厄介な中途社員
ある日、会社にA子さんという名前の社員が転職してきました。彼女はとても美しい顔立ちをしており、彼女を見た瞬間、私は思わず「すごくキレイな人」と言ってしまいました。
しかし、1週間ほど経過すると、A子さんの本性が徐々にわかってきて……。男性には愛嬌よく接するものの、女性にはとても冷たかったのです。私は、「A子さんには極力かかわらないようにしよう」と思っていました。
ところが、朝いつものように出社すると、いきなりA子さんから声をかけられたのです。
「あの〜、社長の息子さんと付き合っていますよね?」
実は、私の彼氏であるB男は、この会社の社長の息子なのです。私は「どうしていきなり!?」と思いながらも、「そうですよ」と返しました。するとA子さんは、「へ〜、この地味な女がねえ。余裕で勝てるじゃん」と言いながら去って行ったのでした。
そしてこの日を境に、今までやさしかったB男の言動が変わってしまったのです。自宅では家事を私に丸投げし、少しでも注意をすると、「次期社長の俺にそんな態度でいいのかよ?」と脅しのようなことを言ってくるように。
私は、「もしかして、B男は浮気をしているのでは?」「他に好きな人ができたら、私と別れたいのでは?」と疑い始めました。
嫌な予感が的中
その後、B男の浮気を調べるため、私はB男に「しばらく実家に帰ります」と宣言。B男はなぜかうれしそうに「ゆっくりしてこいよ」と返してきました。
そして、B男には内緒で自宅マンションの前で張り込みをしたところ、なんと、B男はA子さんと手を繋ぎながらマンションの中に入って行ったのです。私はショックを受けながらも、しっかりと証拠となる写真を撮影。ある人物に電話を入れてから、マンションの中に入りました。
A子とB男がしていた勘違い
いきなり部屋に入ってきた私を見て、B男は「どうしてお前がここにいるんだよ!」と驚愕。ただ、次の瞬間には、「ちょうどいいや。俺、お前と別れてA子ちゃんと付き合うから」と宣言。A子さんも、「次期社長は私がもらいますね! 社長夫人は美人でなきゃダメでしょ!」と見下してきましたが、私は冷静に言いました。
「B男は次期社長ではありませんよ」
実は、社長秘書である私は、社長が会社を売却するつもりでいることを知っていたのです。社長は前々から「B男は大切な息子ではあるが、社長を務められる器ではない」と言っており、自分が引退する際は、会社を売却し、B男ではない人に社長になってもらったほうが、会社のためになると考えていました。ただ、B男にはまだこの話は秘密にしておいてほしいということだったので、言わずにいたのです。
なお、浮気現場に突入する前に社長に電話で事情を説明し、会社の売却について話してもいいと許可を取りました。
私たちのその後は
私の話を聞いたB男は、「そ、そんな……。俺は社長になれないのかよ」と愕然。一方、A子さんは「は? 次期社長だから付き合うことにしたのに話が違う!」と激怒してしまい……。「社長じゃないなら付き合う意味がない」と言ってマンションから出て行ってしまったのでした。
その場に取り残されたB男は、「俺が悪かった。もう浮気なんてしないから許してほしい」と謝ってきましたが、許すつもりなどない私は、「振られたからって縋り付いてこないで。私たちはもう終わりだから」と一蹴し、実家に戻りました。
その後、A子さんは会社をあっさりと退社。彼女にとって、会社は仕事をする場所ではなく、彼氏を探すための場だったのかもしれません。B男は「父親に仕事で認められたい」と、修行のために他の会社に転職して行きました。
A子さん、B男共に会社を去り、平穏な日常を取り戻した私。しばらく恋愛はお休みし、仕事と趣味に打ち込みたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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