しかし、娘が生まれてからも、夫の生活も態度もほとんど変わらず、育児も家事もしない夫に不満を感じていました。
夫は娘に無関心
娘が泣いていても、夫はスマホを見たまま動こうとしません。「おむつ替えてもらえる?」と頼むと、「え~今じゃなきゃだめ?」と面倒そうな声が返ってきます。
娘が大声で泣いていると、夫は「うるさい」と言って娘の横を素通りし、自室へこもってしまいました。
抱っこしてあやすことも、お世話することもない夫と一緒にいる意味はあるのか……
夫の娘への無関心と日々のワンオペが、私を追い詰めていきました。
娘の泣き声に耳栓!?
そんなある夜、娘の激しい夜泣きで目を覚ました私は、隣で眠る夫の姿を見て言葉を失いました。
「え……耳栓して寝てる……」
胸の奥が、すっと冷えていく感覚がありました。耳栓をして寝るのは、夜間のお世話を一切やる気がないという何よりの証拠。娘の夜泣きに「気づいていない」のではなく、「気づかないようにしている」のだと知り、ショックを受けました。
それと同時に、私はもう2カ月以上まともに寝られていないのに、毎晩ぐっすり朝まで寝ている夫への怒りといら立ちでいっぱいになりました。
家族が増えても、変わらない人
ある日、私が育児と家事に追われていても、まったく気にする様子もなくダラダラしながら「ごはんまだー?」と聞いてきた夫。思わず「少しは娘の面倒を見て!」「育児しないなら家事くらいやって!」と声を荒らげてしまいました。
けれど返ってきたのは、「あー……考えとくよ」という一言だけ。
その言葉が、何も変わらない、変わるつもりがないという意味だということを、私はもう知っていました。
私は限界だった
朝の支度を終え、何事もなかったかのように家を出た夫。その背中を見ながら、私は静かに、家を出ることを決断しました。このままでは、私の心が壊れてしまう、体も持たないと思ったからです。
テーブルに置いた一枚の紙に短く、けれど今の気持ちをすべて込めて書きました。
「もう無理なので、実家に帰ります。少し距離を置きます。」
娘を抱きしめ、そのまま実家へ向かいました。
夫の謝罪と条件
実家に着くと、母がやさしく迎えてくれました。「大変だったね、疲れたでしょう」と娘を抱き上げてくれた瞬間、私はようやく肩の力が抜けて、涙がこぼれました。
その日から毎日のように、夫から連絡や謝罪のメールが届くようになりました。週末になると実家まで来て、「今まで甘えすぎてた。本当にごめん。もう一度、チャンスをくれないか」と、頭を下げたのです。
どれだけ謝られても、あのワンオペの日々に戻るのは、もう耐えられません。私は夫に、これから一緒に暮らすための条件を伝えました。
育児と家事は「手伝う」ではなく「一緒にやる」こと。
できないときは逃げずに「できない」と正直に伝え、どうすればできるのかを一緒に考えること。
そして、耳栓は二度としないこと。
夫は「わかった」とうなずきます。
家出から一カ月ほど実家で体を休めたのち、家に帰ることにしました。
夫の変化
家に戻ると、意外なことに家はすっきり片付いていました。自ら家事のやり方を調べて、やってみたそうです。夫は以前よりも積極的に娘と向き合うようになりました。
抱き方はまだぎこちなく不安そうでしたが、以前のように距離を取る様子はありませんでした。
完璧な夫になったわけではありません。けれど、逃げずに向き合おうとする姿勢だけは、確かに感じられました。毎日少しずつ娘に関わるようになり、半年ほど経ったころには驚くほどかわいがってくれるようになり、一安心しました。
夫婦はもともと他人同士。家族になったからといって、最初からうまくいくものではありません。不満があれば話し合い、選択を重ねながら、時間をかけて作っていくものなのだと思います。これから、家族として一緒に成長していきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。