妊娠がわかったときの気持ち
大学1年生の後期にすぐ妊娠が判明し、私はとてもうれしく思いました。彼は社会人で結婚を前提に付き合っていたこともあり喜んでくれましたし、「産んでほしい」とも言ってくれました。ですが、出産をする場合は退学しなければならない……でも子どもは産みたい……という両方の気持ちがあって、なかなか病院に行くことができずにいました。
そして、やっと病院に行ったときにはもう妊娠11週で、中絶手術をするには到底自分では払えない金額だったのです。親には言わなければと思い、母親に妊娠のことを話すと、猛反対されてとてもショックでした。相談した友人全員にも産むことを反対されてしまい、「産む」という選択を理解してもらえずに悲しかったです。
どうやって親を納得させたか?
母から「大学があるから」「まだ19歳だから」などさまざまな理由で反対されましたが、私は「大学はいつでも通いなおすことができるし、実際19歳で子どもを産んでいる人はたくさんいる」と反発しました。私は母が反対する理由がわからなかったわけでも、反抗期だったわけでもなく、ただ子どもが産みたかったのです。
それからも家族や彼と話し合いを重ね、「産みたい」という気持ちを両親も理解してくれたようで、「そこまで言うなら……」と折れてくれました。最初こそ「折れた」という感じでしたが、孫が生まれることは素直にうれしかったようで、時間が経つにつれ応援してくれるようになりました。
つらいつわりをどうやって乗り越えたか?
私は妊娠2カ月〜8カ月まで吐きづわり・食べづわり・眠りづわりなど、気持ち悪いときが大半で、かなり大変な思いをしました。どうにかこのつわりを解消しようと、何を食べると気持ち悪くなるか食べた物をメモして分析したり、苦手な果物を無理して食べたりしましたが、どれもうまくいきませんでした。
特に通学中に電車に乗っている間が1番つらかったです。出産3カ月前までは通学を続けていたのですが、通勤ラッシュ時の満員電車に乗ることが多く、本当に奇跡でも起きない限り座れないというほどの混雑ぶりでした。そんななか、「キャンディーなどが口に入っているときは気持ち悪くない」ということに気付き、常にガムやキャンディーをずっと口に含んでいました。
学生の間に妊娠してとても悩みましたが、最終的には周りの人に応援してもらって無事に女の子を出産できました。今はかわいい子どもに癒され幸せな日々です。あのとき自分の意志で決断したことに誇りを持っています。
※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。本記事の内容は、母体保護法 第14条 第1項 第1 号「妊娠の継続または分娩が身体的または経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの」に該当します。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
著者:橋本 楓/0歳女児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
イラスト:塩り
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています