義姉は20歳のころ、駆け落ち同然で義実家を出て行ったそう。しかし数年後に戻ってきたとき、彼女は臨月の妊婦でした。しかも、誰が父親か分からないとのこと。
義母は勘当も考えたそうですが、おなかの子に罪はないと思い、一時的に面倒を見ることに決めたそう。そうして生まれた姪は、義母の献身的なサポートもあり、すくすく成長して5歳になりました。
義母が緊急入院!義姉の要望は…
そんなある日のこと、義母が体調を崩し、急きょ入院することになり、夫と一緒にお見舞いへ行きました。
病室には義姉と姪もいたのですが、無職のはずの義姉はブランド品を身にまとい、とても派手な格好をしています。そして私たちを見るやいなや、「ねぇ、これからは休日に娘を預かってくれない? ママにも息抜きが必要でしょ?」と言ってきたのです。
私たち夫婦はもちろん、病床の義母もこれには猛反対しました。
確かに、毎日子育てに追われる母親に息抜きが必要なことは理解できます。しかし、義姉の場合は事情が違いました。普段から姪の食事や身の回りの世話をしているのは、ほとんど同居している義母なのです。
義姉は自分の好きな時間に起きて、好きなことをしているだけ。それなのに、義母が入院した途端に「息抜きしたいから」と私たちへ丸投げしようとするのは、あまりに虫が良すぎます。
夫もあきれた様子で、こう告げました。
「どうしても必要なときは預かるし、困ったときはサポートもする。でも、毎週末ずっと預かるというのは難しいし、それは違うんじゃないか」
今の状況で一番大変なのは、入院してしまった義母と、環境が変わって不安な思いをしている姪です。そのことをもっと自覚して、まずは母親として姪に寄り添ってほしいと、3人で義姉を諭したのです。
玄関前に座り込む姪と衝撃の手紙
しかし、義姉の耳に私たちの言葉は届いていませんでした。
それから数日後の夕方、義姉から突然「話があるから18時に家にいて」と連絡が入りました。私は仕事を切り上げて急いで帰宅しましたが、どうしても間に合わず、約束の時間に10分ほど遅れてしまいました。
「待たせちゃったかな……」と申し訳ない気持ちで玄関に向かうと、そこには義姉の姿はなく、なんと姪がひとりでうずくまって座り込んでいたのです。
「どうしたの!?」
驚いて駆け寄ると、姪の手には一枚の手紙が握りしめられています。
『この子をしばらく預かってね! お母さんには絶対内緒にしておいてよ!』
手紙には走り書きでそう書かれていました。
私が到着する直前まで義姉はいたようですが、私が遅れたわずか10分の間に、姪を置き去りにして立ち去ってしまったのです。もし私がもっと遅れていたらと思うと、背筋が凍る思いでした。
それと同時に、あまりにも身勝手な義姉の行動に怒りで震えが止まりませんでした。 私はすぐに夫へ電話をかけ、涙を浮かべて不安がっている姪を家の中に招き入れました。
「内緒にしてね」ヘラヘラと現れた義姉
義姉がいつ戻るかもわからない状況でしたが、私たちは姪の不憫さに胸を痛め、精いっぱいの愛情を注いで面倒を見ることに。夫婦で協力して仕事を調整しながら、幼稚園への送り迎えもなんとかこなしました。
それから数日後、ようやく姪を引き取りにやって来た義姉。 玄関先で義姉は悪びれる様子もなく、「預かってくれてありがとー! あ、このことはお母さんには内緒にしておいてね?」と笑いながら姪の手を引こうとしました。
その瞬間、「誰に内緒にするだって?」と、部屋の奥から退院したばかりの義母が現れました。実は、姪を保護した直後に私たちは義母へ相談し、退院に合わせてわが家で待ち構えていたのです。
母親失格?見放された義姉の末路
激怒した義母は、「こんな小さな子を置き去りにして! あんたは母親失格だ! ひとりで出ていきなさい!」と言い渡しました。
義姉は顔色を変え、「待って! ◯◯(姪)はママと一緒がいいよね!? ねっ、おばあちゃんにそう言ってよ!」と必死に姪へすがろうとしましたが、姪は私の背中に隠れ、「私、おばあちゃんがいい」と宣言。実の娘に見限られ、義姉は呆然としていました。
逃げ場を失った義姉は、泣きながらとんでもない事情を白状しました。実はここ数日、既婚男性と不倫旅行に行っていたこと。しかしその最中に相手の奥さんにバレてしまい、高額な慰謝料を請求されていること……。
「だからお金がなくて、家を出ていくのは無理なの! お願い、家に置いて!」と必死に懇願する義姉。しかし、義母は心を鬼にして告げました。
「甘えるな。慰謝料も生活費も、自分で働いて払いなさい。自分の力で生活を立て直し、まともな人間に生まれ変わるまでは二度と帰ってくるんじゃないよ!」
義母の愛ある厳しい一喝により、義姉は家を追い出されました。現在は慰謝料の支払いに追われながら、必死に働いているようです。
一方、姪は正式に義母が養育することになりました。義姉に振り回されていたころよりも、今では明るくよく笑う子に成長しています。私たちはこれからも、姪にたくさんの愛を注ぎ、成長を見守るつもりです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。