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「これで弟はラクになるかもね!」私の余命宣告を喜ぶ義姉→無神経なひと言がすべてを壊した日

結婚してからというもの、私は義実家とうまくいかず悩んでいました。特に義姉が苦手で、もともと体があまり強くなく、炎天下や人混みで体調を崩してしまう私は「協調性がない」「嫁として自覚がたりない」とたびたび責められてきたのです。

フルタイム勤務が難しかった私は、少しでも家計の足しになればと在宅でデザインの仕事を始めました。少しずつ信頼してくださるクライアントも増え、今では人並みの収入が得られるまでになりました。

「外に働きに出られない自分でもできることがある」と、自分なりに必死に歩いてきたつもりです。

ある日、夫の親戚一同で海水浴に行く計画が立てられていました。しかし予報を見ると猛暑日。炎天下の海で長時間過ごす自信はなく、私は夫に相談し、欠席させてもらうことにしました。

 

代わりに、皆さんで食べられるようにと冷たい飲み物やアイスを大量に買い込み、クーラーボックスごと夫に託したのです。

 

しかし夫が出発してしばらくすると、スマホに義姉から怒りのメッセージが届いたのです。「ちょっと、今日なんで来ないの!? 家族も親戚も全員集まってるのに! 嫁のくせに不参加なんでどういうつもり?」


私は、昔から体が弱く炎天下が苦手であること、倒れて迷惑をかけたくないことを、必死に言葉を選びながら伝えました。


しかし返ってきたのは、容赦のない言葉でした。「はぁ? 昔から体が弱いって……そんなの理由にならないでしょ。少しは体力つける努力したら? 在宅の仕事なんだから時間あるんでしょ。正直、弟に頼りすぎじゃない?」

 

集まりに参加できないことは私も申し訳ないと思っていました。だからこそ、できる限りのことを……と思い、ドリンクやアイスを用意したのです。


そう伝えても義姉は鼻で笑うだけでした。「そういうの、わざわざアピールしなくていいから。親戚付き合いを大事にする気がないの? 差し入れだけして済むと思わないで」


義姉からのメッセージを見て、胸の奥がじわじわと締めつけられるように感じました。

 

夫が心配しているのは…

そんな最中、夫から「着いたよ」という連絡がありました。気持ちが沈みきっていた私は、先ほどの義姉とのやりとりを報告しました。


そして「今からでも向かったほうがいいかな? 私のせいで雰囲気壊してないかなって……」と、途中からの合流を提案したのです。


すると夫から予想外の返信が……。「無理しなくていいって。 お前が途中で倒れたりしたら、それこそ大ごとになるし……せっかくみんな楽しんでるのに、変な空気になったら俺が恥ずかしいだろ? だから来ないほうが助かるって」


「倒れたら、恥ずかしい」―― その言葉を見て、私は思わず手を止めました。

 

私が心配しているのは「倒れて恥をかくこと」ではなく、「倒れてみんなに迷惑をかけること」でした。それなのに、夫が心配しているのは「倒れたら自分が恥ずかしい」ということ。認識の差にハッとしました。

 

しかしこのときの私は「揉めごとを起こしたくない」という思いが強く、深く考えることを避けてしまったのです。

 

余命宣告を喜ぶ義姉

数カ月後、実家の父の病気が発覚しました。実家に帰って父の世話をしたいけれど、義姉が良い顔をするわけがなく、夫の家族にどう思われるかを考えると、実家への長期帰省に踏み切ることができません。

 

しかしついに余命宣告をされ、私はしばらく実家に帰ることを決めました。夫も快く送り出してくれたのです。

 

実家に帰って2週間ほど経ったころ、父の容体は安定しているとはいえ、いつどうなるかわからない状態です。気持ちが張り詰めているなか、私のスマホに義姉からのメッセージが届きました。


「ねぇ、あんた……余命どれくらいなの?」あまりにデリカシーのない文章に手が震えました。


「え? 余命宣告……?」と返すと、「とぼけなくていいのよ? 弟から聞いたんだから。体調が悪くて実家に帰ったんでしょ?」と義姉。

 

しかし余命を宣告されたのは私ではなく父です。夫はいつもの軽い調子で義姉に伝えたのでしょう。義姉は勘違いしていたのです。


私はすぐに訂正しようとしましたが、義姉は「まさか、こんなことになるなんて……。ショックだけど、正直弟は少しラクになるかもね! 心配しないて! 次の奥さんは私が責任持って探してあげるね」と続けます。


義姉の勘違いとはいえ、余命宣告された人にかける言葉とは思えません。父の病室のベッド脇でその文面を読んだ私は、怒りとも悲しみともつかない感情でしばらく動けませんでした。ただ、同時に「これはもう、限界を越えている」と思う、冷静な自分もいたのです。

 

異常な夫とその家族

実は、実家に戻ってから離婚を真剣に考えるようになりました。私の家族が弟の奥さんに接するときの態度を見て、義実家の私に対する扱いは明らかにおかしいと思ったのです。

 

義姉はもちろん、それを制すことをしない義両親、そして庇ってくれない夫……もう限界でした。

 

相談をした弁護士からは長年の義姉からの言動、そしてそれを知りながら庇おうとしない夫の態度について、「婚姻を継続し難い重大な事由」に当たる可能性があると説明を受けました。そして今回の義姉からのメッセージは、まさに決定的な証拠だと感じます。


私は「やりとりは保存しておきますね。私の余命宣告を喜んでいること、よくわかりました。今、離婚や慰謝料について弁護士にも相談しているので……」


そう送り返すと、義姉はあわてた様子で返信してきました。


「ちょ、ちょっと待って! そんなつもりじゃなかったの! 全部冗談で……!」そう言いながらも、メッセージの送信取り消しをしている義姉。しかし、こちらはすでにスクリーンショット済み。削除してももう遅いのです。

 

しばらくして、今度は夫から電話がありました。「頼むから聞いてくれ! 姉さんから聞いたよ。それに離婚なんて冗談だよな?」


私は静かに答えました。「離婚も慰謝料請求も、本気です」


電話口の向こうで、夫は取り乱しているようでした。「ちょっと落ち着けって! 離婚なんてしたら大変だろ? 生活だって、体の弱いお前ひとりじゃ……俺がいたから頑張れてたところ、あるだろ?」

 

夫の言うことも一理あります。たしかに、夫やその家族に認められるために頑張れていました。でもそれ自体間違っていたのです。

 

思わぬところで状況は動き始め……

父の看病の合間に、弁護士を通して離婚や慰謝料に関する手続きの相談を進めていきました。義姉からの繰り返しの侮辱的な言動、夫が真剣に向き合わずむしろ軽い調子で流していたこと――そうした経緯が、メッセージや私の日記に残っていたこともあり、協議はスムーズに進みました。

 

そんな中、思わぬ形で義姉にも状況の変化が訪れました。義姉の夫・義兄は穏やかな人で、唯一義実家で気が許せる人でした。そんな義兄が、今回の協議を通じて義姉のこれまでのおこないを知ったのです。

 

きっかけは夫が相談のつもりで義兄にやりとりのスクショを見せたこと。義兄はスクショを見て驚き、「これは見過ごせない内容だ」と私に連絡をくれました。義両親は義姉を庇うタイプでも、義兄は違いました。すぐに私に連絡し、義姉の無礼を詫びてくれたのです。

 

その後、私というストレスのはけ口をなくした義姉は、家でも苛立ちを抑えられず子どもたちにきつく当たることが増えたそう。以前から積み重なっていた不満もあり、義兄は「これ以上一緒に暮らすのは難しい」と判断し離婚したのだとか……。後から「報告」という名目で義兄から連絡をもらいました。

 

義姉の思いやりを欠いたおこないは、最終的にもっとも大切な家族さえ遠ざけることになりました。誰かの心を踏みにじる行動は、いつか必ず形を変えて自分に返ってくる――今回の経験を通して、そのことを深く実感しました。

 

♢♢♢♢♢♢

 

家族のかたちは本来、互いを尊重し合うことで成り立つもの。日々のやりとりのなかで感じる負担は、気付かないうちに積み重なってしまうことがあります。


だからこそ、ときには環境を少し整えたり、距離を置いたりすることで、心が落ち着く場面もあるのかもしれませんね。

 

 

【取材時期:2025年11月】

※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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