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夜泣きをあやすのは逆効果!?ママ小児科医が教える「夜泣きの不要な対応」あなたはいくつ当てはまる?

こんにちは、ママで小児科医の保田典子です。生後2カ月くらいになると、睡眠のリズムもついてきて、少し体がラクになる……と思いきや、今度は夜泣きで全然ラクにならない! ということ、よくあると思います。
夜泣きすると抱っこやトントンをする方も多いと思いますが、実はコレ、いらないんです。その理由をお話ししたいと思います。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師保田典子 先生
小児科 | 高円寺こどもクリニック院長

2003年筑波大学医学部卒業、国立国際医療センター、大阪市立総合医療センター小児循環器内科勤務を経て、2014年東京女子医科大学大学院博士課程修了後現職。小児科専門医。一般診療、小児循環器診療に加えて、漢方治療や発達相談にも対応している。2021年、高円寺こどもクリニック開院。3児の母。
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赤ちゃんの夜泣きにはトントン不要

 

 

赤ちゃんの夜泣きにはトントン不要

 

ママからよくある相談「夜泣きがつらい」

「新生児期を過ぎて、夜寝るようになったと思っていたら生後3〜4カ月、6〜7カ月、9カ月くらいにまた夜グズグズと泣くようになってきた」、「夜間、頻繁に起きるのでつらい」というご相談が、ちょこちょことあります。

 

私も特に第1子のときは、夜泣きというか寝かしつけの段階からすごく苦労しました。

第3子のときには、「寝かしつけや夜泣きで起こされていては体がもたない!」と、ネントレ(ネンネトレーニング)することを決め、生後6週からネントレを始めました。

 

そのかいあって、生後8週目のころから、20時~6時までぐっすり寝る子になってくれました。私は第3子の産後の肥立ちが悪く、体がすごくつらかったのですが、子どもが寝てくれたおかげでなんとか仕事と育児を続けられました。

 

どうして夜泣きするの? 原因は?

夜泣きが起きやすい時期は「メンタルリープ」とも言って、赤ちゃんの精神や体がよく発達する時期が多いのです。それ以外の時期でも夜泣きが起きることはあります。

 

赤ちゃんはそもそも大人よりも睡眠が浅いんです。ただ、睡眠のパターンは大人と似ていて、眠りが浅い「REM(レム)睡眠」と、眠りが深い「non-REM(ノンレム)睡眠」とがあります。

 

大人はREM睡眠のときも起きずに朝まで寝続けられるのですが、そのときに起きてしまう子がいます。夜泣きはこれが一番多い原因です。

 

夜泣きをなくすにはどうすればいい?

つまり、夜泣きを改善するためには「途中で起きてしまうことをいかになくすか」が大切になります。

 

なので、夜泣きのときにあやしたり、抱っこしたり、おっぱいや育児用ミルクをあげてしまうと、赤ちゃんをますます覚醒させる方向に持っていってしまうので、逆効果です。

ネントレは、「いかに赤ちゃんがひとりで中途覚醒からもう一度寝つくことを覚えるか」が肝となります。

 

 

「ネントレ」ってかわいそう?

ネントレは基本的に、赤ちゃんが起きてしまったときに抱っこしたりせず、様子を見ます。様子を見る、といっても端から見ると放置してしまっているように見えます。

 

よく、外来でも「ネントレって赤ちゃんが傷ついたりしませんか?」という質問がありますが、今まで出ている論文では、ネントレが赤ちゃんに愛着障害をもたらしたり、赤ちゃんが精神的に不安定になることはないと言われています。ちなみに、赤ちゃんをただずっと放置するのではなく、本当に赤ちゃんの「様子を見ます」。

 

まず、やはりおなかが空いていそうで飲まないと寝ないなと判断したら、おっぱいや育児用ミルクをあげます。具合が悪いのかなと判断したら、熱を測ったりなど評価をします。

 

この「様子を見る」という行為が、言葉をしゃべれない赤ちゃんの思っていること、体調などを判断する力がつくことになったなと感じています。この判断力は、昼間の育児にも活かせましたよ。

 

ネントレの開始時期

ネントレの開始時期は、赤ちゃんが昼と夜の区別がついてくる生後2カ月くらいからがオススメですが、まだ生後2カ月だと夜におなかが減ってしまう子もいるので、本当に「様子をみながら」寝る時間を長くしていくことが大切だと思います。生後半年超えていたら、基本的に一晩中寝て大丈夫ですよ。(起こしてまで授乳しなくてOKです)。

 

「夜寝られること」の大切さ

「ネントレは全員しましょう」とは思っていませんが、夜はゆっくり眠れるようになったほうがいいと考えています。睡眠は、疲労をとる最も効果的な方法です。親も子どももぐっすり眠れることで、昼間の疲れを回復させられます。

 

私が育児のなかで大切にしていたことの1つは睡眠です。子どもが幼稚園に入るころになったら、一番厳しくしていたことが「早く寝よう」でした。家族の睡眠を快適にして、体力をつけたいものですね。

 

 

夜に眠れないというのは、心身ともにとてもつらいもの。夜泣きで悩んでいる方は、小児科医に相談して解決することもありますので、予防接種や健診のときなど、一度相談してみるのもいいと思います。夜泣きの対策をしっかりして、親も子どももぐっすり眠り、楽しい子育てライフになるといいですね。

 

 

作画:はたこ

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