春からの仕事復帰を予定しているママで、お子さんが保育園に行く場合、母乳を続けるか、断乳するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 今回はそんなママに向けて、仕事復帰後の母乳育児のヒントになることをお話しします。
仕事復帰後の母乳育児をどうするか決めるポイント
まずは、母乳育児をどうするか決めるときにポイントとなることを、赤ちゃんの成長や状況、ママの体調や状況に分けていくつか紹介します。
赤ちゃんの成長や状況によるポイント
・月齢(年齢)
・離乳食の進み具合・食べる量
・体重や発達
→1歳未満であれば、離乳食が食べられていても栄養の観点から母乳や育児用ミルクの液体栄養は大切です。完母の方は育児用ミルクへ替えていくこともあります。
・母乳分泌量・授乳回数(特に日中)
→母乳量が多い場合や日中の授乳回数が多い場合は、仕事中に搾乳しないと胸が張ってつらいことがあります。
・授乳状況
→母乳で寝かしつけをしている場合、他の方法(抱っこやトントンするなど)への移行ができるかという課題もあります。
・保育園の搾乳対応の有無
→搾母乳に対応していない園もあるようです。その場合は、保育園にいる間は育児用ミルクになることもあります。
ママの体調や状況によるポイント
・乳房トラブルの有無
→乳腺炎を繰り返している場合、トラブル発生時に体調不良で欠勤することも。
・夜間授乳の回数
→夜間の睡眠が十分にとれないと、翌日の仕事に影響が出ることがあります。
・勤務時間(往復の通勤時間も含めて)
→授乳できない時間が長い場合、勤務中の1〜2回の搾乳が必要になることも。
・搾乳できる場所や時間が確保できるか
→昼休みにトイレや更衣室で搾乳される方が多いようです。
・ママの気持ち
→これが一番大事です。母乳を続けたいか、やめていきたいか、ママの気持ちもポイントになります。
仕事復帰後も母乳を続けるメリット・デメリット
次に母乳を続けるメリットとデメリットについてお伝えします。こちらも赤ちゃんから見たメリット・デメリットと、ママから見たメリット・デメリットに分けてみました。
赤ちゃんから見たメリット
・感染症にかかりづらくなり、重症化を予防できる
・寝かしつけがしやすい
・ママとのスキンシップ、癒しになる
赤ちゃんから見たデメリット
・特になし
ママから見たメリット
・母乳の免疫で、感染症にかかりづらくなったり、重症化を防ぐ
・子どもが休むことが少なくなり、ママの欠勤も少なくなる
・子どもとのスキンシップ、癒しになる
・母乳育児を長期的に継続することにより、乳がん・卵巣がん・子宮体がんの発生を抑える(長期的効果)
ママから見たデメリット
・乳腺炎になることもあり、体調不良で欠勤する可能性がある
・夜間の授乳のために睡眠が不足することもある
・休憩時間が搾乳の時間にとられる
仕事復帰後も母乳を続ける場合の準備や心構えは?
1歳未満や保育園にいる時間帯に授乳している場合は、日中1〜2回の搾乳が必要になることも。搾乳場所・搾乳を保存するための冷凍庫の確認、搾乳時間の確保をしましょう。
【準備するもの】
手搾乳(タオル、カップ)、搾乳機(手動・電動)
※保存する場合は母乳パック、持ち運び時に溶けないように保冷剤・保冷バック
【スケジュール例】
※生後10カ月 9:00〜16:00までのお仕事の場合
6:00 ・・・・・・起床/準備
7:00 ・・・・・・朝食/授乳
8:00 ・・・・・・登園/出社
9:00 ・・・・・・就業開始
12:00 ・・・・・・昼食/搾乳
16:00 ・・・・・・就業終了/退社
17:00 ・・・・・・お迎え/帰宅、授乳、夕食、お風呂
20:00 ・・・・・・授乳/寝かしつけ、夜間覚醒時授乳
仕事復帰に向けて断乳する場合の準備や心構えは?
断乳する日を決めて、お子さんに事前にお話をしましょう。断乳ケアは慣らし保育前から余裕をもって始めておきましょう。セルフケアでもできますが、搾乳に自信がない人や不安があれば、お近くの母乳外来を探して、断乳ケアを受けるようにしましょう。春は断乳ケアが集中することがあるので、余裕のあるうちに相談しましょう。
仕事復帰後の母乳育児については、みなさん悩むところです。WHOでは、生後6カ月までは母乳で育てて、その後、補完食(離乳食)を適切にとりながら2歳まで母乳を続けることを推奨しています。また、その後も子どもが欲する期間は母乳をあげることも推奨しています。
しかし、ママという立場からひととき離れて仕事に集中したい、体力勝負で睡眠も万全で挑みたいという気持ちもあると思います。それぞれの家族や仕事、ママの想いにも合わせて、家族で話し合って決めていけると良いかと思います。