夕方になると落ち着かなくなる父
当時の父はまだ軽度の認知症で、日中は比較的落ち着いて過ごしていました。しかし、夕方になると落ち着かなくなる、いわゆる「夕暮れ症候群」のような状態が見られ、家の中をそわそわと歩き回ることが増えていました。
そんな父を見守る生活が続く中、ある日の深夜、疲れがたまっていた私はいつの間にか眠り込んでしまいました。しばらくして目を覚ますと、家の中が妙に静かです。父の部屋の電気はついたままなのに、そこに父の姿はありませんでした。
家中を探しても見つからず、玄関を見ると鍵が開いています。「まさか、外に出てしまったのでは」と思った私は慌てて外へ飛び出しました。しかし、真夜中の住宅街を探しても、父の姿はどこにも見当たりませんでした。
警察から届いた1本の電話
警察に連絡しようとしていたそのとき、スマートフォンが鳴りました。父を保護した警察署からの電話でした。震える手で電話に出ると、「お父様と思われる方を保護しています」と告げられました。
急いで警察署へ向かうと、父はパジャマ姿のまま、ロビーでお茶を飲んでいました。父や警察官から話を聞くと、父は「昔住んでいた家に帰ろうとしていた」ようです。しかし途中で道に迷い、座り込んでいたところを、パトロール中の警察官に保護されたとのことでした。
父の顔を見た瞬間、無事だったことに安堵し、涙が出そうになりました。その一方で、「自分が寝落ちしなければ」と後悔する気持ちも湧き上がり、さまざまな感情が入り混じりました。
家族だけで抱え込まない介護へ
この出来事の後、私はケアマネジャーに相談しました。そして、夜間の見守りサービスや、センサー付きの玄関アラームを導入することにしました。
それまでは、できるだけ自分で父を見守ろうという気持ちが強かったのですが、深夜の出来事を経験し、家族の気持ちや努力だけでは支えきれない場面があるのだと実感しました。認知症の父が思いがけない行動をする可能性も考えながら、周囲の力を借りられる環境を整えることの大切さにも気付きました。
父が無事に保護されたあの夜は、今でも忘れられません。父を介護していたころは、「自分がしっかりしなければ」と思うことがありましたが、ひとりでできることには限界がありました。
まとめ
専門的なサービスや見守り機器を利用するようになってから、私は家族だけで抱え込むのではなく、必要なときには周囲の力を借りることも大切なのだと考えるようになりました。父の安全だけでなく、介護する自分自身の心身の余裕を保つためにも、その考え方は必要だったと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐藤信一/50代男性・会社員
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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