2年間の遠距離恋愛
24歳のとき、友人の紹介で同じ長崎に住む彼とお付き合いを始めました。ただ、彼の実家は東京で、私の実家は長崎。彼は仕事で長崎にきた、という人でした。
車好きの彼とはよくいろいろ場所へドライブデートをしたり旅行をしたり。お付き合いをしていくうちに、やさしい人柄でしっかりした彼を素敵な人だなと思い始めました。
しかし、お付き合いをして1年経ったころ、彼が長崎から東京に転勤することに! 転勤があることは知っていたものの、お付き合いをしてこんなに早く離れ離れになるとは思ってもいませんでした。転勤が決まったものの、お別れするという選択肢はなく、東京と長崎の遠距離恋愛が始まったのです。
距離の遠さや、なかなか会えない寂しさからお互いの気持ちがわからなくなり、破局の危機もありましたが、お付き合いをして3年目、私が26歳のときに彼からプロポーズをしてくれ、結婚の約束をしました。
両家の顔合わせで衝撃
その後、お互いの両親へのあいさつも終わり、いよいよ両家での顔合わせ。しかし実は、彼の実家にあいさつへ行ったときに、私は不安を覚えていました。彼の両親はサバサバとして淡々と話をする人で、その様子にあまり馴染めなかったのです。そして両家の顔合わせの日に。無事に終わればいいなと不安に思いながらも顔合わせが進みました。
しかし、案の定途中で、彼の父の言葉に衝撃を受けたのです。それは「結納はしないので。もし地域的にしたほうがよければ考えます」という言葉! 姉の結婚が決まった際も、姉の夫の実家から結納をしてもらっていたので、わが家は「当然結納はするもの」という認識でした。
私はその言葉を聞いたとき、「結納をしないにしても、もっと言葉を選んで言ってくれたらいいのに……」とショックでした。私の両親からしても、とても気持ちのいい言葉ではなかったと思います。顔合わせが終わり、実家に帰った際にも彼の父親の話題に。結婚は当人同士だけではなく家族も関わってくることなので、これからのことがとても不安になりました。
結婚後に気づいたのは…
不安の残る両家の顔合わせでしたが、結婚の話は進み、結婚式も無事に挙げることができました。結婚して思いましたが、彼はもともと話が上手な人ではありません。彼とけんかをしたときなどは、義父のように冷たい物言いになることもありました。そういう部分は、きっと父親譲りなのでしょう。彼の父も私たちが嫌いだからあのような冷たい言い方をしたのではなく、単に話が苦手でぶっきらぼうなところがあるだけなのだと気づきました。
そして結婚して1年たったころ、子どもを授かりました。3人での生活が始まると、子どもの食事のこと、育て方など夫婦2人だったときより夫とぶつかることが増えました。そのたびに改めて思うことがあります。それは、育った環境が違えば、考え方も価値観も違って当たり前なんだということです。彼の父とのことも、人と人なのだから考え方は違うと感じましたが、子育てをしてみてよりそのことを実感します。私が当たり前に思っていることも、彼からしたらそうは思わないこともあり、また、子どもに対する母親と父親の目線もまったく違うということを感じました。
夫婦、家族になるということはお互い違う者同士が分かり合い、歩み寄りながら生活していくということだとつくづく実感しています。
結婚前の顔合わせでの義父の発言は衝撃的でしたが、違うのは当たり前なのだと気づいてからは義両親とも私なりにうまくお付き合いしていけていると思っています。夫とも、意見が合わずぶつかることもありますが、そのたびに話し合いの場を設け、解決するまで話し合うようにしています。それが現在、夫といい関係でいる秘訣だと思っています。
著者/板倉さやか
イラスト/おんたま
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