こんにちは、保育士の中田馨です。「夕方になるとそれまで穏やかだった赤ちゃんが急に大泣きする」という話をよく聞きます。夕方に泣かれてしまうと、夕食の準備、洗濯物の取り入れなど家事が忙しくなる時間なので、ママは困ってしまうことも多いです。
夕方になって赤ちゃんが大泣きすることを黄昏泣き(たそがれなき)、コリックという言い方をすることもあります。今回は黄昏泣きとは何なのか? 黄昏泣きするときにママができることを話します。
黄昏泣きとは
では、黄昏泣きとは何かを見てみましょう。
赤ちゃんが「泣く」には大きく分けて2つの理由があります。一つは、おなかが空いた、おむつを替えてほしい、眠いなどの「生理的な泣き」。もう一つは、人見知りや後追いなどの「心の成長による感情表現」としての泣きです。
黄昏泣きは後者に含まれます。黄昏泣きは、夕方になると起こります。それまで機嫌が良かった赤ちゃんが急に大泣きして30~40分泣き続け、いろいろ対応してもなかなか泣き止まないことを言います。全ての赤ちゃんに起こるわけではなく、黄昏泣きが起こらない赤ちゃんもいます。
黄昏泣きの原因は? いつまで続く?
黄昏泣きが多い月齢は生後2~3カ月ごろ。生後5〜6カ月ごろには自然になくなっていくと言われています。「そのうち泣かなくなるよ」と言われても、突然始まり、原因が分からず、対処方法もわからないとなるとママを悩ませてしまいます。
原因は解明されていませんが、
・おなかにガスがたまっている
・一日の疲れが夕方に出てしまった
・ママにかまってほしい
などの理由ではないかと言われています。
ただ、生理的欲求(空腹、眠い、おしっこなど)の泣き、体調が悪いときの泣き、甘え泣きなどとは違いますので赤ちゃんの様子を観察して判断しましょう。
ママができる3つのこと
では、黄昏泣きをしている赤ちゃんにママができることをお話しします。
まずは、一生懸命になって赤ちゃんを「泣き止まそう」と思わないことです。赤ちゃんが泣き出したら、まず生理的欲求の確認をして、それでも泣いている場合は「黄昏泣きの時期なんだ」と割り切ることが大切です。
そして、どうにもこうにもママが疲れてしまったら、赤ちゃんを安全な場所に安全な体勢で寝かせて、一旦そばから離れ、深呼吸するなどして気持ちをリセットしてから、赤ちゃんのそばに戻りましょう。私はよく、ベランダで外の空気を吸って、お茶を飲んでリセットしていました。
それ以外にできることを3つお話しします。
たっぷり抱っこする
夕方は、家事が忙しい時間ですが、家事は少し横に置きましょう。赤ちゃんが満足するまで十分に抱っこやおんぶをして、しっかり甘えさせてあげます。
場所を変えてみる
思い切って、赤ちゃんと外出するのもいいですね。抱っこやおんぶで家の近くをお散歩してもいいですし、車に乗ってドライブでも。ただ、運転するときに赤ちゃんの泣き声が気になりイライラしてしまうのなら運転は危険ですので、別の外出方法を考えましょう。
夕方前に夜ご飯の準備を終わらせておく
黄昏泣きが始まったなと感じたら、あらかじめ早めに夕食の準備などを済ませておきます。そうすることで、泣き出した赤ちゃんの対応に集中できます。「あれもこれもしなくちゃいけないのに困ったな……」と思いながら対応すると、赤ちゃんにその気持ちが伝わりますし、ママもストレスの原因になります。
黄昏泣きは一時的なこととはいえ、30~40分赤ちゃんに泣かれるとママは疲れてしまいます。夕方が来るのが怖くなる気持ちもあると思います。しかし、赤ちゃんの成長発達の過程のひとつと思い、赤ちゃんの対応もママが疲れてしまわない程度に肩の力を抜きましょう。家事も少し手を抜いてOK。赤ちゃんの顔を見て「一生懸命泣いてるなあ」と観察するくらいの余裕をもって対応してみてくださいね。