義母の逆襲
焦げ臭い……!? パートを終え、帰宅した私を待ち構えていたのは、暴走を止めないお義母さんでした。
改築したときに使わなくなった旧キッチンをお義母さん専用にしたのに、私たちのキッチンに立っていたお義母さんは、「遅いから作っておいてあげたわよ」と、勝手に冷蔵庫の食材を使い、料理をしていたのです。
















フライパンの中を見ると、ユリさんがケンさんの昇進祝いのために用意していた高級なお肉が、黒焦げの野菜炒めに変わり果てていました。
「ちょっと焦げたけど、味はバッチリだから」と悪びれる様子もない義母に、ユリさんは絶望して座り込んでしまいます。
そこへ、ケンさんとレンくんが帰宅。義母はここぞとばかりに「今日は私が作ってあげたのよ! 気が利くでしょ?」と黒焦げの料理を得意げに差し出しますが、事態を察したケンさんは静かに激怒します。
「ふざけるな。食材を勝手に使って、ルール破ってキッチンに入って……これのどこが『気が利く』だよ」
ケンさんは義母の料理を拒絶し、「食えるかこんなもん、捨てろ!」と一喝。
すると義母は、逆ギレして「親切で作ってあげたのに! 食べ物を粗末にする気!?」と騒ぎ立てます。
そんな義母にユリさんは、「弁償してください。きっちり請求させていただきますから!」と涙を拭いながら、レシートを突きつけたのでした。
◇ ◇ ◇
良かれと思ってやったことでも、相手のルールを破ったり、大切にしていた計画を台無しにしてしまっては、それは「親切」ではなく単なる「押し付け」になってしまいます。「やってあげた」という自分の満足感だけで行動するのではなく、相手が何を求めているのか、どういう取り決めがあったのかを尊重することが大切です。
たとえ家族であっても、越えてはいけない境界線はあるのではないでしょうか。全員で気持ちよく生活するために、ルールをきちんと守り、相手の立場に立って行動したいですね。
小出ちゃこ