一生懸命のパパ。しかし、ちょっぴり役立たず
初めての子育てで、私も夫も手探り。息子と過ごす時間が長い私は、試行錯誤の日々でした。習うより慣れろというのは本当だな……と実感。仕事で忙しい夫は「できるだけのことはするから! 何でも言ってね」と言ってくれて、頼もしく思っていました。しかし、なかなか思うようにはいきません。
おむつ替えを頼んでも「ねえ、ちょっと来て!」と助けを求められ、結局私がしたほうが早いじゃない……ということもしばしば。一生懸命な気持ちはわかるけれど、大して役に立たないなと心の中では愚痴をこぼしていました。それと同時に、頑張っている人をそんなふうに思うのは後ろめたいという気持ちもありました。
そうか、夫も新人なんだ
どうして夫は私が思うようにしてくれないのだろう? とイライラしていたある日。ふと、職場の新人教育で同じような気持ちになったことを思い出しました。右も左もわからない人に、察して行動してほしいと思うのは乱暴だよね……一つひとつ丁寧に伝えなきゃいけないんだと気づいたのです。
夫も子育ては初めて。新人パパなのだと思ったら、役に立たないなどとイライラしたことを申し訳なく感じました。パパとママになった時期は同じでも、練習時間が長い私のほうが、いつの間にかちょっとだけ先輩になっていたのかしれません。私でもできないことはたくさんあったなと思ったら、気持ちがラクになりました。
ポイントを説明して、段階を踏んでお願いする
そこで私は、夫にお願いするときはポイントを説明することにしました。「おむつを替えるときは、こうやって全部準備してからやるといいよ」、「手足が布団に入っているとグズることが多いから、出しておくのがいいよ」と自分が工夫していることなどを丁寧に伝えると、「なるほど! そうやればいいんだ」と納得する夫。
そして、はじめに伝えたことができるようになったら「おむつを引っ張りながらくるって巻くといいよ」など、ステップアップした内容を説明しました。すると夫は息子のお世話がじょうずになり、頼れる存在になったのです。
本当に大切なこと以外は口出ししない
夫と息子が2人きりで1日過ごせるようになると、私は夫のお世話に口出ししないように気をつけました。「ソファの上に寝かせないようにね」、「このリスト以外の食材は食べさせないでね」など息子の命に関わるようなことだけ声をかけ、それ以外は何も言いませんでした。
なぜなら、お願いしたことなので夫にまかせよう、多少のことは気にしないことにしようと考えたからです。肌着が裏表逆でも、少しくらいおむつがパンパンでもいいや……と思ってみたら、自分がこだわり過ぎているかも? とすら感じるように。夫のほうがじょうずなお世話もあり、教わることもありました。すると、私の肩の力がすっと抜けていったのです。
はじめは誰だって完璧にはできないんだよな……と気づいたことで、夫にやさしくなれました。私でもできなかったのに、自分を棚に上げていたことを反省。まるで新人教育のようにできないことを前提に、丁寧に伝えたことがよかったのかなと思います。今では病院の受診などもお願いでき、夫は本当に頼りになる存在です。
著者:更田未央子/女性・主婦。7歳と3歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。
作画:ムチコ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています