私は生まれてからずっと都市部で生活をしてきました。親類縁者も近くに住んでいるので、盆暮れの帰省の経験はなし。しかし夫の仕事の都合で、子どもが生後4カ月のときに地方都市に移住することに。私は未知の環境への漠然とした不安は感じつつも、田舎暮らしに憧れを感じていたこともあり、移住に抵抗感はありませんでした。そして実際に3年以上生活してみて、移住してよかったと感じていることをお話しします。
通勤時間が大幅減
私は社会人になってからいくつかの職場を経験しましたが、通勤時間はdoor-to-doorでどこも1時間程度かかりました。遠い職場だと1時間半。電車を乗り継いでいたり、ラッシュ時に見送ったりで時間がかかったのです。私がとりわけ辺ぴなところに住んでいたというわけではなく、周りの人たちもこれくらいかかっていました。
しかし移住してから、通勤時間は徒歩で13分に。子どもをこども園に送ってから職場に向かっても、自転車を使って17分程度です。夫の通勤時間も徒歩で15分。おかげで朝は家族そろってごはんを食べることができますし、夫の残業がなければ夜もみんなで食事をすることが可能です。
お金をかけずに子どもが遊べる
地方都市は都市部に比べてレジャー施設などが少なく、同じように遊ぼうと思うと物足りなさを感じます。しかし私が住む土地は身近に自然がありますし、自治体の子育て支援も強力です。例えばわが家から自転車で15分のところに丘陵があり、ハイキングコースが整備されています。
夏に行けばカブトムシやクロアゲハを見ることができ、秋に行けば枯れ葉遊びを思う存分楽しめます。公立の公園も広々としていて思いっきり走り回れますし、大型の遊具も設置されているので子どもは1日遊んでも遊びたりない様子です。
光熱水費が安い
私が住む土地は山と川が多く、水資源が豊富です。そのおかげで水力発電が盛んで、水道代と電気代が全国的に見ても低く設定されています。電気代が安い影響でオール電化の普及率も高く、わが家もオール電化。よってガス代はなし。光熱水費の支払いは水道代と電気代だけです。
スーパーで買い物をしていると、物価は都市部に住んでいたときと変わらないように思います。外食の値段設定はやや高め。光熱水費の土台が抑えられているので、家で料理をすることが中心であれば生活費を抑え貯蓄に回す余裕ができます。
地方移住というと人混みが少なくストレスフリー、自然が身近で四季を感じやすい、そんなイメージでした。実際に子どもを育てながら生活をしてみると、考えてもいなかったメリットも。住めば都と言いますし、地方の良さを存分に享受してこれからも生活したいと思います。
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監修/助産師REIKO
イラスト/おもち
著者:小原水月
1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。