こんにちは、助産院ばぶばぶ院長HISAKOです。今日は成長がゆっくりめな赤ちゃんについてお話しします。赤ちゃんの食が細かったり、小さめだったりする本当の理由は何なのでしょうか?
母乳が足りていない?
赤ちゃんの体重増加率が、母子手帳の発育曲線パーセンタイルグラフの曲線から出ている、右上がりの曲線のカーブの角度がゆるやかだと、「母乳が足りていない」「ミルクを足して」など、 たいていの小児科の先生はそう指導します。
医師がおっしゃる「母乳が足りない」が意味するところは、「母乳の分泌量そのものが足りていない」ということのようですが、飲んだ母乳をぐんぐん体重に反映できるあわてんぼうなウサギさんタイプの赤ちゃんもいれば、「まぁ、のんびりいこうよ」というようななカメさんタイプの赤ちゃんもいます。
体重が増えない本当の理由
体重の増えがのんびりなカメさんタイプの赤ちゃんは、ほとんどのパターンで「母乳が足りていない」のではなく、ちゃんとおっぱいは分泌しているけれど、赤ちゃん側のスタミナ、または技術的、はたまた性格的な問題で単に「有効に飲めていないだけ」です。
仮に、体重が増えない理由が赤ちゃんの深刻な病気だったりすると、母乳は当然うまく飲めないうえに、ミルクをいくら補足しても、やっぱりあまり飲んでくれなかったり、ミルクは飲んでくれたとしても飲ませているわりにやっぱり体重は停滞……ということが多いです。
小さくても元気な赤ちゃんも
健康で遅咲きの赤ちゃんは、身長と頭囲はそれなりに伸びていくのが特徴的。発達面、すなわち、首のすわりや目の輝き、背中の筋肉の緊張具合、手を口に持っていく仕草など、月齢相当に育っていれば、ほとんどのケースが問題ありません。
カメさんタイプの赤ちゃんは、観察してみるとよく動く活発な子が多いです。また、体重はなかなか増えないわりにおしっこはしっかり出ていることも特徴です。
あなたはほっそりしてますか?
体重の増えは、遺伝性が大きく関わります。ママが華奢だと、赤ちゃんも小粒ちゃんで当たり前です。その赤ちゃんの体重の増え方が「母乳分泌不良」から来ているものなのか、病的な側面が疑われるのか、それとも「ただいまおっぱい飲む練習中」なのか見極めることが大切ですね。
体重増加率だけ並べて「発育不良」「体重増加不良」のレッテルを貼るのはやめて、きちんと総合的に見極めてほしいなぁと思う今日このごろです。
総合病院小児科・産婦人科・NICU病棟勤務を経て、地域での助産師活動・出張専門『助産院ばぶばぶ』を開業。2006年には来院ケアも可能な「助産院ばぶばぶ」をオープン。2014年10人目出産し、ママたちに元気と勇気をおすそ分けすべく母乳育児支援や講演活動、書籍出版など多岐にわたって活動中。