妹の結婚式への出席を拒まれて!?
僕は昔から口数が多いほうではなく、親戚の集まりにも仕事で参加できないことが何度かありました。世間体を気にする父は、そんな僕を快く思っていないようで、「そんなに愛想がなくて、会社でもちゃんとやれてるのか?」「どうせ職場でも人付き合いが苦手なんだろ」などと言ってくることがあります。
僕が仕事の話をしようとしても、父はまともに聞こうとしません。一方、明るく社交的なA美は両親と気が合い、何かとかわいがられていました。
そんなA美が結婚することになり、両親は結婚式の話で大盛り上がり。しかし僕が予定を確認しようとすると、父は冷たい口調で「お前は一家の恥だ。晴れの日に余計なことをするな。式には来なくていい」と告げたのです。するとA美も「お父さんがそう言ってるなら」と父に同調。母も止めてくれることはなく、僕は出席を諦めることにしました。
父の知らない僕の姿が明らかに
ところが数日後、A美の婚約者であるB也から僕に「A美のお兄さんだと聞いて驚きました。結婚式でお会いできるのを楽しみにしています!」と、連絡があったのです。実はB也とは以前、仕事を通じて知り合い、何度かやりとりをしたことがありました。
その後、改めて2人から正式に招待されたため、僕は出席することに。
結婚式当日、僕を見つけた父は「どうして来たんだ?」と不機嫌そうな顔になりました。すると、僕が答えるより先に、B也がこちらへ駆け寄ってきて「来てくださったんですね! 本当にありがとうございます」と笑顔を向けてくれたのです。
「し、知り合いか?」と驚く父に、B也は「お義兄さんとは以前、仕事でご一緒したことがあるんです。僕が仕事で困っていたとき、何度も相談に乗ってくれたんですよ。知識も豊富で、僕が困っているといつも親身になってくれて……本当に頼りになる人なんです」と説明しました。
すると、父は「え……」と声を漏らし、その場で固まってしまいました。A美も「まさか前に話してた『尊敬してる人』って、お兄ちゃんのこと!?」と驚いています。
家族の見る目が変わり始めて
やがて父が「お前……仕事じゃ、そんなふうに頼られてたのか」と、ぽつり。僕は思わず苦笑いし、「何度か仕事の話はしたよ。でも父さんは、僕が人付き合いができないって、ずっと決めつけてただろ?」と答えると、父は何も言い返しませんでした。
僕のことを「一家の恥」とまで言った両親の前で、B也が僕を信頼していると話してくれて、素直にうれしく感じたのを覚えています。
式が終わったあと、A美が僕のところへやってきました。そして、「私、お兄ちゃんのことを勝手に決めつけてた。お父さんの言うことをそのまま信じて……ごめんね。それと、今日は来てくれてありがとう」と声をかけてくれたのです。
父はすぐには謝れないようでしたが、帰り際に「今度、仕事の話でも聞かせてくれ」とひと言。母も気まずそうに「今までちゃんと聞いてあげてなかったわね」と口にしました。
もちろん、それだけでこれまでの関係がすべて元通りになるわけではありません。ただ、家族に無理に認めてもらおうとしなくていいのだと気づきました。
これからは、自分をきちんと見てくれる人との関係を大切にしながら、家族と無理のない距離で向き合っていきたいと思います。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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