2歳離れた兄妹
わが家の息子と娘は2歳差の兄妹です。マイペースな息子は、妊娠中はあまり「妹」という存在に興味がない様子でした。お世話をしたがるようになったのは、娘が生後3カ月ほどになってから。そんな息子ですが、幼稚園入園後、ある時期から娘に対してとても暴力的な行動をとるようになりました。帰宅するなり娘を押したり、おもちゃを取り上げて投げてしまったり......。
何度も続いたので私は、「お友だちにもこういうことしているの?」ときつく問いかけました。しかし息子は首を横に振り、だんまり。担任の先生に相談しても園ではそういうことは一切ないとの話で、私は頭を抱えてしまいました。
相談したものの…
実家はそう遠くなく、よく行き来していたので母や母以外に相談できる友人もいました。息子の行動を複数の人に相談し、私と2人きりの時間を作ってみたり、息子が一番大好きで大切だと伝えたりと、アドバイスしてもらったことを試してみました。しかし何を試してみてもその場限りで、息子は一時的に満足げで落ち着くものの、また日が経てば娘にだけ暴力的な行動をとるように戻ってしまうのです。
もしかして愛情が足りていないのではないか、息子の気持ちを満たしてあげられない私は母親失格なのではないか……。そんな気持ちで押し潰されてしまいそうになり、私はだんだん周りの人に相談ができなくなってしまいました。
気持ちを救ってくれた場所
私は知らない人に話を聞いてほしいと思い立ち、ネットで調べてみたところ、自治体が運営している子育て相談室を見つけました。希望すれば1対1で相談員さんと話ができるということでした。緊張しながらも訪れ、思い切って経緯を話す私。すると相談員さんは「よく頑張ってきたね」と肩を撫でてくださり、悩んでいた私はそれだけで涙が止まらなくなってしまいました。
すでにいろいろなことを試していた私は、その日何か的確な対処法を教えてもらった訳ではありません。しかしすべて吐き出し受け入れてもらったことで、「できることはやっている。愛情は伝わっている」と思うようになり、息子の行動にイライラしたり落ち込んだりすることはなくなりました。すると、息子の暴力はだんだん減っていき、気付くと問題行動はなくなっていました。
いろいろ試してみても効果がなく落ち込んだり、「子育ての仕方が間違っているのか?」と不安だった私は、あのとき第三者から認めてもらえたことが自信につながったような気がします。今思えば、私の不安な気持ちが、息子に影響を与えていたのかもしれません。身近な相談相手がいることはとてもありがたいことですが、公的な機関に頼ることも悪くないなと思った出来事でした。
著者:樋山ゆり菜/6歳男児、4歳女児の母。夫は不規則な勤務体制のためワンオペ育児多め。食べることが大好きで、地元・栃木県の食をメインとしたブログを運営しながら、飲食店にて接客のパートをしている。
イラスト:あさうえさい
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています。