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夫「母さんの葬儀に来ない気か?嫁失格だぞ!」私「うん、他人だし」1年越しに届いた連絡が暴いた真実と身勝手な夫の末路

「嫁失格だ!」「孫の母親は私よ!」――。夫と義母から家政婦以下の扱いを受け、私は耐え続けていました。しかし、ついに「出ていけ!」と離婚届を叩きつけられ、私は息子を連れて家を飛び出しました。

それから1年。突然、スマホが震え、元夫から大量の通知が届きました。「母さんが死んだ!」「嫁なんだからすぐに葬儀に来い!」という身勝手なメッセージ。しかし、彼は知る由もなかったのです。水面下で進められていた、本当の「けじめ」を。

ある日の午後のこと――。

 

義母からの電話はいつものように高圧的でした。

 

「明日こそは、孫を連れてうちに来なさいよ! あの子の成長を見守るのは母親のあなただけじゃないのよ。いいえ、むしろ本当の母親は『私』なんだから!」


冗談めかした口調に、私は言葉を失います。

 

「どういうことですか? 息子を産んだのは私ですけど……」と尋ねると、「そういうことじゃないの!」と義母は声を荒らげました。

 

「私は、お義父さんが経営する地元の有名企業で役員として活躍する息子を立派に育て上げた母親よ? あんたみたいな頼りない嫁より、私の方が子育て上手に決まってるでしょ!」

 

義母の暴走と歪んだ執着

義父の会社にコネ入社し、若くして役員の肩書きをもらった夫は、私の目には“お飾り”のように見えていました。義母はその事実を棚に上げ、「孫の教育は私の役目」「嫁なんて家政婦みたいなもの」と暴論を続けます。


全身の血が逆流するような感覚でした。私は震える声を抑え、はっきりと言い返しました。

 

「いい加減にしてください。私は家政婦でも奴隷でもありません。わが子は私が責任持って育てます。お言葉ですが……口出し無用です」


「まぁ! なんて口の聞き方なの! 生意気ね!」と激昂した義母。「息子に全部言いつけてやるんだからね!」と捨てゼリフを残して電話を切りました。
 

 

 

その数時間後――。

 

案の定、帰宅するなり夫は私を怒鳴りつけてきました。

 

「おい! 母さんから聞いたぞ! なんであんなひどい態度とったんだ! 母さんはお前のためを思って言ってるのに!」


夫は、義母が泣いて悲しんでいたと私を責め、「子どものことは、母さんの言うとおり母さんに任せたらいいんだよ」と言い放ちます。


私は、もう何年も我慢してきたこと、もう限界なのだと訴えました。しかし、夫は私の訴えを鼻で笑いました。

 

「母さんは経験も豊富なんだ。母さんが言うことは全部、正しいんだよ!」


出た。いつもの「お母さん神格化」です。私が「お願いだから、少しは私の話を聞いて!」と食い下がっても、夫は聞く耳を持ちません。


私が「いっそ、お義母さんと少し距離を置くのはどうかな?」と恐る恐る提案した瞬間、夫の表情が一変しました。


「は? 距離を置く? ふざけるな! 母さんは俺を育ててくれた大切な人なんだ! そんな母さんを、ないがしろにするやつに家族を名乗る資格はない! お前なんか嫁失格だ! 出ていけ!」

 

「嫌なら母さんに謝りに行ってこい!」と高圧的に叫ぶ夫に、私は返す言葉もありません。

 

「母さんを泣かせやがって! いっそ今すぐ離婚してもいいんだぞ!」

「もう勝手にしろ! 子どもも連れていけ! 親権だってお前が持てばいい!」


そう言って、夫は引き出しから記入済みの離婚届をつかみ出し、乱暴にテーブルへ叩きつけました。彼は私が本気で出すはずがないと高を括っていたのです。

 

「出ていけ! まぁ、どうせすぐ頭を下げて戻ってくるんだろうけどな!」


高笑いする夫の顔を見て、私の中で何かがプツリと切れました。

 

「……お互いに、冷静になりましょう。それじゃ、もう私は荷物をまとめて実家に帰ります。子どもの親権は私が持つことで、さっきあなたも同意しましたよね。息子も連れて帰ります」

 

 

唯一の理解者からの謝罪

家を出て数日後――。

 

義父から電話がありました。

 

「急に連絡してすまない! 息子から話を聞いた……。本当に申し訳ない。あの馬鹿息子が啖呵を切ったらしいね……」

 

義父が謝ることじゃない、と言っても、「そんなことない! 君は、よく頑張ってくれていたよ。なのに、昔から妻も息子も自分のことばかりで……」と申し訳なさそうに言う義父。


義父だけは、いつも私のことを気遣ってくれていました。彼は、私の苦労を理解して、夫と義母の言動を嘆き、注意してくれていたのです。

 

「……正直、私はもうあの家に戻るつもりはありません」と言うと、義父は「そのほうがいい」と言ってくれました。しかし、義父はそこで声を潜め、真剣なトーンでこう切り出しました。

 

「だが……離婚届を出したことは、あいつには伏せておいたほうがいいかもしれない」

私が驚いて理由を尋ねると、義父は苦渋に満ちた声で説明しました。

 

「あいつは思い込みが激しく、執着心が強い。もし今、『正式に離婚が成立した』と知れば、逆上して君の実家や職場に押しかけ、暴れる危険がある。……恥ずかしながら、あいつはそういう男だ」

 

言われてみれば、夫は自分の思い通りにならないと手がつけられない性格です。私は背筋が凍る思いがしました。

 

「そこでだ。私から一つ提案がある。離婚届は出したほうがいい。ただ、あいつには『復縁の余地はゼロじゃないが、今は距離を置くべきだ』とだけ伝えておく」

 

「『もし復縁したいなら、静かに待ち、生活費を払い続けて誠意を見せろ。無理に会いに行けば即離婚だ』と私が釘を刺しておくよ。そうすれば、あいつは『まだチャンスがある』と思い込んで、君たちに手出しはできないはずだ」

 

「これは君たちが新生活の基盤を固めるまでの、私にできる精一杯の『防波堤』だと思ってくれ」

 

義父の、息子を騙してでも私と孫の安全を守ろうとする覚悟に、私は涙が止まりませんでした。

 

「生活費……いや養育費は、私から説得して会社の給与から天引きするよう同意させる。手続きは全部、私が責任を持ってやる」

 

義父のあたたかい言葉と完璧な配慮に、私はどれだけ救われたかわかりません。

母を亡くした元夫の絶叫

それから1年――。

 

私は息子と2人、平穏な日々を送っていました。そんなある日、テーブルに置いていたスマホが激しく振動しました。画面を見ると、LINEの通知が連投されています。表示されている名前は、元夫でした。

 

「おい!」 「母さんが死んだぞ!」 「何既読スルーしてんだ!」 「嫁なんだからすぐに葬儀に来い!」

 

突然の訃報と、1年前と何一つ変わらない身勝手な文面に、私はあきれ返りました。私は冷静に、必要最低限の返信を打ち込みました。

 

「突然のことで驚きました。ご愁傷様です」

 

すると即座に、怒りのスタンプと共に返信が来ました。

 

「はぁ!? 何、他人事みたいに言ってんだ!」 「お前は『嫁』だろ!?」 「早くこっちに来て、母さんに最後の礼を尽くせ!」 「嫁のくせに、母さんの葬儀に来ないつもりか!?」「そんなことしたら、嫁失格だぞ!」

 

驚いたことに、元夫は『別居しているだけで、まだ夫婦としてやり直せる』と本気で思い込んでいるようでした。

 

「うん、私、他人だし」と送ると、「は?」と夫。

 

 


仕方なく私は「私ね、あのときちゃんと離婚届を提出したの。法的にはもう他人だから、葬儀には行きません」と説明しました。すると、すぐに私のスマホが着信画面に切り替わりました。元夫からの電話です。

 

「おい! どういうことだ! 離婚届だと!?」

 

スマホの向こうから聞こえる慌てふためいた声に、私は冷ややかに答えました。

 

「だからLINEで言ったでしょ。あなたは『まだ夫婦のつもり』でいたみたいだけど、離婚はとっくに受理されてるのよ」

 

「う、うそだ! 俺は会社にも役所にも、ちゃんとした手続きなんてしてないぞ! 言われるままに書類にサインしただけだ!」

 

「お義父さんが、あなたに代わって必要な手続きの段取りを全部整えてくれていたの。あなたは言われるままに書類にサインしていただけで、内容まではほとんど見ていなかったみたいね」

 

「お義父さん、言ってたわよ。『あいつに真実を教えれば、君たちに迷惑をかけに行くに決まってる。だから私が会社でしっかり手綱を握っておく』って。この1年間、あなたが私に直接会いに来られなかったのは、お義父さんに止められていたからでしょう?」

 

「な……親父が……!?」

 

「今、あなたが必死に叫んでる『嫁の義務』なんて、私にはもう関係ないわ」

 

言葉を失っているらしい夫に、私はさらに衝撃の事実を伝えました。

 

「それに、私はすでに新しい人生を始めてるから。……先日、お付き合いしている方と婚約したの。もうすぐ入籍するわ。 だから、今は結婚の準備をしているの」

 

「はあ? こ、婚約だと!? 冗談じゃねぇぞ!! お、俺の嫁だったくせに! 勝手に男を作るなんて……!」と激昂した元夫。しかし、許すも許さないも、もう元夫には関係ないのです。

 

元夫は「お前は俺のものだ」と所有物のように喚き散らしましたが、私の心はもう動きません。

 

「1年前から、もう終わってるのに『嫁失格』だなんて馬鹿みたいに叫んで……私はもう、あなたの所有物でも何でもないの!」とはっきり言うと、元夫は「そ、そんな……」と動揺していました。

 

しかし、最後に「あ〜こんな嫁、離婚で結構だよ! もう嫁じゃないってなら……母さんの遺産は絶対やらないからな! お前はもちろん、息子にも一銭も渡さないからな!」と捨て台詞を吐いた元夫。もちろん現実には、どれだけ彼が怒鳴ろうと、息子の取り分を完全にゼロにすることはできません。

 

「……最後まで情けない人ね。どうぞお元気で」とだけ言って、私は静かに電話を切りました。

 

遺産の行方と絶句する元夫

しかし、その数時間後――。

 

再び元夫から鬼のような着信がありました。

 

「どういうことだよ! 親父から聞いたぞ! 母さんの遺産がほとんどお前と息子に行くって! ふざけんな! 長男の俺が最低限の取り分しかもらえないなんておかしいだろ!」

 

 

私にとっても初耳でした。元夫が言うには、義父が葬儀の場で親戚一同に対し、「妻は生前、公正証書遺言を作成していた。その中で、財産の大半を『孫』と、世話になった『元嫁』に遺贈すると記されている」と発表したというのです。

 

「どうやら……親父がお前が出て行った後、本気で母さんに怒ったらしい……『プライドが高いから謝りに行けないけど、せめて遺産だけは』って言ってたって……」

 

公正証書遺言は法的に強力な効力を持ちます。元夫がいくら騒いでも、最低限の「遺留分」以外は手に入りません。


元夫は、親戚からも「当然だ」と責められて、悪者扱いされたと泣きついてきます。

 

「俺も謝るから……だから、戻ってきてくれ。母さんももういないし、俺にはもうお前しかいないんだ!」

 

しかし、私はもう婚約していると伝えたはず。幸せに暮らしているのに、水を差さないでほしいというのが本音でした。

 

「で、でも息子の父親は俺だろ! 子ども連れて戻ってこいよ! 俺は生活費だってしっかり払ってただろ!? 父親として十分務めを果たしてるだろ!?」

 

私はため息をついて、「くだらないこと言ってんじゃないわよ」と言いました。

 

「あれは『生活費』じゃなくて『養育費』よ。お義父さんがあなたの給料から天引きして送ってくれていただけ。それに、来月には今の彼と入籍して、息子とも養子縁組をしたいと考えているの。父親であるあなたの同意が得られないなら、家庭裁判所に手続きを相談するつもりよ。あなたからの養育費も、事情が変わったとして減額や免除を家庭裁判所に申し立てるつもり」

 

