赤ちゃんは迎えたい、でも捨てられない義母の品々
こんな片田舎で、若い夫婦との同居、そして孫となる赤ちゃんの誕生はたしかにうれしいことではあるものの、そのための片付けは、曾祖母となる義母にとって人生の整理ともいえるストレスに。嫁の私にとっては、義母・娘の双方に気をつかう大変な作業でした。
30年間そこに置かれたままだった洋間セット(高額なじゅうたんとソファ・テーブル・キャビネットなど)は、義母が働いていた当時に購入したものでしたが、娘夫婦にはあっさり「いらない」と言われ、とりあえず、母屋の1階のあちらこちらに収めることになりました。ソファは縁側に1つ、廊下に1つ、玄関に1つ、テーブル類は物置に、存在感を放っていた時代物のじゅうたんは、いったん丸めて廊下の突き当りへと、ばらばらになりました。
義母が嫁入りのとき持ってきたという古い衣装箪笥は、着物類を入れたまま物置へ。押し入れの底に入っていた義母の婚礼布団だったという金の装飾入りの布団は、重たい上に長年放置していたため傷みもひどかったので、義母の了解を得て処分しました。
またしても「いらない」と言われ
次に課題となったのが、食器棚でした。食器棚自体は、娘夫婦が使いたいという要望だったので残すことになったのですが、中にはさまざまな食器が30年間入ったままでした。義母が買い求めたという花柄のそろい皿、また、お祝い事の返礼でもらったデザイナーズブランドのカップ&ソーサー、食器のセット、中には鉄器の急須などもありました。
義母がうっとりとながめながら「どれも良いものだし未使用品よ! 若い人が使うといいわ」と提案しましたが、娘はあっさりと、「デザインも古いし使いにくそう。鉄器とかさびも出てるし。おばあちゃん、ごめんね。私たちの生活には必要ないから」と答えました。義母はすっと青ざめた表情を見せ、言葉を失ったようでした。私も、食器棚の中身すべての行く末を考えなくてはならない……と、途方に暮れました。
母屋にはすでに使い慣れたお気に入りの食器類があり、私も正直、入れ替えたりしたくはなかったのです。かと言って、義母に「思い切って処分しましょう」とは言いだし難く、どうしたらよいものか判断ができず、なかなか作業は進みませんでした。
現れた救世主、救いの言葉とは
食器棚の中身をどうにかしなくてはと思いつつ、数週間を過ごしたころ、また、娘夫婦が片付けにやってきました。食器棚の中身についてまだ私は何も手を付けていませんでした。娘夫婦も困っているだろうなと思いながら、私が仕事から帰ると、事態は一変していました。食器棚は空の状態、中身はすべてゴミ袋にまとめられ、「不燃ゴミ」として屋外に出されていたのです。
あぜんとした私が娘に問うと、「自称『整理整頓マスター』のおばちゃんがやって来たんだよ」とのこと。県内で1人暮らしをしている60代の義姉が来て、「使わなかった物はね、いらない物なのよ!」と、どんどん片付けたということでした。義姉は離婚から1人暮らしへと移行した今どきの「おひとり様」。片付けもいろいろ経験してきたので、片付け事情に慣れているのでした。
義母に対しても、長女として丁寧な説得をしたようです。「ああ、この食器のこと、覚えてるよ。子どものころ見て、お花柄がきれいだなって思ったわ。こういうの、お母さんがお仕事とか親戚付き合いとか、とっても頑張って集めた品々だよね。本当に大変だったでしょう? 娘としてとても感謝してるよ。でもね……必要なものって時代によって変わるのよ。孫たちには必要ないかもね。私が少しもらっていくから、あとは処分してもいいよね?」義姉の言葉に義母は涙ぐみながらうなずいたとのことでした。
まとめ
今回、片付けに救世主となったのは義姉でした。若いめいっ子夫婦を応援しようと駆け付けてくれました。実の娘である義姉のやさしい言葉かけによって、義母の心は随分と救われたようです。おかげで、娘夫婦の同居に向けて作業を進めることができました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:森原あさみ/50代女性。平日はお勤め、週末は農業。夫、子ども、義父母と暮らしている。多忙でも趣味やスポーツの時間はなるべくキープ。育児、介護、町の行く末までいろいろ気になる。
イラスト/ほや助
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年11月)
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