地元の友人たちは既婚者ばかり
同窓会当日、会場には懐かしい顔ぶれが集まり、会話は自然と家庭や子育ての話題に移っていきました。「うちは2人目の子どもが生まれるんだ」「子どもが保育園に通い始めて」などと、幸せそうな話が飛び交い、和やかな雰囲気が漂っていました。
友人たちの会話に喜ばしい気持ちになりながらも、独身だった僕はただ話を聞くことしかできず、ふとした瞬間に、少し孤独を感じてしまいました。
「30歳で独身はやばいw」
しばらくして、ひとりの友人が僕の左手を見て声を上げました。
「お前、指輪してないな。まだ独身か?」「30歳にもなって、結婚してないって大丈夫か(笑)」と。
彼の言葉に、場は一瞬ひやり。彼の言葉には明らかに「結婚していないなんて」と見下すようなニュアンスがあったからです。彼は若くして同じクラスだった女性と結婚していました。子どももいます。
僕が正直に「結婚していないこと」「恋人もいないこと」を伝えると、「人生設計とか考えてる?」「まさかひとりで老後を迎えるつもり?」などと矢継ぎ早に詰め寄ってきて……。僕は返す言葉を見つけられず、ただ愛想笑いをするしかありませんでした。
既婚マウントを取る友人に…
そんなときです。横から、「独身で悪かったね」という言葉が。口を開いたのは、クラスでも中心的な存在だった女性でした。彼女はゆっくりと席を立ち、まっすぐ友人を見て言いました。
「結婚してることが偉いわけじゃない。人にはそれぞれのタイミングがあるし、選び方も違う。結婚していない人をバカにするようなことを、いい大人が面と向かって言うの?」。
強く言われるとは思っていなかったのでしょう。彼は驚いた表情で、何も言い返せない様子でした。そこに、遠くの席にいた女性――彼の妻が、彼のもとへ駆け寄ってきて……。
「そういうこと言うのやめてって、何度も言ってるよね? 未婚か既婚かで、人を比べるものじゃない」
と、彼のことを叱責! 彼はごにょごにょと言い訳を口にしていましたが、結局は妻に叱られ、しゅんとしながら、小さな声で謝ってくれました。妻である彼女も周囲に向かって、「本当にごめんなさい。昔からマウントを取りたいタイプなのと、時代錯誤な考えがあって」と繰り返し頭を下げてくれました。
もちろん、結婚して幸せそうな友人たちを見て「素敵だな」と思います。でも今は、結婚するもしないも自由に選べる時代。また、早いか遅いかに優劣なんてないはずです。
僕自身、結婚願望がないわけではありませんが、地元に戻ってきたばかりの今は、新しい環境に慣れ、やりたいことにしっかり向き合う時間を大切にしたいと思っています。焦らず自分のペースで、納得のいく人生を歩んでいけたらそれで十分だと、今は感じています。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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