「もう息子は……新しいパパに本当に懐いているの。あなたと別れたころはまだ小さかったけど、子どもなりにあなたのことはしっかり覚えてるみたいよ。『すごく意地悪で、いつもママを怒鳴ってたおじさんだよね』って」

 

「お、おじさん!? おじさん……って……」とひどくショックを受けているような元夫の声。

 

「えぇ、今の彼が本当にやさしい人だから……余計にあなたの横暴さが記憶に残っているみたい。あの子の中で、もう『お父さん』は今の彼ただ1人なのよ」

 

実の息子にも嫌われていることを知って、元夫は傷ついているようでした。これ以上話していても仕方がないと思った私は、「遺産は……お義母さんの願いなら相続します。受け取ったからといって、あなたと寄りを戻すことはないからね。それじゃあ、どうぞお元気で」と言って、電話を切りました。

 

 

 

電話を切った後、私はすぐに元義父に連絡しました。

 

「久しぶり。どうやら驚かせてしまったようだね」と元義父は、穏やかな声で真相を話してくれました。

 

「実は君が孫を連れて家を出たとき……私もようやく目が覚めたんだ。恥ずかしながら、私も長年、妻のあの激しい性格や、息子の甘えを『波風を立てたくない』と黙認してきた。君を守れなかった……本当にすまない」「だから、君が本気で離婚を考えていると知ったとき、私も初めて本気で妻と向き合ったんだ。『このままでは家族全員が破滅だ』と説得し、公証役場に連れて行って遺言書を作らせたんだ」

 

元義父の声には後悔が滲んでいました。

 

「妻も夜に1人で泣いていたのを私は知っている。……祖母として、孫を抱けなくなってしまったことをひどく後悔していたんだ。だから私も『最後くらい年長者として、けじめをつけなさい』と言ったんだ」「妻はしばらく黙っていたが……やがて『息子に全財産を渡してもどうせロクな使い方をしない。遺産の大半は孫の将来のために……』と言ってくれた。それが彼女なりの謝罪であり、最後の誠意だったんだろうな」

 

「素直に謝ることはできなかったが、きっと後悔していたんだ。だからどうか、最後の気持ちだけは受け取ってやってほしい」という元義父の言葉を聞いて、私は遺産を受け取る意思を固めました。

 

「あの……もしよかったら、今度、息子に会いに来てください。私も直接お礼を言いたいですし。婚約者も、お義父さんに会いたがっています」と言うと、「え!? いいのかい……? 私はもう舅ではなくなった身だから、遠慮すべきだと思っていて……」と驚いた元義父。

 

「そんなことありません。私にとっては、今でも大切なお義父さんです。息子にとっても大事なおじいちゃんなんですから、遠慮しないで会いに来てください」と言うと、元義父は涙声で「……ありがとう。近いうちに、必ずうかがわせてもらうよ」と言ってくれました。

 

そして元義父は相続の詳細についても説明してくれたのでした。

 

その後――。

 

 

葬儀の場で親戚一同から総スカンを食らい、遺言書によって遺産も最低限しか相続できず、手ぶら同然で返された元夫。大好きな母親を失い、父親にも見放され……親戚や一部の知人の間で噂になっているらしく、肩身の狭い生活を送っていると聞いています。

 

会社での立場も、社長である義父の逆鱗に触れたことで大きく下がり、今は重要な案件から外されて、ほとんど戦力外扱いになっていると聞いています。

 

取り返しのつかない自分の選択を悔いる日々を過ごしているようですが、元義父の厳しい目が怖いのか、意外にも養育費は払い続けてくれています。

 

信じていた夫と義母から「嫁失格」と罵られ、家政婦のように扱われた日々は、私自身の尊厳を深く傷つけるものでした。あのとき、絶望のなかでも息子を連れて家を出たこと、そして唯一の理解者であった義父が陰ながら支えてくれたことが、私たち親子の運命を大きく変える転機となりました。

 

義母が遺した償いと、義父が守ってくれた息子の権利は、彼らなりの「けじめ」だと感じています。過去の呪縛から解き放たれ、新しいパートナーと築いてきたこの穏やかな日常こそが、私が戦って勝ち取った幸せです。

 

【取材時期:2025年10月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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