や子育て体験談の執筆活動中。
作画:山口がたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています