今年も夏のボーナスが支給される時期となりました。ボーナスの使い道は貯金する方も多いと思いますが、なんとなく貯金を考えている人は、貯金するより有効な使い道がある場合もあります。
使い道の決まっていない人や預貯金以外の方法で家計にプラスにしたいと思う人へ向けて考え方をお伝えしたいと思います。
1.消費税増税前の大きな支出をしよう
2019年10月に消費税率が8%から10%に増税されるため、住宅や自動車などの消費税増税後に優遇措置があるもの以外で、家具や家電、住宅の修理や賃貸住宅の引越など、必要性のある高額の支出がある場合は、今回のボーナスを充てることを検討されても良いでしょう。あくまでも無駄遣いでなく、必要性のあるもの前提で考えていただきたいのですが、同じ価格であれば、10月よりも2%安く買い物ができるのは今のうちです。
一部の家電や日用品などは消費税増税後に売り上げが落ち込んだ場合に価格も調整されやすいのですが、定価で販売されているものやサービスであれば価格も調整されにくいため、10月より前に支出を検討されると良いでしょう。
また、これから暑い季節を迎えますので、旧型(概ね10年前後)のエアコンや冷蔵庫等の夏に消費電力の高まる家電を買い替えられれば、電気代の節約にもつながりますので必要に応じて検討してみましょう。冷蔵庫の平均消費電力は10年前と比べて約半分になっているようです。現在使っている家電と販売されている家電の年間消費電力・電気代は、環境省が運営している『省エネ製品買替ナビゲーションしんきゅうさん』で比較できますので、ご参考になさってください。
2.借り換えや繰り上げ返済できないか考えよう
2018年後半から米中の貿易・関税問題が激化し、先行きの景気が悪くなる要因と考えている金融機関や企業も少なくなりません。そのため、日本全体の金利も下がり、2018年11月から住宅ローン金利は低下傾向になっています。現在利用している住宅ローンの金利が現在取扱中の住宅ローン金利より高い場合は、借り換えをすると住宅ローンの支払総額を減らすことができます。
例として、5年前に2000万円・35年間固定金利1.9%のフラット35で住宅ローンを借りた人が、2019年6月の最低金利1.27%で借り換えをすると、残り30年の利息を総額196万円減らすことができます。手数料や諸費用がかかりますが、この手数料を50万円としても、総額146万円の支払いが少なくなります。ボーナスを手数料に充てることができれば、普通預金の利息より家計にプラスとなると考えることができます。借入金利、返済期間、借入金額によって条件は異なりますが、気になる方は試算をされるか、金融機関やファイナンシャルプランナーに相談をされると良いでしょう。
また、借り換えを検討しない場合でも、住宅ローンに限らず自動車ローン、クレジットやキャッシング等の借りているお金がある場合は繰上返済を検討してみましょう。その中でも金利の高いものまたは返済期間が長いものを優先させると効果が大きくなりますが、繰上返済がそもそもできない契約もあるので、返済前に繰り上げ返済できるかを確認しましょう。家計のバランスと照らし合わせて、貯金をするより借入を返済したほうが将来プラスになるようでしたら、選択肢の一つとして考えてみてください。
3.それでも貯金したい人は
高額の買い物・出費の予定もなく借り入れもない人は、過去にも何度か取り上げたのですが、毎月払の生命保険料や自動車保険料、国民年金保険料、NHK受信料等を半年分や1年分のまとめ払いへの切り替えや、旅行代理店・百貨店等の積み立てやリスクを受け入れられる人は貴金属や投資信託等の積立などを検討してみましょう。
理解の難しいものや手続きが自分でできないものは避けるようにし、旅行や百貨店など不定期ながら決まったお店があれば旅行積立・百貨店積立を、使い道が決まっていない場合や運用に慣れたい場合は投資信託や貴金属の積立を検討してみましょう。
それでも預貯金が良い場合は、今使っている銀行だけでなく、金利優遇やキャンペーンのある銀行も検討してみましょう。インターネット専用銀行では金利が都市銀行よりも高いことが多く、地方銀行等では宝くじが当たる預金や地域のプロスポーツが優勝等をすると金利が上がるキャンペーンを実施している預金などもありますので、興味のある人は調べてみることをおすすめします。
上記の内容が、すべての方に当てはまるものではないかもしれませんが、有効と思われるものがありましたら、検討の上、実行されて家計のプラスとしていただければと思います。