富士山の山頂は何県?

富士山を囲む自治体には、静岡県(富士宮市、裾野市、御殿場市、小山町)と山梨県(富士吉田市、鳴沢村、山中湖村、富士河口湖町)があります。
その中で、山頂はどちらの県に属しているかご存じですか?

正解は…

正解は、「どちらの県でもない(境界未定)」です!
正確に言うと、富士山の「八合目」より上は、特定の県に属さない状態が続いています。山頂付近(正確には八合目以上)は、富士山本宮浅間大社の境内地として認められており、静岡県でも山梨県でもない「県境未定地域」となっています。
富士山の標高ランキング
日本の高い山トップ3を比較してみましょう。
1位 富士山(剣ヶ峰):3,776m
2位 北岳(南アルプス):3,193m
3位 奥穂高岳(北アルプス):3,190m
富士山は2位の北岳よりも約600メートルも高く、日本で圧倒的な高さを誇ります。
なぜ山頂の県境が決まっていないの?
富士山の山頂付近の県境が決まっていない理由は、江戸時代から続く歴史的な経緯にあります。
実は江戸時代から境界がなかった
山梨県の資料によると、江戸時代の地誌「甲斐国志」には「8合目より頂上に至りては、両国の境なし」と記されており、当時から境界のない場所だったことがわかります。
近代になって境界確定が試みられましたが、うまくいきませんでした。
・1897年(明治30年):宮内省御料局が境界調査を実施するも、山梨・静岡の両県が異議を唱える
・1905年(明治38年):静岡県側が「八合目境界」を主張
・1907年(明治40年):山梨県側(旧福地村・鳴沢村)が「山頂に境界を設けること」を要求
両県の主張は平行線をたどり、それぞれが独自に測量を行うなどしましたが、結局折り合いはつきませんでした。
転機となったのは1951年(昭和26年)。当時の両県知事による会談で「境界をめぐって争わない」ことで一致。以来、現在に至るまで境界は「未確定」のまま、平和的に棚上げされているのです。
こうした背景から、国土地理院の地図でも山頂付近には県境の線が引かれていません。実は全国には富士山を含め、県境が未確定の場所が14カ所あるそうです。
実際のところ、山頂にある「富士山頂郵便局」や「富士山特別地域気象観測所」の所在地は、便宜上「静岡県」となっています。
登山ルートで比較してみると…
県境は決まっていませんが、登山口の数は県ごとに異なります。
・静岡県側のルート: 3つ(富士宮、御殿場、須走)
・山梨県側のルート: 1つ(吉田)
山梨県側の「吉田ルート」は首都圏からのアクセスが良く、登山客の約6割が利用しています。一方で、静岡県側の「富士宮ルート」は山頂までの距離が最も短く、多くの人に親しまれています。
まとめ
富士山の山頂は、江戸時代から境界がなく、明治時代の調査でも決まらず、現在は「あえて境界を決めない」という形に落ち着いていました!
どちらの県のものでもなく、八合目以上は富士山本宮浅間大社の境内地として、「みんなの山」として守られているのも素敵ですよね。
次に誰かと雑談するときに、「富士山の頂上って、何県か知ってる?」とクイズを出してみるのも楽しいかもしれませんね!
りんごのイラスト/タワシ